第119話:育児救急119番! パパが好きすぎて心肺停止!?
「……よし、今日は『いい育児(119)』の日。全宇宙のママやパパたちの育児の悩みを、僕が直接解決するホットラインを開設しよう。困っている人を助けるのが、真のパパだからね!」
リアムは聖王宮の一室に特設コールセンターを設置しました。しかし、電話が鳴り響いた瞬間から、相談内容は「育児」の枠を大きく踏み外していきました。
『助けてくださいパパ様! うちの子が、パパ様のポエムを暗記するまでご飯を食べないって聞かないんです! どうすればいいですか!?』
「えっ、それは……僕のポエムなんて忘れていいから、栄養のあるものを食べてって伝えて!」
『緊急事態です! 旦那がパパ様の「ASMRゴロゴロ音」を聴きすぎて、幸せのあまり仮死状態になりました! 蘇生のための「よしよし」をお願いします!』
「救急車を呼んで! いや、僕が今すぐ癒やしの波動を送るから、奥さんも落ち着いて!」
次々と鳴り止まない119番。相談という名の「パパへの愛の告白」や、パパが尊すぎて発生した「幸福被害」の報告ばかりです。
「……マスター。回線、パンク。……相談内容の99%が『パパが尊すぎて生活に支障が出ている』という贅沢な病。……有効な処方箋は、パパの直接のハグのみ。……全宇宙にハグを配るのは、物理的に不可能」
セレスが淡々と告げる中、ついに12人のママたちが「私たちのパパをコールセンターのオペレーターにさせるなんて、全宇宙のわがままが過ぎますわ!」と回線を強制切断。
「リアム様、宇宙を救う前に、目の前の家族を救ってくださいな。ほら、子供たちが『パパ不足』で元気がないんですのよ?」
ママたちが指差す先には、パパに構ってもらえなくて、わざとらしく「えーん、パパぁ……(チラッ)」と嘘泣きをする12人の子供たちの姿が。
「あわわ、ごめんね! 今すぐみんなのところに行くよ!」
リアムは結局、全宇宙に向けたホットラインを「家族専用ホットライン」に切り替え、24人を交互に抱きしめる「家庭内救急活動」に従事することになりました。
全宇宙のモニターには、最後にリアムのメッセージが流れました。
『みんな、育児で一番大切なのは、パパを愛でることじゃなくて、家族で笑い合うことだよ!……あと、僕のポエムは本当に忘れていいからね!』




