これまでのあらすじ 第一章編
第十八話で、何とか第一章の終わりを迎える事が出来ました。
これまでの話を再確認したい方などのために、
一章のあらすじを大まかにまとめました。
まだ読んでくださった事のない方も、
ぜひ、この機会にご一読下さいませ。
険しい山々に囲まれるクレムナント王国は、
鉱石資源が豊かな国である。
人々はその鉱石の持つ特殊な力を生活の一部に転用し、
暮らしていた。
この国には、王位継承候補者である五人の王子がいた。
一番末っ子のシュバイク・ハイデン・ラミナントは、
第三妃と王の間に生まれた子である、とされている。
しかし、そこには出生に関する大きな秘密があった。
容姿端麗な弟は、つねに民衆からも絶大な支持を受けていたのだが、
これが兄達には面白くなかったのである。
ある日、シュバイクは訓練と称して、
王族守護隊の騎士、ハギャン・オルガナス総隊長と戦う事になる。
手渡された木剣を握り、気持ちを落ち着かせるシュバイクへ、
長男のレンデスが不気味な笑みを見せた。
二人の戦いはあっという間に結末を迎えた。
シュバイクは己の左腕を犠牲にして、
何とか相手の顔面へと一撃を叩き込むことに成功させたのだ。
しかし、腕の傷は酷く、骨は粉々に砕けていた。
この一件を気に、城下町ではよからぬ噂が流れ始めた。
王子である長男レンデスの指示により、
ハギャンはシュバイクを暗殺しようとしたのではないか、という事だ。
この噂の出所を調べるため、
アバイト王の右腕であるハルムート将軍は、
一人の男を牢獄で尋問する。
男は対した情報を吐かずに死んだが、
その裏には強大な魔法を操る、
何者かの存在があることをハルムートは確信した。
鉱石商のアウルス・ベクトゥムは、宮廷への出入りを許された数少ない人物である。
商品の買い付けにいった先で聞いたある秘密のネタで、
ハルムートとの密談の約束を取り付けようとしていた。
この二人の会話の内容に興味を持った、
大貴族ザーチェ・エデン・グレフォード侯爵は、
アウルスからその話を引き出すため、彼を邸宅へと招いたのである。
アウルスはハルムート将軍へとその話を聞かせる前に、
グレフォード家の当主であるダゼス公爵へと、シュバイクの出生の秘密を聞かせたのである。
それは、シュバイクはアバイト王の子ではなく、その兄のギルバートの子だと言うのだ。
そして、その母も第三妃のレリアンの姉である、
ミリアン・ハイデンなのだと言う。
だが、これを聞いたダゼスは突然怒りだし、アウルスへ、とある要求を突きつける。
この結果、アウルスは多額の金銭と、その身の保護を受ける代わりに、
ハルムートとの密談の内容をダゼスへと流す事に同意する。
一方その頃、
クレムナント王国の同盟大国である水中都市国家スウィフランドでは、
国家元首であるガルバゼン・ハイドラへ、とある報告がもたらされていた。
十三騎士団を取り纏める男、セルシディオン・オーリュターブ曰く、
鉱石商のアウルスと言う男へ意図して流した話が、
予想いていた通りの展開へと物事を運んでいるというのだ。
これを聞いたハイドラは計画の続行を指示し、
オーリュターブは全てを了承する。
アウルスとハルムートが城内の庭園で対面すると、
シュバイクに関する出生の秘密を話し始めた。
これにハルムートが驚くと予想していたアウルスだが、
実際の反応はまったくの逆だった。
突如としてその場に姿を現した、
ハルムートの側近アーク・ウィード守備隊長は、
アウルスの喉元へと剣を突きつける。
絶対絶命の危機に陥ったアウルスは、何とかハルムートを必死に説得し、
それを成功させる。
しかし、この出来事をきっかけに、
将軍ハルムートとダゼス公爵との間の、
大きな対立関係が浮き彫りになったのである。
こうして第一章は幕を閉じ、物語は第二章へと続く...。
第二章は、シュバイク、ウィリシスに加え、
異国からの来訪者、そして魔法使いの集団である魔道議会を中心に、
話が進んでいきます。
怒涛の展開によって物語が大きく動く、第二章!
ぜひ、お楽しみ下さい!




