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2話 6ヶ月後

 ――6ヶ月後


 6ヶ月が経ち、色々と分かった事がある。

 1つは言語について。この世界には人語、魔語、神語の3つがあり、人語は主に人間が使う言葉らしい。日本語とは文字も聞こえも違ったが、文体は殆んど同じだったのですぐに覚えることが出来た。

 おかげで家族の事も分かった。


 母、アグネット・ルべルターはSランク冒険者だそうで、魔法全般を扱う事は出来るが治癒魔法が得意な魔術師だ。

 そして父、マルコラス・ルべルターもSランク冒険者らしく、国王となんちゃらかんちゃらーと言っていたので本当は凄い人なのかもしれない。俺を見るデレデレとした顔は、気持ち悪いの一言に尽きるが。

 最後に姉、クラリス・リべルターは冒険者組合、通称ギルドの受付嬢をしているそうだ。歳は16。まさかの同い年(精神)だった。この世界では15歳で成人らしいので、なんとも立派だ。

 

 それはそうと、俺の家族は冒険者一家だったのだ。

 俺としては、クロに冒険者というものがあると聞いてから成長したら是非なってみたいと思って居たので、好都合だ。家族が冒険者ならば反対もないだろう。

 

 と、話しがそれたので戻す。家族の事も分かった事ではあるのだが。


 魔語は主に獣人や魔族が使用する言葉で、クロは必要ないと言っていたが念のため覚えておく。

 べ、別に獣人と聞いてケモ耳少女を想像したからとかじゃないんだからな!

 ごほん、神語は神が使う言葉だそうだが、こちらも念のため覚えておくことにした。前世での俺は英語などを覚えるのが苦手だったが、この赤ちゃんの脳は何でもかんでもすらすら覚えてゆく。

 なので、数日ほどクロに教えてもらえばすぐに覚えることが出来るのだ。前世の俺ではどれほどかかることか。赤ちゃん万歳!


『フェル、ボーっとしないでください』

「おう、すまん【シールド】!」


 もう一つは俺のスキル、【絶対防御】についてだ。前に見たとおり、防御に関するスキル・魔法をLvMAXで使用できるという物だが……俺が想像していたものよりも、かなりヤバかった。

 

 スキル・魔法にはそれぞれLvが存在し、最大Lvは50。一般的な人のLvが2~3で、Sランク冒険者でも18から~20程度である。

 Lvが上がれば上がるほど、効果が高くなったり詠唱時間が短くなったりする。LvMAXともなれば効果は文字通り桁違い。詠唱時間も完全にゼロだ。

 クロ曰く、神ですらLvMAXなのは神神様ぐらいしかいないそうだ。

 そう考えると、俺のスキルのおかしさが分かる。

 しかも、【絶対防御】は防御に関連(・・)するスキル・魔法の全てを習得するというものもあり、防御に関連するスキル・魔法ならば、効果が同じようなものだろうが、神が使う(・・・・)モノだろうが全て使う事ができるのだ。

 ちなみに今使った【シールド】は空間に不可視の壁を作りだす魔法、いわばAT○ィールドである。


『そのまま連続発動してください』

「了解!」


 今やっているのはスキル・魔法の使用方法の確認および、マナの消費だ。いくらスキル・魔法をLvMAXで扱えるとはいえ、それぞれの使い方や応用の仕方は分からないのである。なので一つ一つ確かめていく必要があった。

 マナの消費は自分自身のマナ増量の為におこなっている。というかこれがメインだ。


 マナは魔力のことで、世間一般的にはマナ総量は生また時に決まると考えられているようだが、実は幼少期にマナを消費することでマナ総量が増大していくようなのだ。


 まぁ普通幼少期に魔法を覚えている人なんて居るはずがないし、もし仮に使えたとしてもマナ枯渇による頭痛に耐えられないだろう。と、言うのがクロの考えだ。

 俺の場合、【絶対防御】があったし、そのおかげで頭痛無効のスキルも付いているので、いくらでも増大させることが出来るのだ。

 おかげで今のマナ総量は26000程になっている。母さんのマナ総量が12000ほどらしいのでかなり多いだろう。というか母さんのマナ総量が生まれた時に12000だった事に俺は驚愕したよ。

 俺なんて1だったのに。


「っと、マナ切れだ」

『分かりました。休憩にしましょう』


 だが、何度も使えば当然の如くマナは切れる。俺が今使っていた【シールド】の基本消費マナは100。大きくしたり分厚くしたりすればマナ消費量は増えるが、今回はそのままで使用した。

 

 200回ほど連続で。

 

 普通は詠唱時間の問題で、頑張っても2~3回連続ぐらいが限界だろう。だが、俺は無詠唱。一瞬の内にマナが切れない限り何度でも発動することができる。 防御に関連するものだけだけどな。


「フェルー!どこなのー?」


 おっと、どうやら母さんが俺を探しているようだ。魔法を使用しているのを見られないように屋根裏に居るので普通は分からないはずなのだが……。


「……そこね!」


 ガシ。天井を突き抜け出てきた手に俺は足を掴まれ、そのまま引きずり出された。

 そして、俺は母さんの大きな胸に顔をうずくめる形になった。


「今日は屋根裏に隠れていたのね?ホント、どうやって登ったのかしら」


 母さんの疑惑の目に俺は思わず目をそらす。【シールド】を足場にして登りました、なんていえない。


「流石、私とあの人の子、これくらいできて当然よね」


 いや、いくらSランク冒険者とSランク冒険者の子だとしても赤ちゃんで屋根裏に登るなんてできないだろ!? ていうか姉さんでも出来なかっただろ!?

 俺が親バカに対するツッコミを言えなくてモヤモヤしている間に母は破壊した天井を魔法で修復し、俺をベットという名の牢獄に入れ、隣で絵本を読み始めた。


『……ホント、この人何者なんですか?』


 俺の母さんだよ。文句ある?


『いえ、無いですけど……感知無効スキルを持っているあなたが何度も何度も隠れては見つかるなんてどういう事なんですか……』


 ……親の勘だろ。たぶん。


=========================================


【ステータス】

名前:フェルディナント・ルべルター

性別:男

年齢:0

種族:人間

職業:―

【能力値】

体力:10

筋力:10

俊敏:10

マナ:26000

運:10

物理耐性:270

魔法耐性:270

【スキル】

絶対防御:Lv―/防御に関連する、スキル・魔法を全て取得し、LvMAXで使用することが出来る。

【装備】

毛布




 

 


 

ここまで読んでくださってありがとうございます!


1話のフェルのステータスに魔力がありましたが、削除させていただきました。

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