第137話:ご依頼主は「愛に飢えた24人」! ~自分の家を家事代行!?~
「もう、ブラックホールや太陽の掃除はこりごりだよ。僕は……僕はもっと、人間味のある『普通の家』を掃除して、感謝されたいんだ!」
リアムの切実な願いが通じたのか、アプリに一件の通知が届きました。
【依頼内容:大家族の家の整理整頓と、パパによる全力の癒やし。報酬:家族の笑顔】
「これだよ! これこそが僕の求めていた『家事代行』だ!」
リアムは鼻歌まじりに、指定された住所へと向かいました。しかし、辿り着いたその場所は、どこからどう見ても自分たちの住む『聖王宮』の裏門でした。
「……あれ? ここ、僕の家だよね?」
恐る恐る玄関のチャイムを鳴らすと、そこにはヒゲをつけたり、メガネをかけたり、派手なカツラを被ったりして、全力で「赤の他人」を装った24人の家族が立っていました。
「……マスター。ようこそ。……私はこの家の執事(仮)。……今日は『パパ代行』のサービスをフルコースで希望。……まずは、24人全員を順番に膝の上に乗せて、頭を撫でる業務から」
「セレス!? カツラがズレてるよ! そもそもここ、自分の家じゃないか!」
「あら、何のことですの? 私たちは、たまたまリアム様という素敵なパパに似た代行さんを呼んだ、通りすがりの24人家族ですわ」
エルナが不自然なほど大きなサングラスを光らせて言い放ちます。
リアムは「これは罠だ」と理解しつつも、依頼を受けた以上は「プロ」として振る舞うことに。
• 業務①:おもちゃの片付け: 子供たちが秒速で散らかすのを、リアムが秒速で片付ける無限労働。
• 業務②:お悩み相談: 「パパが好きすぎて夜も眠れない(エルナ談)」という悩みを、パパ自身が解決するという地獄のマッチポンプ。
• 業務③:添い寝: 24人が川の字……ではなく「円」の字になり、中心でリアムが寝かしつけるという、もはや儀式。
「……マスター。評価、SSS。……ただし、依頼主(自分たち)が満足しすぎて、次の予約を100年分入れてしまった。……パパ、自分の家から一歩も出られずに、永遠に家事代行決定」
「代行でも何でもないよ! 結局、いつものお世話係だよーー!!」
結局、一円の報酬(時給)も発生しないまま、リアムは家族の「愛の搾取」という名の家事代行に一晩中付き合わされるのでした。




