第98話:パパが触れたら全部お宝!恐怖の「お買い物」パニック
「さあみんな、パパを囲むための巨大ベッドの材料を買いに行くわよ!」
「「「「おー!!」」」」
ママたちの号令一下、25人の大家族は連邦最大のショッピングモールへと繰り出しました。リアムは「普通の買い物で済ませてくれよ……」と祈りながら、変装用の眼鏡をかけましたが、12対の光翼から漏れ出る黄金のオーラは全く隠せていません。
「パパ!このクッション、フカフカだよ!」
末っ子が持ってきた何の変哲もないワゴンセールのクッション。リアムが「本当だね」と優しく撫でた瞬間、そのクッションが黄金に輝き出し、座るだけで悟りが開ける伝説の法具『至高の座布団』へと進化してしまいました。
「店主!これ、おいくら!?」
「えっ!?……あ、あの、パパ様が触れられたのなら、時価で……100億連邦ドル、いや、タダでいいです!むしろ私の店をパパに捧げます!!」
店主がその場で土下座し、店を譲渡しようとするのでリアムは大慌て。しかし、パニックは止まりません。
リアムが「喉が渇いたな」と自動販売機のボタンを押せば、出てきたのはただのミネラルウォーターではなく、一口飲めば死者が蘇る『生命の神酒』。
横で見ていた客たちが「パパの聖水だー!!」と叫びながら自販機に殺到し、数秒で自販機が宗教的な聖地として崇められ始めました。
「マリン、水は君が出して!僕が買うと変なことになるから!……リュカ、その超合金のフレームを素手で曲げて持って帰ろうとするのはやめて!レジを通して!」
後ろではママたちが「あら、この布、パパの肌触りに近いですわね」とカーテン生地を大量購入。リアムがその布の端をちょっと持っただけで、布が自己再生機能を持ち、全宇宙最強の防御力を誇る『聖王のカーテン』へと変貌。
「マスター……。経済、死ぬ。……パパが買い物を続けると、全商品の価値がインフレして紙屑になる。……さっさと全部買い占めて、撤退」
セレスが淡々と告げる中、ショッピングモールは「パパに触れてほしい商品」を掲げる数万人の群衆で埋め尽くされ、もはや買い物どころではなくなりました。
「もういいよ!巨大ベッドは僕が魔力で作るから!みんな、おうちに帰ろうー!!」
結局、何も買わずに(というか全てが献上品になってしまい)逃げるように聖王宮へ帰還したリアム。手元には、パパに触れられたことで「意思を持ってパパを追いかけてきた」大量の家具たちが、自ら歩いて行列を作っているのでした。




