第135話:神様引退宣言! ~さよならパパ神、こんにちは普通のパパ~
「……もう我慢できない! 魚には光られるし、夕飯はちくわだし、外に出ればジャージの集団に担ぎ上げられる! 僕は、神様を辞めるぞー!」
リアムは全宇宙に向けて緊急ライブ放送を敢行しました。タイトルは『【重要】聖王リアム、神やめます。~普通のパパに戻りたい記者会見~』。
会見場には、24人の家族はもちろん、銀河中の主要メディアが集結。リアムはキリッとした表情でマイクの前に立ちました。
「えー、本日はお集まりいただきありがとうございます。僕は今日限りで、皆様からの崇拝を一切辞退し、ただの『家事手伝い兼パパ』に戻ることを宣言します! 拝むのも、教典を作るのも、僕の吐息を缶詰にするのも、全部禁止です!」
会場に静寂が走ります。しかし、次の瞬間、最前列にいた信者がボロボロと涙をこぼしました。
「……おお……。これこそが、聖典第135節に予言された『神の不在』の試練……! パパ様は、あえて突き放すことで、私たちの自立を促していらっしゃるのだ……!」
「なんて厳しい、そして深い愛……! 辞めるという言葉すら、私たちへの『甘えを捨てろ』という啓示なのですね!」
「違う! 深読み禁止! 僕はただ、静かにラーメンを食べて、エプロンを洗って、たまに昼寝がしたいだけなんだ!」
リアムが必死に訴えるほど、セレスが横で冷静にテロップを流します。
「……マスター。逆効果。……『神の休息』という新しい概念が誕生。……全宇宙、パパ様を休ませるために『一斉活動停止』の構え。……なお、会見でのパパ様の怒り顔が『美しすぎる憤怒』として、新しい教典の表紙に決定」
結局、引退宣言は「神様が休暇に入られた」と解釈され、リアムの周りには「パパの安眠を妨げるな」という名の巨大な防壁が築かれ、さらに誰も近づけない「聖域」が完成してしまいました。
「……辞めるって言ったのに、さらに特別扱いがひどくなってない……?」
会見を終えてトボトボと歩くリアムの後ろでは、エルナたちが「これからは『隠居神』としてお祀りしましょう」と、新しい祭壇の設計図を広げているのでした。




