表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能と断じられた第五王子、追放先の死の大地で【古代魔法】に目覚める。〜最強の使い魔たちと始める、やりすぎ辺境開拓スローライフ〜  作者: 綾瀬蒼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/74

第40話:建国宣言? いえ、ただの「広い庭」が欲しかっただけです

「リアム様、帝国の連中が、貴方の『雑巾』を神殿に祀って拝み始めましたわ。滑稽すぎて涙が出ますわね」

 エルナが空から地上を見下ろし、呆れたように笑った。

 地上の帝国は、リアムの「掃除のついで」で豊かになった。だが、それゆえに皇帝たちは勘違いを始めた。「リアムをこの国に留めれば、帝国は永遠に銀河を支配できる」と。

「……マスター。あいつら、また変な計画立ててる。……『リアムを薬で眠らせて、帝国の姫と無理やり結婚させる』……。……消していい? 今すぐ、国ごと」

 セレスの影がドロリと広がり、帝都全体を飲み込もうとする。

「待って、セレス。争いは良くないよ。……そうだ、あそこなら誰にも邪魔されないかな」

 リアムが指差したのは、帝国の隣にある、誰も住めないと言われた死の荒野「絶望の不毛地帯」だった。

「よし。あそこに僕たちの『家』を作ろう。……『古代魔法:【大陸再定義・エデン・プロジェクト】』」

 リアムが指をパチンと鳴らした瞬間、全銀河が鳴動した。

 空中島から降り注ぐ黄金の光が荒野を焼き、わずか数秒で、そこには「地上のどの国よりも美しく、豊かな大地」が出現した。

• 川には魔力を回復させる聖水が流れ、

• 山には最高級の鉱石が宝石のように露出し、

• 空気そのものが万病を治す癒やしの力を持つ。

「今日からここを『リアムの庭』にするよ。あ、一万人の騎士団のみんなも、ここに住んでいいよ。……あ、ついでに国旗も作らなきゃね」

 リアムが適当に「エプロンをつけた猫」の紋章を空に浮かべた。それが、新国家「スローライフ王国」の誕生の瞬間だった。

 一方、それを見ていた帝国は大パニックである。

「な、なんだあの土地は!? 我が国の領土よりも遥かに豊かではないか!」

「リアム殿下! いえ、リアム陛下! どうか我が国の民も、その国に入れてはいただけないでしょうか!?」

 国境線に押し寄せる帝国の貴族や平民たち。しかし、アイリス率いる一万人の騎士団が、冷酷に告げる。

「この国への入国条件はただ一つ。『リアム様を一度でも無能と呼んだ者は、足を踏み入れることすら許されない』……。つまり、帝国の人間は全員、永久追放だ」

 救われたはずの帝国の人々は、目の前にある「本物の楽園」に一生入れないという、死ぬより辛い「ざまぁ」を味わうことになった。

「さあ、みんな! 新しい家もできたし、今日は12人のみんなと一緒に、一番大きな部屋で寝ようか!」

「「「「「……えっ!!?」」」」」

 12人の最強ヒロインたちが、初めて戦闘以外で顔を真っ赤にし、銀河が揺れるほどの動揺を見せた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ