第125話:キスの数だけ大人になる!? 思春期リアムの暴言事件
「いつまでも3歳のままでは、夜の甘い時間が過ごせませんわ! セレス、何か方法はないの!?」
「……マスター。分析完了。……家族の『愛の接触』によって、パパの精神年齢を1歳ずつ引き上げることが可能。……ただし、成長過程で性格が変質するリスクあり」
その言葉を聞くやいなや、12人のママたちが「私が!」「次は私よ!」と3歳リアムに殺到。交互に頬へキスを浴びせ始めました。
「わぁ! パパがどんどん大きくなっていくよ!」
子供たちが見守る中、5歳、8歳、10歳……と、リアムの姿と意識が急速に成長していきます。そして、キスが15回目を超えた瞬間、周囲の空気が一変しました。
「……ッ、ちょ、やめろよ! 離せって!」
そこにいたのは、いつもの聖王リアムではなく、少し目つきが鋭く、前髪を気にするようにいじっている「15歳の思春期リアム」でした。
「あ、あら……リアム様? お次は私とのキスを……」
エルナが顔を近づけると、15歳のリアムは顔を真っ赤にして突き放しました。
「うっせーんだよ、ババァ! 近寄んな、香水の匂いがきついんだよ!」
「「「バ……ババァ!!?」」」
聖王宮に衝撃が走りました。全宇宙の女神と称されるママたちを「ババァ」呼ばわり! そのあまりの破壊力に、ママたちは一斉にショックで膝をつき、背景に「ガーン!」という文字が浮き上がります。
「パパ、今の言葉はひどいよ! ママたち泣いちゃうよ!」
「うるせー! 僕はもう子供じゃないんだ! 宇宙を救うとか、家族愛とか、そういうの『イタい』んだよ! 僕は一人で闇と向き合いたいんだ!」
完全に中二病を発症した15歳リアム。彼は光の翼を黒く染めようと試行錯誤し、部屋に引きこもってポエム(※前回とは別の、より闇が深いもの)を書き始めました。
「……マスター。失敗。……思春期の毒気が強すぎる。……早く、さらにキスをして、20歳の『全肯定パパ』まで戻さないと、銀河がパパの反抗期で崩壊する」
ママたちは涙を拭い、般若のような形相で立ち上がりました。
「いいでしょう……。その生意気な唇、私たちが力ずくで『パパ』に戻して差し上げますわ!!」
こうして、逃げ惑う15歳の反抗期リアムと、彼を無理やり大人に戻そうとする24人の家族による、深夜の「強制キス追いかけっこ」が幕を開けるのでした。




