第65話:建国! スローライフ銀河連邦と、全次元の頂点へ
リアムが一晩で作り上げた「24の別荘惑星」。そのあまりにも豊かで温かく、魔力に満ちた空間は、滅びゆく他銀河の住人や、住む場所を失った神々にとって「唯一無二の希望」となった。
「……マスター。門の前に、100万隻の移民船が並んでる。……みんな、『パパの慈悲』を求めてる」
セレスが呆れたように、全天モニターに映る大艦隊を指差した。
リアムが作った別荘地は、彼の「家族への愛」がそのまま物理法則となっているため、病はなく、寿命は延び、争いすらも幸福感で霧散してしまう。そんな「真の楽園」を、宇宙の民が放っておくはずがなかった。
「うーん。みんな困っているなら、僕たちの邪魔にならない範囲で住んでもらおうか」
リアムの軽い一言で、24の惑星は正式に『スローライフ銀河連邦』として統合された。
初代大統領に推挙されたのは、もちろんリアムだ。
「ええっ、僕が大統領!? ……いや、僕はただのパパでいたいんだけど……」
しかし、12人のママたちが黙っていなかった。
「いいえ、リアム様! 貴方は全宇宙の『父』となるべきお方! 私たちが12の省庁を分担し、貴方を支えますわ!」(エルナ)
• 内務省: エルナ(浄化と教育)
• 国防省: カリーナ&アイリス(絶対防御)
• 秘密情報部: セレス(影からの監視)
• 厚生労働省: リヴィア(聖なる治癒)
……こうして、家族経営による「宇宙最強の国家」が爆誕してしまった。
この建国宣言を聞いた旧帝国の跡地では、最後の「皇帝」を名乗っていた男が崩れ落ちた。
「……我々は、あの男に復讐することすら、もはや許されないのか……」
かつての帝国は、リアムの連邦から見れば「ゴミ捨て場」以下の価値しかなく、侵略されることも、交渉されることもない。ただ「存在を忘れ去られる」という、国家にとって最も残酷な終わり(ざまぁ)を迎えたのだ。
帝国の民は、連邦のビザを得るために「リアム様、かつてはすみませんでした!」と書いた看板を掲げ、宇宙の果てまで届く声で謝罪行脚を始めるしかなかった。
大統領になっても、リアムの最優先事項は変わらない。
「よし! 執務の合間に、12人の子供たちの『お昼寝惑星』の点検に行かなきゃ!」
リアムが指を鳴らすと、銀河連邦全体の魔力が活性化し、すべての民に「今日もパパ(大統領)は元気です」という温かな波動が届いた。
「「「「パパー! だいしゅきー!」」」」
12人の子供たちが、大統領府(という名の豪華な子供部屋)に突進してくる。
一人のパパの「スローライフ」は、いつの間にか「宇宙全体の平和」と同義になっていたのである。




