ニノ文 空之葡萄
何ナニも無ナかった。
憎ニクしみも、幸福コウフクも。
悲カナしさも無ナい。
落下ラッカするだけ。
空カラの精神セイシンが棲スんでいた。
唯タダ底ソコには《何ナニも無ナい》が在アった。
零レイの存在ソンザイ。
罰バツの空間クウカン。
余白ヨハクだけの本ホンの様ヨウな。
意味イミを探サガす。
のろまな時間ジカン。
題ダイの無ナい詩シ。
論外ロンガイの法則ホウソク。
歌ウタえない唄ウタ。
空カラの絶対ゼッタイ。
。変化ヘンカが訪オトズれる。
さ迷マヨい、歩アルいた果ハてに在アった物モノ。
一房イチフサの葡萄ブドウ。
止トまる事コトの無ナい流ナガれ。
紅アカい、紅アカい。
空カラの精神セイシンに流ナガれ込コむ。
呑ノまれてゆく。
言葉コトバに出来デキない歓喜カンキに。
戸惑トマドいながら。
憎ニクしみを知シる。
罪ツミを犯オカす。
怒イカりにも似ニた。
手首テクビの傷跡キズアト。
。紅アカい、紅アカい、
彼カレは、ゆっくりと。
楽タノしげに、歩アルいて来キた。
累積ルイセキする紅アカの中ナカに。
弁論者ベンロンシャ口クチをきけない。
傷跡キズアトは塞フサがらない。
殺コロしても死シぬことは無ナい。
止トまる事コト無ナく、真マっ直スぐに。
灰ハイの眼メで、紅アカを観ミた。
、眼メで紅アカを。
何ナンと言イうことも無ナい哀カナしさ。
逃ニげ道ミチの無ナい分ワかれ道ミチ。哀カナしくない。
。紅アカい、紅アカい、