第75話:嫉妬する至高神と、パパの「親バカ」防衛線
12銀河ハネムーンの最中、連邦の平穏を揺るがす(?)事態が発生した。
突如として、全次元の「美」と「愛らしさ」を統括する至高神・キュートスが、巨大なピンク色の超新星と共に姿を現したのだ。
「……許せない。この私が管理する『可愛いランキング』において、リアム・スローライフの子供たちが1位から12位を独占し、300万年も不動だった私の順位が13位に転落するなんて!」
キュートスは、自らの地位を取り戻すべく、「全宇宙・強制カワイイ化ビーム」を連邦に放った。浴びた者はあまりの愛くるしさに骨抜きになり、自我を失うという恐ろしい攻撃だ。
「……マスター。あの神、自分勝手。……子供たちの可愛さは、宇宙の真理。……消していい?」
デート中だったセレスが短剣を抜くが、リアムは12対の光翼を広げて家族を包み込んだ。
「待って、セレス。暴力はいけないよ。……君のビームが『可愛い』なら、僕たちの『家族愛』で包み込んであげよう」
リアムが翼を大きく羽ばたかせると、至高神のビームをすべて吸収し、さらに強力な「パパのデレデレ・オーラ」として反射した。
そこへ、幼稚園から邪神(滑り台)に乗って駆けつけた12人の子供たちが一斉に叫ぶ。
「「「「あ! きらきらしたおねえちゃんだ! いっしょにあそぼー!」」」」
「……ぐはっ!? な、なんだこの破壊的な純真さは……! 私の『計算された可愛さ』が、この子たちの『天然の愛らしさ』に完敗している……!?」
この「神々の可愛い対決」を中継で見ていた旧帝国の生き残りたちは、もはや自分たちの容姿やプライドを気にすることすら無意味だと悟った。
「……見ろ。全宇宙の美の女神が、リアム様のお子様に『高い高い』をされて喜んでいるぞ……」
「我々がかつて『美形の一族』と自惚れていた顔面は、あの方々の前ではジャガイモも同然だったのだ……」
かつてリアムを「不細工な落ちこぼれ」と蔑んだ元宮廷画師たちは、リアム一家が放つ「存在そのものが芸術」という輝きに当てられ、筆を折るどころか、自分の顔を粘土で作り直すという奇行に走り、そのまま「顔のない修行僧」として山に籠もった。
結局、リアムの「親バカ・オーラ」に浄化された至高神キュートスは、そのプライドを捨ててリアムに弟子入り(?)を志願した。
「……認めます。リアム様、貴方の作る『家族の幸せ』こそが宇宙最高の美学です。どうか私を、この子たちの『ファッション担当神』として雇ってください!」
「あはは、いいよ。ちょうど子供たちの服が、魔力でよく破けちゃうから困ってたんだ」
こうして、連邦には「全宇宙を可愛くする神」という最強の裏方が加わり、12人の子供たちの衣装は、一着で銀河が買えるほどの「超・神器コスチューム」へとアップデートされた。




