ラブレターを間違えて王子様の下駄箱に入れてしまった!
アンジャッシュネタって難しいですね(言い訳)
俺は今日告白する!
いつも教室で本読んで子がいた、人付き合いが下手で部活にも入らずに毎日休憩時間を一人で過ごしてる女の子だった
たまたま同じ図書委員にならなかったら、きっとずっと知らないままだったろう
責任感が強く誰もやらない図書室の掃除を一人でもやる子だった、話し掛けると口下手ぎみだけど知識が豊富で飽きることがなかった
そして、微笑んだ顔がとても魅力的な子だ
だから俺はなけなしの勇気を振り絞って彼女の靴箱に手紙を入れた、ありったけの想いを詰め書き込んで、放課後の校舎裏に来てくれと
なのになんで王子様が来るんだよ!
「貴様か、我の下駄箱に恋文を入れた奴は」
誰だこいつ!こんな王子様コスプレしてる痛い人は知らないぞ!
よし、とりあえず深呼吸だ、これは何かの間違い
ちくせう、やっぱり目の前には白のシャツとパンツに真っ赤ジャケットとマント姿が凛々しい王子様がいやがる
「我に恋文を送る命知らずを見に来たが……まさか男だとはな……」
俺も王子様が来るとは思っても見なかったよ!いつからここコスプレOKになったんだよ!
……あれ?今こいつ俺の下駄箱とか言わなかった…………待って!読んだの俺の初ラブレター!てか、俺間違いたの?下駄箱!……あばばばばばば
兎に角間違いを正さないと、俺がモーホーだと思われてしまう!
「ち、違うんです、それは好きな女の子に送った物で……」
「!」
だから手紙を返して下さい、って、なんで驚いた顔してるの!俺本当にその気はないからね!
「好きな……女の子……だと……」
ヒェッ!何これ殺気なの!いきなり睨まないでくれます……そんな漫画の世界から来たような恰好で、漫画の世界のような殺気を飛ばさないで下さい
ほら足が生まれたての小鹿みたいにプルプルしてるでしょうが!
「そそそそ、そうです!いくら凄んでも、俺の気持ちは変わりません…………です」
なんでいきなり殺意の波動を出したか分からないけど、俺はストレートだ!男が好きだと思われるのだけは我慢できない!
「…………いくらだ?」
「え?」
なんでいきなり値段聞いてくるの……まさかこいつ……
に、逃げなきゃ!この人ソッチの気がある人だ!
……逃げたいのに生まれたての小鹿みたいな足が言うことを聞かない!
「いくら欲しいかと聞いている」
「……も、もしかして、お金で諦めろって事ですか?」
俺の貞操を!いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
「そうだ……これ以上我を怒らせる前にな」
「………」
か、覚悟を決めろ俺!このままだと流されて禁断の地を開拓されてしまう、俺はやれば出来る子だ、やられる子じゃない
逆切れでも何でもいい、ここは強気に攻めて断るんだ!
「これはお前の……お前の為に言ってるのだ、その気持ちは胸に秘め…………忘れろ」
「……ふざける………」
もっとだ!もっと高ぶるんだ俺の反抗期!一夜の過ちを犬に噛まれたと思って忘れられるかー!俺がイチャイチャしたいのは女の子なんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!
「お前の勇敢さに免じて今回の「巫山戯るなと言ってるんだ!」」
よし、よく叫んだ俺!このまま誤魔化して……逃げるぞ!
「何が金で忘れろだ!俺はただ気持ちを伝えたかっただけだ!」
「なっ、お前……」
ふっ、気弱そうな俺がいきなり叫んで驚いてるな、俺のあの子への想いを聞きやがれ!そして男には興味無いって気付いてください
「あーそうともさ!フラれるのは分かってたさ!俺なんかが釣り合わないって知ってたさ!」
「落ち着け、我は何もそこまで……」
そう分かってても我慢できなかったんだ、今それを再認識した……男に言い寄られて確信した
「でもな、伝えられずにはいられなかったんだよ!」
「…………そこまで想ってたのか……」
今なら分かる、今の俺だから分かる、俺が本当に伝えたかった言葉
「いいや違う!……俺が想ってたのは、ただ勿体ないという気持ちだ」
「勿体ない……だと」
ずっと好きだと伝えたいと思っていた、でも違うんだ……俺が本当に思っていたのは
「そうさ勿体ないだ!こんなに綺麗なのに誰も気付いてない……こんなに魅力的なのに誰も知ろうともしない」
「な、何を言ってる」
溢れるあの子への思いの丈だよ!つか気持ち良く叫んでるのにいちいち相槌打つな!
「うるさい黙れ!俺はただ知って欲しくて告白しようとしただけだ!」
「……何を」
気付いたのはさっきだがな!
まさか初めての告白を男に聞かれるのは最悪だが、男に興味が無いのをはっきりアピールしなきゃいけない!
俺は大きく息を吸い込んで王子様目掛けて叫んだ
「俺はキミが好きだ、キミほど魅力的な女性は見たこと無い!…………そう言いに来たんだ」
「そ、それが伝えたかった言葉か……陳腐だな……」
うるせー陳腐で悪かったね、というか何で王子様が動揺してるの? 伝わったよね、俺の女の子が好きな宣言
「陳腐でもいいんだ……たった一人だけだとしても……自分の事を魅力的だと思ってる人が居る事を……知って欲しかっただけだから」
それで少しでも彼女が自分に自信を持ってくれたら、あの大好きな笑顔がもっと見れるだろうから
「それに……俺が好きだと想ってる事もついでに分かって貰えるしね」
あ…思わず声に出た………でもきっとこれも本心なんだろうな
告白しようとしたのだって、自分の想いを知って欲しくて、我慢できなくなったからだから
「……身勝手だな」
グハッ!そうだよね身勝手だよね!自分の思いを押し付けてるよね!…………まさかモーホーに会心の一撃を食らうとは、その言葉は俺に効く
「………………そうだね、俺が勝手に良かれと思った事だね……ハハッ………」
あかん、彼女の為にと思ってたけど……それを彼女が望んでるとは限らないじゃないか、なんか泣けて来た
「返事は聞かないのか?」
背を向けて帰ろうかとした俺に王子様が聞いてきた
まさかと思い辺りを見回すけど、彼女どころか誰も居ない、思わずため息を漏らす
「聞ける訳ないだろ……俺は王子様に告白しに来たんじゃないんだ」
「っ!」
だから何故悔しげな表情浮かべる!何度も言うが俺は女の子が好きなんだよ
なんかドッと疲れた……
「……ごめん……行くよ…………」
「待って……」
待たないよ!お願いだから帰らせて下さい、もう俺のLPはゼロよ!
あーそうだ、最後にひとつだけ言いたい事あった
俺は王子様の方を振り返ると疲れた顔で言った
「余計なお節介かも知れないけど、そんな恰好より普通の恰好した方がいいと思うよ、せっかく元がいいのに勿体ないから」
そして俺じゃない人を狙って下さい、お願いします
「…………ああ、本当に余計なお節介だ……」
遠くで王子様の呟きが聞こえた気がしたけど、貞操の危機を守る為に早足で逃げた
翌日学校では王女様が登校したと騒ぎになっていた
王子様の次は王女様なの?勘弁して下さい、この学校どうなってるんだよ
俺の平穏を望む願とは裏腹に、その日、真っ赤なドレス姿の女性が教室のドアを開けた
最初にセリフ全部書けば脱線しないと思ったんです




