第66話:開園! 国立・神童幼稚園と、次元を超えたコネ入園希望者
「……マスター。子供たち、力が強すぎて、家の中だけじゃ足りない。……同年代の友達、必要。……でも、普通の子供じゃ、あの子たちの『くしゃみ』で消し飛ぶ」
セレスの冷静な指摘に、リアムは腕の中で「恒星級のエネルギー」を放ちながら暴れる12人の子供たちを見て頷いた。
「そうだね。よし、連邦の威信をかけて、宇宙で一番安全で楽しい幼稚園を作ろう!」
リアムが指を鳴らすと、連邦の中心にある「緑豊かな惑星」が丸ごと一つ、国立・神童幼稚園『リトル・コスモス』へと作り替えられた。
園庭にはブラックホールを利用した「ゴミ捨て場兼砂場」があり、滑り台は次元の隙間を滑り降りるスリル満点(死ぬことはない)の仕様だ。
この幼稚園の開園ニュースは、瞬く間に全銀河、全次元へと駆け巡った。
「リアム大統領のお子様と砂場で遊べるだと!? そんなの、将来の『宇宙の覇権』を約束されたも同然じゃないか!」
他銀河の神々、魔王、さらには未来から来た超人類たちまでが、自分の子弟を『リトル・コスモス』に入園させようと、山のような金銀財宝(と土下座)を携えて連邦に押し寄せた。
しかし、園長を務めるエルナは厳しい。
「我が園の入園基準はただ一つ。……リアム様の平和なスローライフを乱さず、お子様たちと『仲良く』遊べること。傲慢な者は、入園どころか、この惑星の重力に耐えられませんわよ?」
この情報を聞きつけた旧帝国の「かつての勝ち組」貴族たちは、自分たちの没落を逆転させる最後のチャンスだと勘違いした。
「リアム王子はかつて我が帝国の人間だった! ならば、私の息子こそが、彼のお子様たちの『教育係』として入園する権利があるはずだ!」
豪華な衣装を纏った元貴族の親子が、幼稚園の門前に現れた。
しかし、門番をしていたのは、リアムに懐いて「通園バス」になった元・星喰い龍のヴォルガデスだった。
「グルゥゥ……。パパの匂いがしないヤツは、通さぬ……」
龍が一吹きした「あくび(幸せの突風)」により、元貴族たちは服を剥ぎ取られ、銀河の彼方にある「労働惑星(草むしり専用)」まで吹き飛ばされていった。
「さあ、みんな! 今日からお友達と仲良く遊ぶんだよ!」
リアムが12人の分身で、一人一人のリュックサックを整えて送り出す。
幼稚園に入った子供たちは、他銀河から来た「破壊神の息子」や「精霊王の娘」たちを相手に、
「ねえねえ、一緒に『銀河ころがし』しよー!」
と、無邪気に宇宙の理を無視した遊びを提案し、園内は一瞬で「史上最強の遊び場」へと化した。
リアムは園のテラスで、12人のママたちと一緒にお弁当(宇宙和牛のそぼろご飯)を食べながら、微笑ましくその光景を眺めるのだった。




