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前日ー深夜ー

現在の時刻は、土曜日の午後12時にして日曜日の午前0時。

栄えある2連休、その中間点である。


土曜日の予定は全て消化された。

免許の更新、蛍光灯の取り替え、ストックの確保その他諸々は全て完璧に完了している。


準備自体は、実は土曜日の夕方ごろには終わっていたのだが、どうも焦るあまり気疲れしていたらしい。少し休憩するつもりが、いつの間に寝入ってしまったのか、気づけばこの時間だった。


実際、準備にも予定より時間がかかった。昼前にはすべてを終えるつもりが、昼を飛び越え夕方である。

私が心身ともにどれほどの疲労を負っていたか想像に難くない。

なんとなく嫌な予感がしていた通り、ちょっとばかり予測不能な妨害が重なった結果である。

今日は晴れのはずだったのに雨は降るわ、運悪くタイムセールに当たって目当てのものが売り切れてるわ、他の店に行ったら行ったでまた……いや、もう止めよう。不毛だ。振り返るだけで心がやられていく感じがする。


今日1日は全て忘れて、ただただゲームをしよう。

残り24時間、ずっとゲームができるのだ。そう考えただけでワクワクするではないか。

深夜の電気も点いていない暗闇で目を覚ましたばかりにも関わらず、私は、まづめどきに海へ赴く釣り師のように、気力体力ともに漲っている。

結構な時間寝ていたからだろう。身体は完璧なコンディションだ。部屋は掃除が行き届いていて美しく、隅のゲームソフト達は被っていた埃を払われ、綺麗に並べられている。


郵便物の山も既に亡く、とても綺麗になった机の上には、私の携帯電話だけがポツンと置かれ……なにやら光を放っている。


青色の光は、メールが届いたことを示している。寝ている間に震えたようだ。マナーを守る大変良い子である。

さて、一体誰からだろうか。

この携帯にメールを寄越してくるのは、これまで会社の連中だけだったが、今回もそうだとは限らない。

この携帯電話を購入して2年ほどになるが、会社以外から連絡が来たことはないとしてもだ。


……うむ。えー、あー。

見たくねえな、これ。見なかったことにできないかな。


携帯電話は、今も俺を急かすように、チカチカと青い光を瞬かせている。どうにも触りたくないが、仕方がない。

意を決して携帯電話を開いて見れば、飛び込んできた情報は、俺の予想を超えた事態を示していた。


不在着信である。それも2件。

加えて、メール1通の到来を示すアイコンが、画面上に踊っている。

これらが全て会社からの連絡であるとすれば――もちろんそんなことはあり得ないだろうが――私の明日の出勤を待てない緊急の用事があり電話を掛けたものの、2度にわたり出ないので、仕方なくメールを残したということに、なる、だろうか。


うおおおおおお、今すぐ事故で叩き割りたい。何故、私は部屋を掃除したのか。フローリングにはゴミ1つなく、思わぬものを踏みつけて転んでしまうことができぬ。


待て。いや、待て!

いきなり暴力的になりすぎだ。事態を不安視しすぎている。こんなにも不安なのは、何がなんだか分からないからだ。何らの情報も得ていないせいだ。


確かめるのだ。己の窮地を確かめるのだ。


携帯電話のボタンを連打した。カッカ、カッカと連打した。

まずは不在着信の詳細を探る。

予想に反して、着信は両方とも会社からだった。おかしな話だ。1件目は昨日の22時16分。次が22時24分だ。その差8分。これが一体何を意味するのか?


……分からぬ!! くそが!!! まあいい!!!!


次だ。

受信ボックスへ至らんと、再度、携帯電話をカッカ、カッカ。

メールの差出人は、職場の先輩こと前山田慎佑さん。つまり会社からだ。死ね。件名はなし。メール着信22時52分。

つまり、最初の連絡は22時16分ということか。


22時16分。

できるだけ連中を遠ざけつつ、あとで怒られない方策を考える必要がある。

普段の自身の行動に鑑みて、いつもの休日であったならこの時間に何をしていたかが鍵となるだろう。私の知性がそう囁いている。

最も適切かつ自然な対応とは、何か。


これは……アレだな……寝てるな。

俺、寝てるな。朝まで起きないわコレ。仕方ないね。メール開く必要ないね。僕は休日だろうと22時には就寝する規則正しい生活を続ける模範的な大人だからね。

むしろ開くとか因果関係的におかしいよね。寝てるもの。俺、寝てるもの。万一、開封確認とかされたら悔しさのあまり死んじゃうしな。


おっけい! 朝まで放置だぜ!


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