これまでのあらすじ 第二章編
第四十話で、何とか第二章の終わりを迎える事が出来ました。
これまでの話を再確認したい方などのために、
二章のあらすじを大まかにまとめました。
第一章のあらすじを知りたい方は、第二章の冒頭にある
これまでのあらすじ 第一章編 をお読みください。
ハルムートとアウルスがラミナント城で密談を交わしてから、
二週間が経とうとしていた。
ハギャンとシュバイクの一件から広がった風説は、
収束を向かえつつある。
そんな中、シュバイクの腕の傷もよくなり、
ウィリシスは城下町に散策にいこうと誘う。
最初は困惑していたシュバイクだったが、
母レリアンの説得もあり、たまの休日を楽しむ事となったのである。
一方、城下町には異国からの来訪者がやって着ていた。
見慣れぬ民族衣装に身を包む三人は、
ある鉱石を探してクレムナント王国へとやって来たのである。
しかし、彼らはその情報を得る前に、
王国の民に仕える魔道師の集団に捕らえられてしまう。
ここ数日、王国の城下町では不穏な動きがあり、
その監視を兼ねて魔法の罠を設置していたのだ。
それに、その三人がかかってしまったのである。
彼らはクレムナント王国へ来た理由を、
魔道師達の集団である魔道議会の者へ、
正直にその理由を話した。
それに納得した魔道師の一人は、無事に彼らを解放したのである。
彼らにとっては大きな困難の一つと思われたが、
最後には思わぬ収穫があった。
それは、自分たちの求める鉱石が、
鉱石商人のアウルス・ベクトゥムなら知っているかもしれないと言う、
貴重な情報を得たからだ。
その頃、城下町を散策していたシュバイクとウィリシスは、
大通りにある市場で買い食いをし、
楽しんでいた。
そして、ウィリシスが寄りたい所があると言い出し、
それによって富裕区といわれる
限られた者達しか入れない区画へと行く事となったのである。
シュバイクとウィリシスはその区画へと入ると、
盗みを働いた少年が兵士に痛めつけられていた。
それに見かねたウィリシスは兵士達をなぎ倒し、
少年を救い出したのである。
だが、お忍びで来ていたはずだったシュバイクは、
その一件により、周囲の者へその存在が知られてしまった。
しかし、深手を負った少年を治療するため、
ウィリシスのなじみの店へと駆け込む。
二人は魔法によって治療を開始するも、
生命力そのものの消耗が激しく、
傷は治癒していくが、息はすでになくなりかけていた。
そこで、シュバイクは自分の中に眠る力を使い、
少年を救おうと試みた。
結果、少年は息を吹き返したが、
シュバイク自身は、その力の反動で深い眠りへとついてしまったのである。
少年を救う最に放った魔力は、あまりにも大きすぎた。
その力の余波は、クレムナント王国全土へと広がったほどである。
これを機に、諸外国は動き出す。
王家の力へと覚醒したシュバイクだが、
何故、その力によって各国が動き出したかまでは
明らかになっていない。
しかし、彼らは迅速に軍隊を動かし、
領地の拡大を図ろうとしたのは明確である。
クレムナント王国の同盟国スウィフィランドへも、
シュバイクが王家への力を覚醒させた事が報告としてもたらされた。
しかし、十三騎士団の団長であるオーリュターブは、
これを時期尚早の早すぎた覚醒だとにらみ、
これを機に動き出す各国の思惑が絡み合い、
大きな戦いが起こる事を予測した。
一方その頃、クレムナント王国の東にあるオルシアン帝国では、
第五王子の不完全な覚醒を知り、
シュバイクへの暗殺者を差し向ける。
それと同時に、軍隊を召集させ、
王国への侵攻作戦を開始する。
帝国の隣にある四つの国の集合体であるサラナイファ連合では、
王国へと攻め入る帝国の隙をつき、
奪われた砦の奪還作戦を立案てる。
だが、これに反対したのは、
四国の北に位置するバゥレンシア北和国の将軍である。
将軍ゲバルは、帝国の動きが罠である可能性を示唆した。
しかし、連合の総統チェイス・リーベンスはこれを跳ね除けた。
そして、砦を奪い返すための奪還作戦を決行する事となったのである。
将軍ゲバルは兵士を招集するために、
自国の首都へと戻る。
そこでまっていたのは、ラウラファという小さな街の
守備を任されていた男であった。
栗毛の男、コウマ・レックウ中尉は、西の砦が帝国の罠であり、
連合が攻め込んでいる間に、帝国が侵攻してくるのではないかと、
危惧していたのだ。
だが、この意見は誰にも聞き入れられる事はなかった。
そのため、将軍ゲバルが千の兵士を、
コウマ中尉の守るラウラファへと独断で派遣する事に同意した。
コウマはこれに納得したわけではなかったが、
千の兵士を預けてくれた将軍に、
これ以上無理を言うことができなかった。
そして、その援軍がラウラファへと到着した三日後である。
帝国の一万を超える軍隊が、
街の南にある湖へと現れた。
彼らはクレムナント王国へと進軍してくる本隊と途中で別れ、
川を下って一気に北上してきたのだ。
これに対するのは、ラウラファの守備隊と町の男達総勢五百人に、
援軍として送り込まれた千人の兵士達のみであった。
この千人を率いてきたのは、
バゥレンシア北和国の最強の騎士といわれる、
フラガナン・エンリュ・ケイオスだった。
彼らと共に、コウマは練りに練った作戦で敵を迎え撃った。
その作戦とは、街全体を水に沈め、建物一つ一つを要塞化する、
と言うものであったのだ。
この作戦により、敵の第一陣、そして第二陣までもを退けた。
だが、すでにラウラファの街はもう限界であった。
敵にはまだ多くの戦力があまっており、
それを投入されれば、もう耐えしのぐことはできないと確信したのだ。
これを前に、コウマは百人にも満たない兵士を連れて、
何とか街が陥落する前に脱出した。
街にはバゥレンシアの最強の騎士ケイオスと、
その配下の騎士達が残っていた。
彼らはコウマ達が逃げるための時間稼ぎとして、
最後の最後まで戦いきったのである。
何とか首都へと向けて歩き出したコウマ達だったが、
多くの者はけが人であり、
戦いで疲弊しきった彼らは夜になると、
歩く力もなくなっていた。
村の一つで野営する事になったが、
このままでは帝国軍に追いつかれるのも時間の問題だった。
そこで、コウマは首都への道すがらにある村に人員を配置し、
敵の行軍速度を遅らせようと画策した。
その頃、帝国の帝都ウルガスでは、
ラウラファへの第一部隊として投入された指揮官の
妻と娘がその帰りをまっていた。
しかし、その指揮官であるメアーズは、
大きな損害を隊に出し、街を落とすこともできなかったのだ。
そして、その責任を取らされ処刑されてしまっていた。
だが、実際のところは、指揮官として任命した
メアーズの義父にあたるロックガード将軍が、
自分の面子を保つために処刑したにすぎなかったのである。
これがのちに帝国全土を揺るがす大きな事件への引き金となるが、
それを知るものはまだいなかった。
そして、クレムナント王国へと侵攻していた帝国の本隊は、
帝王リゼリアンの指揮の元、次々と国境付近の村や町を支配下においていった。
これを黙ってみていた訳ではないが、
王国内ではシュバイクの覚醒以降、
様々な問題が露呈し、統率は著しく乱れていた。
そのためか、全ての対応が後手にまわり、
よくない結果へと進んでいっていたのである。
そして、シュバイク・ハイデン・ラミナントは、
謎の力を発してから二週間、未だに目を覚ます事なく、
深い眠りへとついていたのであった。
こうして、第二章は幕を閉じ、
第三章へと繋がっていくのである。
第三章からは、これまでに散りばめられた様々な事柄と物事が、
繋がりをみせていく予定です。
三章からは、さらに物語が大きく動き出し、
あっと驚くような展開になるかもしれません。
ぜひ、楽しんでお読みください。




