第6話 責務
「お前、何を……ッ」
谷戸は突如現れた男に声を絞り出すので精いっぱいだった。
対する男は脅えきった谷戸の表情にニヤリと白い歯を覗かせた。
「お前、『恐怖』しているな……?」
「なにを……」
意味不明な言葉を吐き出した男に谷戸が目を剥く。
それと時を同じくして
「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」
同時に周囲から地鳴りのような怒号が響いてきた。
「なんだ!?」
学園へ四方八方からバタバタと足音が向かってくる。
谷戸だけではない。周囲の生徒も男の襲来に目を丸くしつつも、音源に視線を向けていた。
そして入ってきたのは――
自分達へ突っ込んでくる大人の集団だった。
「うそ!?」
「きゃあああああああああああ!!!」
男達は何の武装も有していない。
しかしその移動速度は明らかに異常で、そんな男達が複数突っ込んできて女生徒たちはたちまち恐怖に飲まれ悲鳴を上げた。
それが皮切りで学園が一気に恐怖に飲まれていく。
恐怖する生徒たちに染谷は自身が内包する『力』の総量がみるみる増加していくのを感じる。
そして膨れ上がった力で染谷が何をしたかというと……
「ふん……」
空中に浮かべていたポール、サッカーゴール、ベンチ、その他もろもろを校舎に『突っ込ませた』
「「「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」」
サッカーゴールは3階窓に、ポールは2階の図書室に突き刺さった。
その他、椅子、机、様々な物体が校舎に突き刺さり白煙を上げた。
突然の破砕音に絶叫の上がる校舎。
「行くぞ!!」
「了解!!」
そこに校内になだれ込んできた男達が突入していく。
それにより校内からガラスが割れる音、棚が倒れる音、その他様々な物体の破壊音が届き悲鳴がどんどん大きくなる。
学園が恐怖に飲まれる。学園を襲う第一段階は終了した。
そして、彼らの恐怖を植え付け意のままに操るにもう一つ手を加える必要がある。
即ち――
「お前、反抗的な目をしているな」
「は? お前なんて」
「反抗的な目をしているなって、『言っているんだ』」
言うや否や染谷はその拳を振るった。
「な!?」
染谷はオリジナル能力者、受け切れるわけがない。
『視点移動』での回避の暇もなく染谷の拳が谷戸の顔面に叩き込まれ、
「……グフッ」
谷戸は顔面から血を流し地面に転がった。
仮にも谷戸はこの学園を支配しかけた実力者。
そんな彼があっさりやられたことに、それを見た生徒は凍り付いた。
改めて、この侵入者たちの規格外の能力者達の実力を思い知ったのだ。
◆◆◆
「今からこの学園は俺達が占拠する」
一方で校内。
そんな言葉を叫びながら突入した戦闘員は次々と教室を蹂躙していく。
突然現れた謎の男達に校内は阿鼻叫喚の渦に飲まれる。
校内の生徒たちは先ほどからの異音と、異様な男達の侵入にパニックに陥っていた。
「逃げるのよ!カナコ!」
「う、うん!」
複数の生徒が廊下の奥へと逃げていく。
しかしそれも無駄なことで、テロリストの一人が天井にテレキネシスを送り天井を崩す。
突如土煙を上げ土砂が降り、電線が切れ火花を散らす。
ガラスにテレキネシスを与え、丸ごと吹き飛ばす。
少女たちへの攻撃を加えた後、男は手近にあった教室のドアを引いた。
「「「な……ッ」」」
既に教室内にも異常事態の情報は伝播していて多くの生徒が立ち上がり廊下へ逃げようとしていた。
彼らは黒ずくめの男と鉢合わせし身を固め、男は一瞬の空白が生まれた教室で宣言した。
「動くんじゃねぇ。……動いたら殺す」
◆◆◆
そして、校内に侵入した男達に、数人、挑んでくる生徒がいた。
相手はどういった詳細か不明な男達。
能力がどの程度かも分かっていなかった。
分からない段階で、彼らは敵に向かって行っていた。
しかしその誰もがが
「ウグ……」
血だらけで地面に転がることになった。
「人見君!?」
血だらけで倒れた友人に女生徒は金切り声を上げた。
こうして校内は破壊と涙と絶望に飲み込まれていった。
◆◆◆
校内から断続的に悲鳴が届いきて、一際大きな爆発音が轟いた際だ、いまだ校庭にいる染谷の携帯に、連絡が入った。
見ると『新平和組織』からだ。
都合がいい。染谷はすぐに出た。
『お前!! なにを考えているんだ!?』
出ると案の定相手方は怒鳴り散らしていた。
「何を考えている? 聞いての通りだと思うぞ?」
『学園を占拠してどうしようっていうんだ!? お前そんなことをして無事で』
「済むはずがない、とでも言うのか? 残念ながら無用の心配だ。そして自分からの要求はただ一つ。『悪意をさえずる小鳥』を開放しろ」
『……ッ!?』
染谷の要求に相手は思わず黙り込んだ。
そんなこと出来るわけがない。
だが無理難題を突き付けていることは染谷も承知。
「要求は以上だ。無理ならそれでいいが代わりに生徒が全員死ぬ。それと俺は『東和会』と手を組んだ。これだけ言えば分かるだろう。……よく考えることだ」
言いたいことだけを言うと一方的に通話を切った。
それからも携帯には着信が届き続けていたが、それにはしばらくしてから出ようと思う。
それよりもやる事がある。
=おい、全教室の制圧は完了したぞ=
そして染谷が次の段階にことを進めようとした際、丁度脳内に仲間の『遠距離通信』が届く。
脳内に響いてきたその言葉は、まさに今染谷が欲しいと思っていた言葉だった。
「よし、なら生徒を体育館に運び込め。生徒は一か所で管理する」
◆◆◆
「フン、それで染谷の小僧は『悪意をさえずる小鳥』の開放を望んでいるという訳か……」
円卓に座る鷲崎は上がってきた報告に溜息をついた。
「そんなこと出来るわけがないだろうに……」
ここは『評議会』。日本の能力世界の最高意思決定機関である。
染谷のテロの報告を受け緊急で話し合いの場が持たれていた。
円卓を囲む一人の老人が口を開いた。
「にしてもどこの組織だね。子供たちに手を出すなど馬鹿な真似をしたのは。染谷は過去にそういった組織との接点はなかったんだろう?」
「『東和会』と呼ばれる組織だそうだ。染谷自身から吐いてきたよ。昔から優秀な人員は揃っていたが強力なリーダーはいなかったんだがな。そこにリーダーとして染谷がはまったらしい」
「東和会か……!」
『東和会』その単語に評議会がざわつく。
「『遠距離通信』の浅野と『箱庭の人物地図』の来栖川がいるところか。余計厄介だな……」
「超遠距離の念話。加えて広範囲人物索敵能力。浅野の『遠距離通信』で染谷に接触し計画を練ったのだろう……。そして今や『箱庭の人物地図』で学園周囲をサーチ中か。これじゃ戦闘員を忍び込ませられん。なかなか考えおるわい……」
彼らは生徒の命を人質に取り交渉を進めている。
だからこそ評議会としては秘密裏に能力者を向かわせて学園内にいる東和会を襲撃し事件を終結させたいが、それをさせないのが来栖川の『箱庭の人物地図』というわけだ。
学園周囲まで探知されては隊員を忍ばせることも困難だ。
「ふん、なかなか厄介な組織が敵になったものだ。鷲崎、案はあるのか」
評議会の一人は顎に手をつき、鷲崎を睨みつけた。
「今回の件はお前に責任があるぞ? なんせお前の所の隊員が離反したのが原因だ。別にこの件を全てお前に任すわけではないが、まずはお前の意見を聞こうか?」
「なに、簡単なことよ。『箱庭の人物地図』で索敵したとしても行動に移すよりも速く現場に突入すればいい話だろう。そして我々には、それが出来る隊員が既にいる……」
事件発生から数分後、鷲崎はすでに能力社会は対応策を打ち出し始めていた。
そして鷲崎の自信に満ちた提案は、その後暫く繰り広げられた話し合いの末採用されることになった。
染谷はまさか力業で突破できる能力者などいないと思ったから「東和会」との連携を打ち出し、それを伝えてきたのだ。
そんな染谷に世界の広さを知らしめてやろうというわけである。
自分の案が可決されると加えて鷲崎は指示を出した。
「『赤き光』の九ノ枝に同行を指示しろ。奴ほどあの学園について知り尽くしている奴はいない」
◆◆◆
「ハァ!? 学園が占拠された!?」
その報が史郎の下に届いたのは『青い日』から依頼された任務を終えた頃であった。
『青い日』は別に『赤き光』の兄弟組織ではない。
よく、お前名前被ってるんだよ! と諍いになるくらいには仲が良い組織だ。
『赤き光』が能力社会・一般社会双方から仕事を受けるのに対し、『青い日』は基本能力社会から仕事を受注する。
そして『青い日』は昔から手に負えない仕事を受注すると『赤き光』に応援を依頼していた。そこらへんは協力して仲良くやっているのが能力社会なのだ。
そして今日は『青い日』のリーダー青木から依頼を受け、ナナと青木、史郎の三人で任務をしていたわけだが……
「そ、それどういう意味ですか青木さん!?」
「どうもこうもそのままの意味だよ!? 晴嵐高校に『東和会』が侵入したらしい!」
「東和会ってそこそこの反一般社会組織じゃないですか!? 学園の警備はどうなってるんすか!」
史郎が怒鳴り散らすと青木は言いづらそうにサッと眼を逸らした。
「!?」
その反応が史郎の目に突き刺さった。
「え……?」
心臓の鼓動が早くなる。
嫌な予感がした。
震える声で史郎は尋ねた。
「なんか、あったんですか青木さん……?」
史郎が尋ねると青木は心底申し訳なさそうに顔をくしゃくしゃにして言葉をひねりだした。
「史郎君の代わりに入る追加警備の中に今回の主犯者がいたらしい……。だからこれは史郎君に任務を依頼した僕の責任で史郎君の責任じゃないって史郎君!?」
史郎は青木からその情報を聞くや否や走り出していた。
「ちょっと史郎!? どこ行くの!?」
遥か後方からナナの叫び声が聞こえる。
しかしそれを無視し、史郎は走り出していた。
史郎たちがいたのは東京郊外にあるとある山の森の中。
そこにアジトを持つ反社会組織の壊滅が今回の目的であり、今もその場には史郎たちに倒された隊員が伸びているわけだが、史郎はそれらを全て捨て去り森の中を駆ける。
――すべて自分の所為だと思った。
敵の首謀者が史郎の代わりの警備の中に紛れていた。
間違いなく史郎がいたからこそ、晴嵐高校は狙われたのだ。
『メイがいる』晴嵐高校が狙われたのだ。
『だって……九ノ枝くんが楽しそうだったから!!』
『これから沢山おしゃべりしようね……? 九ノ枝くん……』
『無理しなくていいのよ九ノ枝くん。私、待ってるから』
今までメイが史郎にくれた優しい言葉の数々が蘇る。
あんなにも心優しい少女がいる、そして史郎が好いている少女がいる学園が襲撃されたのだ。
そんなの、放ってけるわけがない。
許せるわけがない。
史郎はいてもたってもいられず森をかけ、一気に山を下山していた。
様々な枝木が史郎の身体を傷つけるが、それらを無視し史郎は晴嵐高校を、メイの下を目指す。
しかしそんな折、携帯に着信が入った。
一ノ瀬からだ。
「どうした!?」
即出る。
『その様子だと青木から話を聞いたな?』
通話先の一ノ瀬は史郎の声色からすぐに事態を察した。
「あぁ、だから今現場に向かってる! すぐ着く! それまでは膠着させとけ!」
『やれやれ、お前ひとりでやる気かい? 仮にもあそこには『箱庭の人間地図』っていう能力者がいて学園だけじゃない、周囲一帯の人間を把握できる感知系能力者がいるんだぜ? 人質がとられていては骨が折れるんじゃないか?』
「そんなん関係ねーだろ!! とにかく今から行くから雛櫛、じゃなかった生徒には一切手を出させるなよ!!」
『ハハッ、そこは素直に名前を上げても良いと思うけどな。いや、お前が現場に駆け付けようとしているのは俺としても歓迎しているよ。何せ『評議会』から直々にお前に今回のテロリスト討伐任務の依頼が来てるんだからな』
「ホントか!?」
願ってもいない話だ。史郎はすぐにその話に飛びついた。
「ならそっちに向かうわ! どこ行けばいい!?」
『新平和組織の第十三ビルだそうだ。にしても良いのか?』
史郎が二つ返事で承諾すると、一ノ瀬は声のトーンを落とし尋ねた。
『今回の任務、参加すれば確実にお前が『こっち側』の人間だとバレるぞ? お前、ばらしたくなかったんじゃないのか?』
「……ッ!?」
一ノ瀬の問いに史郎は思わず黙り込んでしまった。
確かにこの任務で『こっち側』の能力者と史郎が突撃すれば学園の全ての生徒が史郎の素性を把握するだろう。
それは史郎が何よりも怖れることだった。
そして隊長の一ノ瀬も史郎の心情を把握していた。
だから隊長は史郎に確認してくれたのだ。
しかし――
『だって……九ノ枝くんが楽しそうだったから!!』
『これから沢山おしゃべりしようね……? 九ノ枝くん……』
メイの優しい言葉が蘇る。
あの『メイ』が今も学園にいて、今も『恐怖』しているのだ。
そしてメイは言っていた。
『無理しなくていいのよ九ノ枝くん。私、待っているから』
と、目に涙を溜めながら。
あんなにも心優しい少女がいるのだ。
ならば……
「そんなん関係ねーだろ!! 今から向かう! 第十三ビルでいいんだな!?」
史郎が息巻いて答えると、電話越しで一ノ瀬は柔らかく笑った。
しばらくして返事が来る。
『あぁ、今そこに隊員を集めているらしい。まあ史郎程の奴はいないだろうがな。で、突入ルートを考案中らしい』
「てゆうかどうやって突入するんだよ!? 向こう側には感知能力者がいるんだろ!?」
『あぁ、でもこっちにも感知能力者がいる。どうやら向こう方は生徒を体育館に集結させているらしい。こっちの感知能力者が生徒とテロリストの距離が最大に離れたタイミングを見計らい、お前達選りすぐりの能力者で一気に距離を詰めるらしい。まあ要は力づくだな』
なんていう脳筋集団。
ある意味力で上回る彼ららしいやり方だ。
そして能力世界の住人は人それぞれ出来ることが大きく異なりまくるため、このような力技が正攻法となることがある。
だが……
「おいそんな危なっかしいことしなくても大丈夫だぞ!!」
史郎には考えがあった。
『ほう、周囲一帯には敵の感知網があるんだぞ? 史郎、お前感知網を潜り抜けるような技もってたっけか?』
「いや持ってね―よ! だけど俺を誰だと思ってんだよ!?」
『へ~、史郎は君は誰なんだい?』
一ノ瀬のおちょくるような問答に思わず笑みがこぼれた。
「能力覚醒した晴嵐高校の生徒の一人だぞ! あの学園にある摩訶不思議な能力を、『内通者』を探し出すために誰よりも身近で観察した『こっち側の』能力者だぞ!! あそこにある能力者を使えば、『入れるんだ』!!」
そう、あの学園にいる能力者の能力は、基本、こちら側の能力者にとって異質な物。
そして史郎は『内通者』、つまりは木嶋を探しだすために半年以上にわたって観察し続け、誰よりも、もしかすると持っている本人よりも、彼らの能力をつぶさに観察していた。
だからこそ、史郎だからこそ視える秘密の侵入経路が今も存在しているのだ。
『ほう、その話は作戦会議で披露してくれ』
「言われるまでもない!」
史郎はニヤリと白い歯を覗かせつつ通話を切ろうとする。
が、そこで一ノ瀬の言葉が挟まった。
『あ、あとナナも作戦同行の指示があったから連れて来いよー』
え? 今ここにいねーけど?
と通話を切った後、史郎が若干頭を抱えた時だ
「追いついた~~~~!!!!」
ナナが凄まじい速度で駆けてきて史郎と並走した。
好都合。史郎は即座に告げた。
「おいナナ! お前も来い! 晴嵐を救うぞ!!」
「りょ、りょーかーい!!」
ナナは全力疾走してきて息を上げていた。
そんなナナを追走させ史郎は第十三ビルに急いだ。
◆◆◆
体育館には全校生徒が集められ体育座りでじっとさせられていた。
皆、顔面蒼白で、今ある事態の推移についていけず下を向いていた。
中には谷戸のように体中から血を流す生徒もいた。
学園に襲い掛かった能力者達は見せしめのように皆のいる前で数人の生徒をぶちのめして見せたのだ。
痛ましい姿になった仲間に多くの生徒が目に涙を溜め、その力の前に黙りこくった。
そして生徒をてなづけた男達は告げる。
「お前たちは大人しくしていろ! そうすれば命が助かるかもしれん! だが反抗の意思を見せてみろ! お前たちの貧弱な想像力では想像できない程酷い目にあうことになる!!」
生徒1000人近くの周囲に黒ずくめの男が三十名近くいる。
そしてその誰もが、皆、自分よりはるか格上の存在なのだとごく少数の生徒が犠牲になることで痛切に感じていた。
だからこそこの男の台詞は馬鹿に出来ない、自身の喉元に突き付けられたナイフ。正真正銘、男の台詞に皆恐怖していた。
女生徒の多くはすすり泣いていた。
そして、誰がこのような状態にしたのかと言えば、
(俺だ……)
木嶋は列に紛れ、自身の失態を悔やんでいた。
自分が安易に皆を同じ世界に連れ込みたいと思い、彼らを能力者にしたからこそ今の事態があるのだ。
間違いなく自分が、事の原因である。
木嶋はここに来るまでにパートナーのチカが涙し、アズサが脅える様をまざまざと見せつけられている。
そして史郎にいつぞや屋上で言われた言葉を思いだす。
『……この能力世界にこの学園の生徒を連れ込んだ罪は重いぞ?』
それに対して自分はなんと答えたか。
反省と責任を促す史郎に自分は
『それはこれから態度で示すしかない』
そう言ったのだ。
……
ならその責任とは、いつ果たすものなのか
下らない問いだが、答えは一つだ。
今しかない。
今しかないのだ。
「お、なんだテメー?」
木嶋がゆらりと群衆の中で立ち上がると、生徒たちを見張っていた男の一人がすかさず見咎めた。
そして立ち上がった木嶋を仕置きするべくずんずんと座る群衆をかき分け向かってくるが、
それよりも早く木嶋の目の前に『赤い靄』が出現。
「お、なんかやるk」
男が言い切る前に、男を自身の目の前まで『転移』させると、
思いっきりその顔面に拳を叩き込んだ。