第129話:パパ、胃が痛い。~胃カメラは銀河系同時生中継~
「……ううっ、最近なんだか、みぞおちのあたりがキュッとするんだ……。昨日も『パパの顔をした大根』に追いかけられる夢を見たし……」
朝食のテーブルで、リアムが胃を押さえて弱音を吐きました。すると、セレスの瞳が怪しく点滅します。
「……マスター。緊急事態。……宇宙の至宝であるパパの消化器に危機。……直ちに、全宇宙公開健康診断を開始。……セレス特製、ナノマシン型胃カメラ『パパ・インサイト』、投入」
「え、公開!? ちょっと待って、僕の体内を晒す必要はあるの!?」
リアムの抵抗も虚しく、セレスは空中に巨大なホログラム・スクリーンを展開。そこには、リアムの美しい胃壁が4K、いや128Kの超高画質で映し出されました。しかも、その映像は「パパの健康を祈る会」として、全宇宙の家庭へ同時生中継!
「見てください、みんな! パパ様の胃壁は、まるでピンク色の真珠のように輝いていますわ!」
「おお……これが全知全能の胃袋……! 胃液まで聖水のように澄んでいる……!」
ママたちが画面にかじりつき、宇宙の住人たちが「パパの胃壁、待ち受けにしたい」とSNSでトレンド入りさせる中、セレスの診断が下ります。
「……診断結果。……胃痛の原因は、慢性的な『愛の過剰摂取』。……特に、12人のママたちからの『重すぎる期待』と、子供たちの『物理的な体当たり』が、胃の粘膜を圧迫している」
「やっぱりそうじゃないか! みんな、もう少し僕を労わって……」
リアムが反論しようとしたその時、画面に「胃の奥にこびりついた小さな黒い影」が映りました。
「あ、あれは何!? 腫瘍かな!?」と焦るリアム。しかし、セレスがズームすると……。
「……分析完了。……これは、前々回に無理やり食べさせられた『パパ大好きチョコ』の一部が、あまりの愛の重さに消化を拒否して定着したもの。……愛が、物理的に胃に居座っている」
結局、その「愛の塊」を除去するために、ママたちが「次は私の愛で溶かして差し上げますわ!」と、さらなる特製ドリンクをリアムに飲ませようと追いかけっこを開始。
「胃を休ませてって言ってるのに、なんでまた胃を攻めるのーー!!」
パパの絶叫が銀河に響き渡り、129(胃痛)の日は、さらに胃が痛くなる結果で幕を閉じるのでした。




