第87話:パパにお料理作っちゃう! 隠し味は「神の雫」と無限の愛
一斉お昼寝タイムですっかり元気になった12人の子供たち。彼らは今、秘密の作戦会議を終え、聖王宮の巨大なキッチンに集結していました。
「パパ、いつもお仕事がんばってるから、今日はぼくたちがご飯を作ってあげるの!」
「おいしいものいっぱい入れて、パパを世界一元気にするんだよ!」
子供たちは至高神キュートス特製のエプロンを締め、調理を開始。しかし、彼らが手に取ったのは普通の食材ではありませんでした。
• 卵: 不死鳥が「パパのためなら」と自ら差し出した黄金の卵。
• 野菜: 12個の銀河から集められた、一かじりで寿命が延びる聖なる作物。
• 水: 宇宙の始まりに流れていたとされる「至高の清流」。
仕上げに子供たちが「おいしくなーれ!」と手をかざすと、彼らの純粋な魔力が結晶化し、キラキラと輝く「神の雫」となって鍋に降り注ぎました。
「……マスター。キッチンのエネルギー値、恒星爆発の300万倍を計測。……これ、食べたらリアム、人間やめることになるかも」
セレスが冗談めかして言いますが、その表情は「私も食べたい」という欲望で少しだけ震えています。
完成したのは、見たこともないほど黄金色に輝く『特製・パパ大好きオムライス』。
一口食べたリアムの体から、12対の光翼がバサァッと展開され、背後には「宇宙の理」そのものが後光となって出現しました。
「……おいしい。おいしいよ、みんな! 体中が愛で満たされていくのがわかる……!」
この「究極の料理」が放つ芳醇な香りは、時空を超えて旧帝国の跡地にも漂っていきました。
「……なんだ、この香りは。我々がかつて贅の限りを尽くした晩餐会が、泥水をすすっていたように思える……」
かつてリアムに「粗末な食事」を与えていた元宮廷料理長は、その香りを一嗅ぎしただけで、自分の料理がいかに「心」を欠いていたかを悟りました。
「私は……料理人ですらなかった……」
彼は泣きながら包丁を捨て、今日からは「リアム様のオムライスに使われるお米を一粒ずつ磨く作業」をさせてほしいと、連邦の農園に土下座して志願しました。
料理を食べ終えたリアムは、あまりの幸福感に全身から黄金の粒子を放出し、連邦の夜空を「昼間より明るい黄金色」に変えてしまいました。
「パパー! おかわりあるよ!」
「あはは、ありがとう。でも、もうお腹も心もいっぱいだよ」
リアムは12人の小さなコックたちを抱き寄せ、その光り輝く姿で、ママたちにも「あーん」と一口ずつ奇跡の味を分け与えるのでした。




