表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

7話 【シールド】万能説

お待たせしました

 最近、姉さんの様子がおかしい。

 突然長期休暇を取ったり、妙に俺に優しかったり、俺と積極的に遊んだり、俺の分だけ姉さんがおかずを一品作ってくれたりと、とにかくおかしい。

 心当たりが無いと言えば嘘になるが、アレで今の姉の様な態度になるとは思えない。


 レッサー・ワイバーンの謎の襲撃の日、俺達を見つけた姉さんは俺達を勢いよく抱きしめた。その時の姉さんは、心配そうな顔と何かを抑えているような顔をしていた。


 その後、姉さんは血まみれの俺を風呂で洗い流し――もちろん目はつぶっていた――何があったのか聞いてきた。俺は突然レッサー・ワイバーンが襲って来た事や、それを自分が倒した事を話した。

 自分が倒した事は、もしかしたら誤魔化さなければならない事かも知れないが、俺が血まみれで立っていた所を見られているし、なにより、自分がやったという事を自慢したかったのだ。


 姉さんはしばらく考えた後に、僕の言った事を信じてくれた。まぁ、レッサー・ワイバーンの死体(にくへん)もあるので、信じざるを得なかったのだろう。


 それから数日が経ち、父と母が帰って来た。父と母に目立った傷は無く、何をしに行っていたのかを聞くと、グレーター・ワイバーンの討伐と答えた。もしやと思い、俺達を襲ったレッサー・ワイバーンの事を伝えると、案の定グレーター・ワイバーンの取り巻きの魔物だった事が分かった。

 なんでも、グレーター・ワイバーンを討伐する際に大量のレッサー・ワイバーンが居たそうで、殆んどの奴は殺したそうだが、何匹か逃げて行ったそうだ。

 逃がさず仕留めようとしたらしいが、グレーター・ワイバーンへの対応が精一杯で出来なかったそうだ。


 この話を聞いた後、父が見事なスライディング土下座を見せたので俺は起る気になれなかった。というか、何で土下座知ってるんだよ。


 とまぁこんな感じで、俺は何時もの日常に戻るかと思ったのだが、姉さんの問題が出てきた。別に、いままであんまり会えなかった姉さんと、長く過ごせて優しくしてもらうのは問題ないのだが、はっきり言って邪魔だ。

 なんせ、一日中俺を観察か何かするような眼で見てるからな。マナの消費も迂闊にできない。ましてや風呂まで一緒に入ってくるのだ。こちらとしては精神年齢同い年の女の子と一緒に風呂に入るのだ。こう、その……精神的にね?俺の内のワイバーンが暴走しそうで怖いのだ。

 

 それに、あのルックス……とても現実じゃないような、妄想の女の子をそのまま具現化したようなパーフェクトな……クロ、俺は今大事な所を思い出してるんだ。だからそんな目で見ないでくれ。


『まったく、あの時妹さんを守って戦っていた時のフェルは格好良かったのに……』


 俺はいつでも格好いいぜ(キリッ


『何がキリッですか鼻の下が伸びきっていますよ……』


 こ、これはだな、そう、ゴリラの真似をだな。


『……はぁもういいです。それより、その調子だと大丈夫そうですね?』


 何がだ?性欲か?


『違います。記憶です。あの時、思い出したでしょう』


 記憶……前世のか。はっきり言ってまだ俺にはよくわからないんだ。でも、過去の“守るべき者”を守れなかった自分に引きずられて、今の“守るべき者”を守れないのはダメだと思うんだ。

 俺は、もうあんな思いしたくない……。


『……さ、さてと、そろそろトイレから出たらどうですか?お父さんが早くしてくれと叫んでいますが』


 おっと、そうか。流石に父のおもらしを見るのは、魔物がグチャグチャになっているのを見るより悲惨だからな。出るとしよう。


「おお、フェル、は、はやく俺をトイレに……ぐふっ」


 あ、…………………。見なかった事にしよう。


 その後、トイレの一歩手前でおもらしをした、Sランク冒険者として父は歴史に名を残したのだった……。南無。


『いや、残しませんからね?』

 

 そんなことより、朝ごはんだ。俺は腹が減っている。俺は脳内モザイク処理された父を放置して、食卓へと向かった。


「あ、フェルーご飯出来てるよー」


 キッチンから声を上げたのは姉さんだ。どうやら、今日は姉さんが全て作ったようだ。


「はい、どうぞ」


 俺の前に御馳走と言わんばかりの料理が置かれる。姉さんは料理が得意だったのだ。母の料理と比べてもその出来は素晴らしいものだ。

 

「いただきまーす」


 俺はそれを勢いよく頬張る。旨い。何故か一瞬ピリッと来たが香辛料でも使っているのだろうか?


「……」


 俺がご飯を食べている間、姉さんは俺をジッと見つめてくる。やめろよ、恥ずかしい///


『あんまり食べ過ぎて、前世の様な体型にならないようにね』


 だ、大丈夫だ問題ない。毎日運動はしてるし、前世にあったポテチなんかも無いから大丈夫……たぶん。


 と、そんな事を考えていると、俺はいつの間にか料理を平らげていた。やはり、おいしい物は無くなるのが速いな。


 さ、ご飯も食べた事だし、散歩でもするかね。

 家から数分歩いたところには守護の森と言う場所がある。通常、森には植物系の魔物が住んでいるのだが、その森は周囲に設置された結界により魔物の一切おらず、近づけない場所となっており、それが森の名前の由来だろう。

 もし、村が魔物の襲撃を受けた時などはその森へと逃げ込むようになっている。


 今日は――というか殆んど毎日来ているのだが――ここでマナの消費でもしようと思う。そう言えばあの後からマナ総量が増えていた桁が二つほど。

 原因は不明だが、多い事にこしたことは無いので良しとしよう。

 

――――――――


「んー今日も空気がおいしいなぁ」


 俺は森の中心で愛を叫ぶのではなく、空気を吸っていた。ここの空気は本当においしい。理由としてはこの世界の植物にある。

 例えばこのアマグサ。空気中のマナを吸って咲いている花なのだが、とてもよい香りをだす。匂いはその場所の空気中のマナの濃さによって変わり、試しに俺のマナをちょろっとかけてやると、物凄く甘い香りを噴出させた。


 ちなみに、マナを放出させるのはクロに教えてもらって出来るようになった。特に使い道が無い技術ではあるが、なんとなく覚えておいた。


 さて、こんなことをしてないで、さっさとマナ消費しますか。


「【シールド】」


 最近のマイブームは【シールド】を足元に設置して移動することである。はたからみたら完全にホバー移動となっており、非常に楽だ。何よりつまずいたりしないし、穴に落ちるなんて事もない。しかもスピードも変える事が出来る。最高速度は500km/h。F1カーもビックリの速度だ。

 流石にこれには俺の肉体が耐えられないので、最高速度を出すなら【身体強化】が必須だ。


 ま、たぶん二度と出す事は無いだろう。だって曲がれないんだもん。

 あの時は恐ろしかった。木々が一直線行に火の粉を残してなぎ倒されて行ったのだから。まるでデロリ○ンである。バックでフューチャーである。


 今日はそんな事はしないが、他の事に挑戦しようと思う。それは、飛行だ。

 宙に浮く、と言うか空中に立つのは【シールド】を使ってやった事があるが、飛行すると言う事はやった事が無い。

 どうやって飛行するのか、俺は3分ほど苦悩して考えた結果、これまた【シールド】を使えば行けるんじゃね?と言う結論へといたった。

 念のため、【身体強化】を発動させ、顔をのぞき、自分の体の表面に【シールド】を発動させる。そして、そのまま【シールド】を空中に移動させる要領で操作する。


 フワァ


「お、お?」


 飛んだ!やはり、【シールド】万能説は間違っていなかった!

 俺はこの後、散々遊びまくった後、家へと帰った。俺が帰って来た後に姉さんが帰って来たのだが、どこに行っていたのだろう? 

 

 ま、いっか。



 

 


 


ここまで読んでくださってありがとうございます!!

投稿ペースが遅く、すいません。ですが、投稿は続けて行くのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ