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側室物語  作者: 日暮
10/11

慶ばしい報せです。

短いです。

 父から不穏な手紙を受け取ってから早幾月。


 頻度の差はあれど、どの側室方の元にも再度のリュシオン殿下のお渡りがありました。


 頻度の差があるといえども、まだ格別の寵愛を受けていらっしゃる方はいません。

 機嫌を損ねたら厄介な方へ、ご機嫌取りの為部屋へ寄るといった程度の差です。


 そして、そのいずれの方々にも未だ懐妊の報せはありません。



 側室方によっては、自分が妊娠しないことに人知れず焦りを見せたり、他の側室は既に懐妊しているのではないのかと疑心暗鬼になっていたりする方もいらっしゃいます。

 恐らく父は側室方に避妊薬なりなんなりを仕込んでいるのでしょうが、どういった手段を用いれば本人に気付かせず仕込むことが出来るのか。

 それぞれの実家の協力を経てなのでしょうが……。


 何かに気付かれたのか、エレノア様からは先日お茶会へ招かれた際にそれとなくチクリと釘を刺されました。

 私に言わないで下さい。私は知りませんから。


 私もこれでも心苦しいんです。

 ……本当ですよ?




 そして、とうとう!

 待ち望んでいた情報を手に入れました。


 エレノア様懐妊、です。



 おめでたいことです、実に。

 これで男の子だったら言うことありません。


 すぐにでもお祝いの言葉を贈りたいところですが、実のところつい先程医者による診察で判明したばかりで、まだ公表されていません。

 リュシオン殿下の元へは既に伝えられたのでしょうが、未だ公となっていないのは殿下の裁量を待っていらっしゃるからなのでしょう。


 何故私がそんな最重要な秘密をこれ程早く知っているかというと、誰かに聞き出したというわけではありません。

 エレノア様付きの侍女も後宮付きの侍医も、それほど口が軽くては職務は務まりません。


 つい先日ニーナが、エレノア様の侍女が少々様子がおかしかったところを見掛けたと言っていたのでピンときました。その勘に従いエレノア様の周囲に注意を払っていたのです。

 エレノア様が口になさる食材を流通面で調べたり、密かに侍医が部屋へ招かれるのを目撃したり、部屋からリュシオン殿下の元へ密使が走ったり、といった情報を組み合わせ、今回判明した訳です。裏も取りました。


 小さい情報すら見落とさない観察力と鼻のよさ。

 我が家の侍女達は実に優秀ですね。



 さて、エレノア様懐妊の報せが公になれば、しばらくは祝いの空気で一色となるでしょう。少なくとも表向きは。

 リュシオン殿下もエレノア様へ配慮して、側室の元へ通うのも控えられるでしょう。


 しかしその先は父が交渉した休戦協定が切れてしまいます。




 エレノア様のお腹の子が、男の子でありますように。

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