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姫で騎士で(略)で勇者の事件簿・後編

旅行とか言ってる間に遅くなりました。

最近困難ばっかりだな。

「その事件、私が解決します。じっちゃんの名にかけて!」

どこぞの金田一少年のごとく宣言した姫様は、とりあえずその時屋敷にいた人を集めた。


①登場人物の整理

「わ、私は殺された主人、ピエリスの妻エリカと申します。」

美人な奥さんだこと。美人人妻、これは何か裏がありそうだ。

あ、もう未亡人か。

「私は娘のベロニカよ。たまたま休みがあったから、帰省してたの。」

こちらも美人のベロニカさん。歳は二十くらい。

ということは奥さんは四十代という事だけど……そうは見えないし、顔もあまり似ていない。

「エリカさんは父の後妻よ。母は私を産んですぐに亡くなったわ。」

なるほど、そういうこと。

「俺が息子のコランバインだ。俺は普段からここに住んでる。」

柄の悪そうな顔をしている。何か疑わしい。

いやいや、見た目で判断してはダメだな。

「私はピエリスの兄で共に事業をしていたオンシジュームだ。私も普段からここに住んでいる。」

ふーん、あやしい。

ほら、事業の方向性でそりが合わず殺すとか。ありそうじゃない?

「そして私がメイドのアザレアです。といっても今日から仕事始めの予定だったのですが……。」

「俺が女装メイドのアロエだぜ!」

メイドさんか。二人も雇ってるって事は、事業はそこそこ成功しているようだ。

ん?女装メイド?

ご主人ハイセンス過ぎる……。

「これで全員って訳ね。ふ~~~~~ん。」

姫様が手を口に当て、ジト目で全員を見つめる。

いつの間にか口ひげとパイプ、帽子とインバネスコートまで着ている。

完全にシャーロックホームズ気取りだな。金田一はどうした。

「とりあえず、現場検証ね。」


②現場検証

「現場はそのままでしょうね。」

「ええ、そのままです。」

「アクト、スケッチをお願い。」

「ご主人様。」

「うん、お願い。」

「かしこまりました。」

一旦僕にお伺いを立てるのね、そこ。

アクトの基準はよく分からない。

「ローゼ、ピンセットは持ってる?」

「ええ、まあ一応持ってますけど、何をするんです?」

「証拠を拾うのよ。例えばこの糸くず。」

落ちていた糸くずをひょいとつまみ上げる姫様。

「これなんかは代表的な例ね。ここから読み取れることは……どうやら犯人は羊毛の服を着ていたらしいわね。」

「みんなそうですよ。」

……。

これがもし科学捜査ドラマだったら、ここから素材を調べて犯人を絞れるのだろう。

だけど残念!剣と魔法の世界ではみんな羊毛の服なのだ!

ボタンでも落ちていない限りは特定は難しい。

「……気を取り直していくわよ。どうやら犯人と被害者はもみ合っていたようね。」

「何かエッチですね。」

「そういう意味じゃないわよ!ほら、これ。花瓶の水がこぼれた跡があるわ。」

確かに。こぼれた跡がある。

こっちの置物はほこりをかぶっていないところが見えている。場所が動かされた証拠だ。

「むぅ、剣と魔法のファンタジー世界じゃ指紋や靴跡まで検証することは出来ないわね。」

「いや、指紋ぐらいなら出来ますよ。工夫すれば。」

「でもそれじゃ興がそがれちゃうじゃない。科学捜査よりアガサ・クリスティーな気分なの。」

「ご主人様、あんまりメタでコアなネタを出すと読者が引いてしまいます。」

それもそうだ。

メタネタはこれぐらいにして。

「被害者の検死に移りましょうか。」


③検死

とりあえず遺体を動かさずにそのまま見てみる。

「まあ、普通に刺殺に見えますけど。ナイフ落ちてるし。」

すぐ側に大きなナイフ(おそらく狩猟用。少なくとも家庭用ではない)が落ちていた。

「みりゃわかるわよ。でも偽装だったりするじゃない?」

「動かしますよー!」

ローゼとアクトが遺体を担架に乗せ、テーブルに載せる。

ちなみにこのテーブルはさっき私が買ってきました。自腹で……。

姫様金持ってるんだから出しても良かったんじゃない!?

「刺殺にしては血が出てないわね。ナイフを抜いたら返り血がすごいはずだけど、壁には一滴もついてない。」

「つまり、刺殺だと偽装した?殺した後に刺したわけですね。」

「ええ、間違いないわ。」

……となると容疑者は第一発見者。悲鳴を上げていたのは確か奥さんだ。

「つまり……奥さんが犯人なんですね!」

「そうと決めるのはまだ早いわよ。真の死因が分かってないじゃない。」

「確かに……。」

じゃあ、本当の死因は何だろう。

ざっと見たところ外傷はないし、撲殺や刺殺ではないな。

だったら毒殺、もしくは魔法による呪殺。

他にも扼殺や溺死の可能性もあるな。

「毒物に関してはどうしようもないわね。魔法で探知できなくはないけど。溺死に関しては無いと言っていいわ。この辺に川はないし、服も体も乾いてる。」

と、いうことは……絞殺か扼殺?でも首にあざはないな。

「ご主人様、こちらは?」

「ん?ああ、これは綿の布だね。主にロータス帝国と、アマリリス新大陸で栽培されてるけど、最近はこの辺でも見るようになったよ。」

「それよ!」

……あ、凶器。

一瞬分かんなかった。

「柔らかいもので首を絞めると、あざが残らなかったり、出るのに時間がかかったりすることがあります、ご主人様。」

へー、そんなことがあるもんなんだね。

……でもなんで刺殺に見せる必要があるんだ?


④聴取

「で、まずあなたからなんだけど奥さん。」

「は、はい……。」

薄暗い部屋の中。

ランタンの明かりで机が照らされる。

そして机を挟んで向かい合う、姫様と奥さん。

僕は書記。ローゼは姫様の横に立って、一緒に聴取。アクトは扉を塞いでいる。

刑事ドラマの取り調べだよね、これ。

「あなた、ご主人が亡くなったとき、どこにいらっしゃいました?」

「わ、私は……。」

緊張の所為か、返答がしどろもどろになる奥さん。

そもそも気の弱い性格なんだろう。

「奥さん、証拠はもう挙がってるんですよ!!」

バンッと机を叩くローゼ。

なりきっちゃってるなーこれ。

アガサ・クリスティーはどうした。

「う……ぅぅ……」

あーあ、ほら泣き出しちゃったよ。

「ぅ……ぅう……う●い棒!」

うま●棒?

……う●い棒!?

これもノートに書けと?一応書記だし。

「お、奥さんねぇ……ダメよ、う●い棒なんて言っちゃ。伏せ字が増えて何が何だか分からなくなるわ。」

「ぐすっ……ごめんなさい。私、脅されると『うま●棒』って叫んじゃう癖があって……」

「……癖なら仕方ないですね。」

仕方ないのか……。

というか、どんな癖なのそれ。個性的すぎるでしょ。

「それに私、あのときはメイドさん達とお菓子を作っていて……ずっと台所にいたのでそんなこと出来るはずないんです。」

一旦奥さんを解放し、メイドの二人にも話を聞くと。

「ええ、朝からお菓子を作っていました。というより習っていました。」

「俺たち新人でさぁ。ついこの間来たばっかりなんだけど、まさかこんな事になるとはねぇ。」

「とか言いながらあんた少しウキウキしてるでしょ。ったく……喪に服しなさいよね。」

ま、まあとりあえずアリバイは取れた。

確固たるアリバイだ。

こりゃもっかい検証し直さないとね。

……にしてもあの女装メイド。レベルが高いな。



⑤再検証

「そういえば、亡くなった彼は事業をしてたんですよね。」

「何かそんなこと言ってたわね。お兄さんのコンシジュームだっけ。んー、なんか匂うわねぇ。」

金がらみ、というのが一番ありそうな線だ。

それも共同で事業をしていたというのならなおさら。

「じゃあ、そのコンシジ……なんでしたっけ。まあその人に聞きに行きましょう!」

「あんたバカァ?そんなの、嘘つかれるに決まってるじゃない。」

「ご主人様、息子のコランバインと娘のベロニカに話を聞きに行ってみてはいかがでしょう。」

「それがいいね。何してたかも大体わかるだろうし。」

ということで容疑者を兄に切り替え、息子と娘に話を聞くことになった。

メイドさん達に部屋の場所を聞いて、まず息子の部屋に向かう。

コンコンコン。

「んだよ。何にもやっちゃいないぜ?」

部屋から出てきたコランバインはやはり柄が悪そうだ。

イライラしているのか、鋭い目つきでこちらを睨んでいる。

「あんたは今どうでも良いのよ。それよりも亡くなったあんたの父親の仕事の話を聞きたいの。」

姫様がそう言うと、自分が疑われているわけではないと分かったのか、目つきが幾分か柔らかくなる。

……機嫌はあまり良さそうには見えないけれど。

「親父の仕事のことは俺にも良くわかんねぇな。なんか貿易?とかやってたみたいだけど、伯父貴に聞いた方が良いと思うぜ。俺は仕事してねぇし。」

なるほど、このひとプーか。無職なんだな。

てっきり手伝いくらいしてるものかと思ってたけど。

「じゃあ、その伯父と言い争ってたりはしてなかったですか?仕事のこととかで。」

「それもよくわか……あーそういや何か最近伯父貴の機嫌が悪かったような……。」

ほう、それは。

言い争いとかじゃなくても、良くないことがあったのは事実みたいだね。

「それはいつの話?」

「最近だよ、親父が殺されるまでずっとだ。最近ずっと。」

なにかがうまくいかなかったのか。

一時的なトラブルでないことは確かだ。もっと慢性的なトラブル。

「とにかく俺は何も知らねーよ。ベロニカにあたれよ。」

まあ、これ以上聞き出せることもないようだし。

次はベロニカさんだっけ。

「次行きましょう姫様。」

ボクが呼びかけて、息子がドアを閉めようとすると

「ちょーっと待ちなさい。」

そのドアのノブをがしっと掴んで強引に開いた。

「んだよ何もねぇって言ってんだろ。」

「分かってるわよ。だけどねぇ――」

姫様は胸ぐらを掴み、思いっきりガンつけて

「あぁん?」

「あんたのその態度は気にくわないのよ!!」

「ぶげふッ!?」

ノーモーションからの神速の拳。

本職格闘家さん達もびっくりの拳を割としょーもないところで出すんだから。もうそろそろチートっぷりにも慣れてきました。

「ご主人様、私も一発良いですか?」

「え、アクトまで?」

「働いてない人間を見ると、こう……メイドとして無性に殴りたくなるといいますか……。」

「むぎゃッ!?……(沈黙)」

「言いながらすでに殴ってるし!」

実は一々確認取る必要ないんじゃ……いや、考えたら負けだ。

と、僕が無心の境地に片足をつっこんでいると袖のところを『ついついっ』と引っ張られる。

「エリック、私も良いですか?」

「……(メシャァ)」

「尋ねながら殴ってる!」

ローゼ……おそろしい子ッ!

つい『ガ●スの仮面』してしまった。

てかメシャァ言ってましたけど大丈夫ッスか。

「さ、行きましょ。」

姫様は薄情にも(?)息子を置いてスタスタ行ってしまった。アクトも、ローゼも。

で、僕は。

「すいません、ちょっと医者か衛生兵呼んでもらえますか?」

メイドさんにそう要請するしかないのだった。

「ちょっとエリック、早く来なさい!」

「はいはい。」

僕も少し駆け足で追いつく。

そう言えばさっき息子の部屋をちらっと見たんだけど……あれは掃除のしがいがありそうだね。



と、さっきの部屋とちょうど線対称の場所にあるのは娘のベロニカの部屋だ。

どうやらベロニカはこちらに住んでいるのではなくすでに独り立ちしているらしい。

ただ、さっきお息子より幾分かまともであることを期待してる。

コンコンコン

「どちら様かしら……ああ、どうぞ、入って。」

「「「「し、失礼します。」」」」

おお、まとも……なんだろうこの驚き方。

すごい悲しい。

「すみません、ここお茶もなくて。あ、そっちにどうぞお座り下さい」

長男とは大違いの良くできた長女だこと。

美人だし。やさしいし(多分)。礼儀正しいし(ここ重要)。

「それで、なにを……」

「え、あ、ああ。あなたのお父さん、何の仕事をしてたの?」

姫様も調子くずされてる。

ちょっと反応が可愛い。

「貿易の方を……弟にも聞いたんですか?」

「はい、そうですよ。」

ローゼ、真顔で答えるなよ……。

君がトドメを刺したんだから。

「で、その……弟、どうでした?」

「どう、とは?」

「可愛いですよね!」

「……ベロニカ様は視力が悪かったんですか、ご主人様?」

僕に聞かれてもなぁ。

あの目はマジだと思うんだけど。

「ちょっと不良っぽく見えますけどあれでお姉ちゃんっ子なんですよ!」

「脛かじってるだけじゃないの?」

「甘えん坊なところもあって……」

「だから脛かじってるだけです。」

「たまに優しくしてくれるときもあるんですよ!」

「それは気分を良くさせてお金を出させようという魂胆ですベロニカ様。」

「とにかく可愛いんです!」

「……パチンカスのヒモみたいですね。」

なんだこれ。

やっぱまともじゃない!

「あぁ、可愛い可愛いよコランバイン!」

なんか自分の世界に入っちゃってるし。

「もう、ほっときましょ。情報は入ったんだし。」

「……そうですね。」

僕たちはそっと、何も言わずに部屋を出た。



⑥調査(書類)

ロマネスク様式の大きな建物。

白い大理石が美しいこの建物は、その建物の静謐さとは対照的にいつ何時も活気に満ちあふれている。

ここは貿易商人ギルド。この国中、そして外国からも多くの貿易品が集まってくる。

「最初に王都に来た時も思ったっちゃけど、ホントに人が多くてお祭りみたいやねー。」

「ローゼ、方言になってる。心の声出てる。」

「はぁ、あんた達やっぱり田舎者なのねぇ。」

「私がお守りいたします、ご主人様。」

さて、僕たちが何故ここに来ているかというと、亡くなった主人の貿易記録その他諸々を見るためだ。

「受付は……あっちみたいね。」

姫様が向かう方向には確かにカウンターがあり、制服を着たお姉さんが居た。

「ようこそ、貿易商人ギルドへ。」

「この人の貿易記録やら何やら全部見せなさい。」

「……ピエリスさんの記録ですね。ご本人ではないようですが……閲覧許可証と魔法の印鑑はお持ちでしょうか?」

どうやら死んだという話はまだ届いていないらしい。

……死体テーブルの上に置きっぱなしじゃん。

「ピエリスなら死んだわ。許可証もクソもないわよ。魔法の印鑑ならあるけど。」

そう言って姫様はクリスタルをテーブルに置いた。

このクリスタルは『魔法の印鑑』といって、魔法で作られた本人確認用の特殊な印鑑だ。

貿易商人ギルドではお金を扱う都合上、ギルドカードだけでなくこの魔法の印鑑も必要になっている。

受付のお姉さんはそれを受け取ると、それを専用の器にはめた。

すると三秒ほどで、クリスタルが緑色に光り、ピエリスさんの名前が表示された。

「はい、たしかに。ではこちらにお越し下さい。」

お姉さんの先導で僕たちは階段を下り地下へ。

扉を二三抜けると、特に重厚な扉の前に来た。

扉にはくぼみがあって、お姉さんはそこに魔法の印鑑を差し込んだ。

「もう少々お待ち下さい。」

扉の向こうでは何かが、ガシャンガシャンと動いている音がする。

そして音が止まると、ゆっくりと扉が開いた。

その奥には――

「なにも、ない?」

スッカラカンだった。

何も入っていない。

「あれれ、おかしいですね。ちょっとお待ち下さい。」

扉に差し込んだままの魔法の印鑑に手をかざすと、なにやら操作をし始めるお姉さん。

そして、

「どうやら共同事業主のオンシジュームさんが持っていたようです。許可が下りています。」

むむ。

そういうことか。

「どうやらかぎ回っていたのがばれたようね……証拠隠滅するはずよ。」

万事休す、かな。

もう少しで真相だったはずなのに。

「あ、でもこちらの記録は、我がギルドのメインクリスタルに記録されていますよ!」

「「「「え?」」」」



⑦解決

「さて、皆さん。お集まりいただけましたね?」

リビングには今回の関係者が全員集まっている。

「では、今回の事件を全て解き明かして見せましょう。」

円上に座った関係者達の真ん中でぐるりと見回しているのは、口ひげを生やしたベルギー紳s……姫様だ。

付け髭までしてるよ。

ん?何でベルギー紳士かって?

それはもちろん

「今回の事件は大変難解で、狡猾でした。私の灰色の脳細胞をもってしても実に難しかった。」

エリキュール・ポワロ。アガサ・クリスティーの名作だ。

「犯人は、しかしながら……殺人に気がついてもらいたかった。そのための偽装工作でした。」

「ど、どういうことですか?」

「そのままの意味ですよ、マダム。」

姫様は続ける。

「犯人が彼を殺したとき、彼はもう死んでいたのです。」



ことのあらましはこうだ。

犯人が主人のところに行ったとき、主人はもう死んでいた。

服毒自殺だったのだ。

しかし、それでは犯人には都合が悪かった。

だから、わざと争ったような形跡を残し、ナイフで刺し、綿の布を残した。

殺人に見せかけるために(、、、、、、、、)

「私たちはそれにまんまと引っかかってしまった。しかし、犯人にも一つ計算違いがあったのです。」

「……っ!そうか、俺たちとのお菓子作り!」

そう。

まさかお菓子も作れない(、、、、、、、、)メイドが来るとは思っていなかったのだ。

しかも女装メイド。

「結果として、犯人は自分に疑いの目が向けられてしまった。そして、それに気がついた犯人は証拠を隠蔽しようとした。」

しかしそれも……

「失敗した。ローゼ、例のものを。」

ローゼは姫様にある物を渡す。

それはクリスタル。

「この中にはピエリス氏の全ての記録が入っています。残念でしたね、コンシジュームさん。」

「ッ!クソッ!!」

コンシジュームは勢いよく立ち上がると、逃げようとするが……

「コンシジューム様、お座りください。」

そこにはすでにアクトが立ち塞がっていた。

「貴方は保険金がほしかった。しかし、自殺ではその保険金が下りない。だから殺人に見せかけた。これは殺人事件ではない、保険金詐欺事件です!」

一気にしょぼさが増した気がするが、気のせいということで。

「そうだよぉッ!貿易がうまくいかなくて、あいつ……俺が死のうと思ったら勝手に死んでやがった!だからいっそ、保険金で借金を返そうと思ったんだよ!」

そう。貿易記録にはそれがしっかりと記録されていた。

だから証拠を消そうとしたのだ。

僕たちは事前に警備兵を手配していたので、彼はそのまま連れていかれた。

「悲しい、事件だった……。」



⑧後日談

コンシジュームは裁判所で公正な裁きを下された。

僕たちはオーサクとギルドから感謝状と謝礼をもらった。

息子のコランバインの部屋はピカピカ清潔。というか屋敷ごとすべて掃除させてもらった。

借金については、庭から温泉が湧いたとかで問題なく返済できそうだという。

ピエリスさんの死は完全に無駄となった。

「いやーとんだ事件でしたね。」

「でも分かったことがあるわね。」

「何ですか?」

「これ以後、一切推理物は書かない、というか才能がない、ということです。」

読者の皆様本当に申し訳ありませんでした。

こんなオチで。

僕たちの冒険はこれからだ!←とりあえず締め

旅行はイギリスでした。

シャーロックにアガサですね

あと、運動会の練習がつらいです。

うあああああああ!

おわり。

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