第97話:パパと結婚したい!全次元を巻き込んだ「進路相談」プレゼン大会
「パパー!ぼく、将来の夢が決まったよ!パパと結婚するの!」
「ずるい!私もパパと結婚して、パパを一生お城から出さない大臣になるんだから!」
朝食後のコーヒーを飲む暇もなく、リアムは12人の子供たちに囲まれていました。彼らが手元に持っているのは、画用紙にクレヨンで描かれた「将来の設計図(という名のパパ独占計画)」。
「えーと、みんな……パパはもうママたちと結婚してるし、そもそもパパは一人しかいないんだよ?」
リアムが困り顔で諭すと、長男が自信満々に「全次元を統合した時の余剰エネルギー」を計算した自作の数式フリップを取り出しました。
「大丈夫だよパパ!僕が大人になったら『パパを12人に増殖させる魔法』を完成させるから!一人1パパだよ!」
「……マスター。その案、採用。……私も、自分専用のパパ、ほしい」
まさかのセレスまで参戦。さらには後ろで微笑んでいた12人のママたちの目が、一瞬で「……あら、それは聞き捨てなりませんわね」と、獲物を狙う狩人のそれに変わりました。
「いい、子供たち?パパの隣は、厳しいオーディションを勝ち抜いた私たちだけの特等席なの。……たとえ我が子でも、パパの膝の上は譲りませんわよ?」
エルナが笑顔で黒いオーラを放ち、リュカが「力こそが愛だ!私と腕相撲をして勝てたらパパを貸してやる!」と拳を鳴らし始め、聖王宮のホールは一瞬にして「パパを巡る聖戦(親子喧嘩)」の会場に。
「ひぃっ!みんな落ち着いて!パパは増えないし、腕相撲で誰かを貸し出しちゃダメだよ!」
混乱を極める中、末っ子が「じゃあ、みんなでパパを囲める『12角形の特製ベッド』を作ればいいんだね!」と無邪気に提案。その瞬間、ママたちと子供たちが「その手があったか!」と意気投合し、宇宙一豪華な巨大寝具を建設するために全次元の資源を調達しに行く準備を始めました。
「ちょっと待って!勝手に僕の寝室をリフォームしないで!……誰か、誰か大統領の仕事を僕に振ってくれー!!」
全宇宙を救った英雄の悲痛な叫びは、カタログを広げて「パパに似合うパジャマ」を選び始めた家族の楽しげな声にかき消されていくのでした。




