第89話:パパ親衛隊、出動! 宇宙警察(ごっこ)と鉄壁のパパ防衛線
ミーナとの全宇宙ライブは大成功を収めたが、その副作用として、リアムの「尊さ」と「輝き」が全次元に知れ渡りすぎてしまった。
他次元の女神や魔王の娘たちが「リアム様を一目拝みたい!」と、聖王宮へ向けて超空間ワープを連発する事態が発生したのだ。
「……パパが、とられちゃう!」
危機感を募らせた12人の子供たちは、至高神キュートス特製の「パトランプ付きカチューシャ」を装着。『銀河連邦・パパ絶対守護隊』を結成した。
「パパにちかづく怪しい人は、みんなタイホだよ!」
子供たちが宇宙警察を開始した瞬間、その純真な魔力が連邦の検問システムと融合し、物理法則さえも書き換える鉄壁の防衛線が構築された。
聖王宮を目指してやってきた他次元の美女や有力者たちは、国境付近で「想像を絶する壁」にぶち当たった。
• 美女神の誘惑: 絶世の美女神が色仕掛けで通ろうとすると、子供たちの「めっ!」という声が宇宙に響き、彼女の衣装が強制的に「ダサい着ぐるみ」に変更され、戦意を喪失させる。
• 次元ワープ: 強引に空間を跳躍しようとする者は、子供たちが設置した「無限滑り台トラップ」に吸い込まれ、気づけば自分の母星の幼稚園まで戻されている。
「……マスター。子供たち、ガチ。……パパへの接近許可証、発行。……審査基準は『パパをどれだけ愛しているか』。……私は、もちろん永久パス」
セレスがちゃっかり「第1号パス」を首から下げて、子供たちのパトロールを指揮(という名の応援)していた。
この「宇宙警察」の活動は、密かに潜伏して「リアム暗殺」のチャンスを伺っていた旧帝国の最後の過激派たちをも、容赦なく炙り出した。
「な、なんだ!? 我々のステルス艦が、あの子たちの『パパどこだー?』というセンサーに一瞬で見つかっただと!?」
かつてリアムを「透明人間のように存在感がない」と無視していた隠密部隊は、子供たちの「パパを愛していない人、みっけ!」という無邪気な指差しにより、ステルス機能を強制解除された。
彼らは「パパへの愛が足りない罪」で逮捕(抱っこ)され、子供たちによる「100時間の読み聞かせ刑」に処されることで、脳内の殺意を完全に浄化され、泣きながら「リアム様ばんざーい!」と叫ぶ熱狂的信者へと作り変えられた。
当のリアムは、聖王宮の奥で「なんだか今日は、外が静かだなぁ」と、お茶を飲みながらのんびりしていた。
「パパー! きょうも宇宙の平和を守ったよ!」
「ありがとう。みんな、いい子だね」
帰ってきた子供たちを抱きしめるリアム。その背後で、パトロール網にかかって「パパ愛」を注入された元暗殺者たちが、聖王宮の庭で必死に「パパの肖像画」を植木で剪定している姿は、リアムの目には入っていなかった。




