表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能と断じられた第五王子、追放先の死の大地で【古代魔法】に目覚める。〜最強の使い魔たちと始める、やりすぎ辺境開拓スローライフ〜  作者: 綾瀬蒼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/86

第54話:パパの奪い合いと、ママたちの「赤ちゃん返り」!?

銀河一周レースを終え、12人の子供たちはますます「パパっ子」になっていた。

 リアムが椅子に座れば、膝の上、肩の上、頭の上、さらには異空間から伸びてくる手まで、12人の子供たちがリアムを完全に埋め尽くしていた。

「パパ、だいしゅき!」「パパ、こっち向いて!」

 赤ん坊たちの純粋な愛の波動が、リアムを多幸感で包む。しかし、その光景を離れた場所から「無言の圧力」で見つめる影があった。

「……ずるいですわ。子供たちばかり、リアム様に抱きついて。私だって、一週間もリアム様に抱っこしてもらっていませんのに……!」

 エルナがハンカチを噛み締めながら震えている。

「……マスター。子供は、次の世代。……でも、私たちは『今』を共にする伴侶。……不公平。……私も、パパに甘えたい」

 無表情なセレスの瞳の奥に、かつてないほどの嫉妬の炎(虚無の炎)が揺らめいた。

 こうして、12人の最強ヒロインたちによる、なりふり構わぬ「パパ奪還作戦」が始まった。

 まず動いたのは、光の王女ルミナだ。

「あら、リアム様。……なんだか急に足がフラついてしまいましたわ。……抱き止めていただけますか?」

 普段の凛とした姿はどこへやら、わざとらしくリアムの胸に倒れ込む。

 続いてカリーナが、赤ん坊の一人をひょいと持ち上げ、自分と入れ替わるようにリアムの腕の中に潜り込んだ。

「リアム! 子供ばっかり構ってないで、この『大きな獲物』も可愛がりなさいよ!」

 さらには、先代聖王アストライアまでもが、少女のような姿に若返り(魔力の無駄遣い)、

「坊や! 私だって甘えたい時はあるのよ! ほら、膝を貸しなさい!」

 聖王宮の中は、12人の子供と12人のママたちが、一人のリアムを巡って押し合いへし合いする、宇宙で最も密度が高い「密密状態」となった。

 この様子を、遠隔透視魔法で(死に物狂いで)覗き見ていた帝国の魔導師たちは、絶望に打ちひしがれていた。

「……見ろ。全銀河を滅ぼせる力を持つ12人の女神たちが、あんなにも必死に一人の男の愛を乞うている……」

「我々がかつて『無能』と罵った男は、今や『愛のブラックホール』だ。……我々には、あの一団に混じる資格すらない……」

 かつてリアムを捨てた元婚約者・ベアトリスは、自分を捨ててリアムに甘える神々の姿を見て、「私の美貌なんて、あの中では塵以下だわ……」と、ついに隠居して尼になることを決意するのだった。

「あはは……。みんな、そんなに一度に抱きつかれたら、僕の体が次元ごと消滅しちゃうよ」

 リアムは苦笑いしながら、12人の分身をさらに「出力アップ」させ、24個の腕を作り出した。

 12人の子供を優しく抱き、同時に12人のママたちの頭を撫でる。

「はいはい、みんな大好きだよ。今日は、家族全員で『宇宙で一番大きな綿あめ』を作って食べようか!」

 リアムが指をパチンと鳴らすと、王宮の上空に浮かぶ星雲が、甘いイチゴ味の綿あめへと変化した。

 家族全員で宇宙を食べる。そんな非常識な「幸せ」が、今日も王国の日常を彩っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ