表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能と断じられた第五王子、追放先の死の大地で【古代魔法】に目覚める。〜最強の使い魔たちと始める、やりすぎ辺境開拓スローライフ〜  作者: 綾瀬蒼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/74

第18話:ドラゴンの求愛と、乙女の防衛線

竜王バハムートが島の「外周警備兼・食客」となってから、空中島はかつてないほどの平和(物理的な意味で)を享受していた。何せ、世界最強の個体が空を見張っているのだ。

 だが、島の中は別の意味で嵐が吹き荒れていた。

「ねえ、リアム! 私の鱗、綺麗でしょ? 触ってもいいわよ、特別に!」

 ルナがリアムの腕に抱きつき、自分の頬をすり寄せる。ドラゴンの鱗は本来、鋼鉄より硬いはずだが、彼女のそれはリアムの魔力に当てられてか、吸い付くように柔らかい。

「あはは、くすぐったいよルナ」

「もう! ドラゴンの求愛は情熱的なんだから、ちゃんと受け止めてよね!」

 その言葉を聞き捨てられなかったのは、いつもの三人だ。

「……求愛、ですって?」

 エルナの手にしたティーカップが、みしりと音を立てる。

「ドラゴンだろうと何だろうと、リアム様の『特別』は、一番長くお側にいる私たちが決めることですわ!」

「そうだぞ! 列に並べ、トカゲ娘! リアム様の隣は、剣術の稽古(と称したデート)で私が予約しているんだ!」

 リヴィアが魔剣を抜き放ち、ルナとの間に火花が散る。

「……マスター。あの子、うるさい。……丸焼きにして、お父様に返す?」

 セレスが無表情に、しかし指先にどす黒い魔力を集めて呟いた。

「わ、わっ、みんな喧嘩はやめようよ! ……そうだ、ルナも一緒に寝れば落ち着くかな?」

 リアムの天然爆弾が投下された。

 彼は単に「広い川の字で寝ればいい」という意味で言ったのだが、乙女たちの脳内は別の方向にフル回転する。

「な……!? リアム様、それは……夜の……っ!?(赤面)」

「ま、待ってください! それなら私が右側を!」

「私が左だ! 死守する!」

「……私、マスターの上。重石になる」

 結局、その夜。

 リアムの巨大なベッド(古代魔法でふかふかにリフォーム済み)には、四人の美少女と一人の「無自覚な聖王」がひしめき合うことになった。

 幸せな(?)悲鳴が夜の空中島に響く中、外で月を眺めていた竜王バハムートが、満足げに鼻を鳴らした。

「ふむ……リアム殿。我が娘をよろしく頼むぞ。……さて、明日の朝食は何かな?」

 リアムのハーレムは、ついに種族の壁すら超えて、空前絶後の賑わいを見せ始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ