第128話:いい庭つくろう聖王宮! ~パパだらけのボタニカル・ホラー~
「リアムパパ上! 今日は『いい庭の日』。この私が、貴殿に相応しい『癒やしの空間』をプロデュースいたしましたぞ!」
元・スパルタ魔王(現・エプロン庭師)が、自信満々に巨大なハサミを鳴らしました。リアムは嫌な予感を抱きつつ、家族と一緒に庭へと足を踏み入れました。
「……うわぁ。魔王さん、これ、何かな?」
「名付けて『パパ・パラダイス・ガーデン』! 貴殿への愛を植物の生命力で表現したのです!」
そこに広がっていたのは、もはや庭ではありませんでした。
• パパ・チューリップ: 花びらの一枚一枚がリアムの微笑む口元になっており、風が吹くと「ダイスキ…」「オカえリ…」と囁き合う。
• リアム・ウィロー(柳): 垂れ下がる枝がすべてリアムの「サラサラな黄金の髪」で構成されており、潜ると自動的にヘッドスパが始まる。
• 人面樹(パパVer.): 幹にリアムの顔が浮かび上がっており、目が合うと「今日も頑張ったね」と全知全能の慈愛で語りかけてくる。
「……マスター。狂気。……魔王の魔力が、植物の遺伝子を『パパ』に全置換。……庭全体が、生きたパパのクローン集団。……セレス、除草剤……ではなく、カメラを用意。……これ、売れる」
セレスが冷静に分析する中、子供たちは「わあ! パパがいっぱい咲いてるー!」と大喜びでパパ・チューリップを摘み取ろうとします。
「待って! 僕の顔をした花を摘まないで! 痛くないけど、精神的にすごく痛いから!」
さらに、12人のママたちがこの庭に食いつきました。
「まあ! このリアム・ローズ、触れると『愛してるよ』ってパパの声で鳴きますわ!」
「こっちのパパ大根は、引き抜くときにパパの喘ぎ声が聞こえるぞ!」
「変な植物を植えないでよ魔王さん! そもそも大根から僕の声が出る仕組みは何!?」
最後には、魔王が品種改良した「巨大パパ・ラフレシア」がリアムを飲み込もうと(ハグしようと)暴走。庭全体がリアムを求めてうごめき出し、聖王宮は「パパに恋した植物」による密林へと変貌しました。
結局、リアムが「聖なる除草旋風」を巻き起こして庭を更地に戻し、魔王と一緒に普通のパンジーを植え直すことで騒動は幕を閉じました。
「……魔王さん、次は普通の『いい庭』にしてね……(泣)」




