第25話:銀河の夜明けと、選ばれし道
月の神殿での「月見団子パーティー」も終わり、静寂が戻った銀の園。
リアムは、巨神(いまや島の万能執事)が丁寧に淹れたハーブティーを飲みながら、眼下に浮かぶ青い星――地球を眺めていた。
「リアム様、何を考えていらっしゃるのですか?」
エルナが隣に寄り添い、続いてリヴィア、セレス、ルナ、ミーシャ、マリン、そしてルナティアと、7人のヒロインたちがリアムを囲む。
「うん……。ここでみんなと過ごすのも楽しいけど、僕の古代魔法が『もっと広い世界があるよ』って言ってる気がするんだ」
その時、月面全体が共鳴するように震え始めた。
神殿の最奥にある、巨大なクリスタルの門――「星の羅針盤」が光を放ち、三つの異なる輝きをリアムの前に提示した。
『……適合者リアムよ。汝の魔力は、もはや一つの星に留まる器ではない。……選ぶが良い、汝と愛しき者たちが歩むべき未来を』
羅針盤が映し出したのは、三つの可能性だった。
1. 【宇宙の開拓者】:火星、木星、さらにその先の星々へ。未知の知的生命体や、星そのものの意思と出会い、宇宙全土をリアムの「スローライフ領域」にする道。
2. 【地球の救世主】:月で得た無限の魔力と技術を携え、地上へ凱旋。帝国や他国を「魔法の力」で豊かにし、争いのない地上の楽園の王となる道。
3. 【異次元の旅人】:この宇宙の法則すら通用しない、全く別の「異世界」へ。魔法が科学と呼ばれたり、あるいは概念そのものが異なる世界で、再びゼロから(最強のまま)始める道。
ヒロインたちは息を呑んでリアムを見守る。
どこへ行こうと、彼女たちの答えは決まっている。リアムの隣こそが、彼女たちの居場所なのだから。
「そうだね……。僕たちが次に行く場所は――」




