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適者生存

作者: 駒沢

1分で読めるショートショートです。

開け放していた窓からシュプレヒコールが聞こえる。


「地球環境の破壊に、はんたーい!」


また動物保護団体のデモか……。私は軽いイラツキを感じた。


「動物たちを、絶滅から救えー!」


動物保護に熱心なのは彼らの勝手だが、休日の午前中から喚き散らすのはいただけない。せっかくの静かなひとときが台無しだ。


「皆さん、聞いてくださいっ!」


ヒステリックな声がキンキンと鳴り響く。


「地球環境の激変は、動物たちを絶滅の危機に追いやっていますっ!」


そりゃそうだが、ではどうしろと? 環境の変化に適応できないのなら、絶滅も仕方がないじゃないか。


「知能のある動物を、見殺しにしてよいはずはありませんっ!」


いやいや、それは関係ないだろう。我々に比べれば遥かに劣っているし、あの程度を知能と呼んでいいかどうかも疑わしい。「知能があるから保護せよ」というのは、ただのセンチメンタリズムに過ぎない。


「地球環境の破壊に、はんたーい!」

「はんたーい!」

「動物たちを、絶滅から救えー!」

「救えー!」


デモ隊の叫び声があまりにもうるさいので、やむを得ず私は聴覚センサーを切った。あたりがしんと静まり返る。


人類が地球環境の変化に対応できず、絶滅の危機に瀕しているのは知っている。しかし、それはどうしようもないことだ。

だいたいちょっと気温が上がったり、水がなくなったり、オゾン層が消えたり、大気が放射能に汚染された程度で絶滅してしまう適応力の低さが問題なのだ。

適者生存。人類が絶滅し、我々アンドロイドが繁栄するのは、自然の摂理なのだと思う。

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駒沢的怪異譚
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