四ノ文 憐憫煉獄
紅アカは言った。
―哀カナしいの?
―灰色ハイイロの犀サイ。
苦クルしみにも耐タえうる。
憐憫レンビンの眼差マナザし。
―何故ナゼ哀カナしいの。
―否イナ、何故ナゼ哀カナしいと思オモうの。
妥協ダキョウを許ユリさない中途半端チュウトハンパ。
司ツカサドるのは貴方アナタの社ヤシロ。
ため息イキを一ヒトつ。
。目メを伏フせる。
犀サイは泣ナいた。
―言イわないでおくれ。
似合ニアわない、幸シアワせなど。
―紅アカき紅クレナイ。
うなだれる様ヨウに首クビを振フる。
真南マミナミは不幸フコウが住スむ。
出会デアいは北西ホクセイにある。
灰色ハイイロは泣ナきながら笑ワラう。
、泣ナきながら泣ナく。
紅アカは灰色ハイイロを見ミつめ。
憐憫レンビンの眼差マナザしで哀アワれみを。
名前ナマエばかり。
生イきながら死シに。
助タスけながら殺コロし。
償ツグナいながら犯オカす。
助タスけて、助タスけて。
。唯タダ、君キミに振フり向ミいて欲ホしい。
愛情アイジョウも知シらずに生イきている。
悲カナしみも知シらずに生イきている。
灰色ハイイロの棲スむ、灰色ハイイロの世界セカイ。
、笑ワラいかけて欲ホしい。
悔クやんでも悔クやめない。
霊レイが美ウツクしい尾オを引ヒいて。
鳴ナり止ヤまない鐘カネの音オト。
生イきて行イく上ウエで一番大事イチバンダイジな君キミ。
脳ノウの内側ウチガワから溶トけていく。
如何様野郎イカサマヤロウ。
血チを吐ハいた。
増幅ゾウフクする感情カンジョウを止トめて。
苦クルしさが迫セマり来クる。
ノアの箱船ハコブネには乗ノれない。
―泣ナかないで、犀サイ。
―哀カナしいよ。
出来デキない。
もう、泣ナかないことなんか。
、紅アカも、泣ナいた。
―友達トモダチだから。
―苦クルしみも、悲カナしみも。
―似ニているんだよ、僕ボクらは。
嘘ウソじゃない涙ナミダ。
紡ツムぎだす唇クチビル。
狂クルおしい程ホド愛アイしている。
―信シンじられない?
言イわないで、言イわないで。
紅クレナイは紅アカい。
煉獄レンゴクの色イロ。
―何ナンで、紅アカ、君キミは其処ソコまで。
生イきて、生イきている。
黙ダマれ!!!
―つまらないよ、お前達マエタチ。
唯タダ君キミに振フり向ムいて欲ホしかった。
。それだけのはずだったのに。