第136話:派遣パパ、参上! ~最初のご依頼は「太陽の洗濯」~
「神様扱いで特別視されるのが嫌なら、仕事として誰かの役に立てばいいんだ! よし、家事代行アプリ『パパの手も借りたい』に登録するぞ!」
リアムは意気揚々とプロフィールを登録しました。
【特技:掃除、洗濯、全肯定。時給:相場通り。備考:神様ではありません】
しかし、登録から0.01秒後。セレスが管理するサーバーが、全宇宙からのアクセス過多により物理的に爆発しました。
「……マスター。受注完了。……パパ、初仕事。……依頼主は『銀河系環境維持局』。……依頼内容は、最近汚れが目立つ『太陽(恒星)の表面』の拭き掃除」
「えっ、太陽!? それって家事なの!? 宇宙の掃除じゃなくて!?」
断る間もなく、リアムは特殊な「聖なる雑巾」を持たされ、プロミネンスが吹き荒れる超高温の太陽へと派遣されました。
普通の人間なら瞬時に蒸発する場所ですが、リアムはエプロン姿で平然と太陽の黒点をゴシゴシ。
「あー、ここ、ちょっと油汚れ(宇宙塵)が酷いね。魔法の洗剤を使おうかな」
リアムがバケツ一杯の聖水を太陽にぶっかけ、雑巾でキュッキュと磨き上げると、太陽はかつてないほどの輝きを取り戻しました。その瞬間、太陽系全ての惑星で「パパのおかげで洗濯物が5秒で乾く!」という奇跡が発生。
続いての依頼は、隣のブラックホール銀河から。
「パパさん、うちの銀河、物が散らかりすぎて吸い込みすぎちゃって……断捨離してくれませんか?」
「……ブラックホールの整理整頓!? 分かった、僕に任せて!」
リアムは巨大なエプロンのポケットから「四次元ゴミ袋」を取り出し、ブラックホールが吸い込みすぎた不要な時空や瓦礫を、手際よく分別。「これは可燃ごみ、これは資源(新星の材料)」と整理していく姿は、もはや銀河のカリスマ清掃員。
「……マスター。評価、星5。……依頼主からのコメント。『パパが掃除した後の宇宙は、フローラルの香りがする』とのこと。……現在、100億件の指名待ち。……次の依頼は、次元の壁の張り替え」
「ちょっと待って! 僕は普通の家を掃除したいんだ! なんでスケールが全部『宇宙規模』なのー!?」
結局、家事代行をしても「神業」を披露することになり、リアムの時給は一回の掃除で銀河一つが買えるほどの高額に跳ね上がってしまうのでした。




