第117話:パパ、給食を作る。~1000人のリアム(分身じゃない)~
「ポエムの件はもういい! せめて美味しい給食を作って、汚名を上書きするんだ!」
黄金に輝くアカデミーの給食室。リアムは白衣と三角巾を装備し、巨大な鍋の前に立ちました。今日の献立は、全宇宙共通のソウルフード「カレーライス」。
しかし、気合を入れすぎたリアムの指先からは、隠し味として「究極の慈愛(魔力)」がドバドバと鍋に注ぎ込まれてしまいました。
「よし、完成だ! みんな、たくさん食べてね!」
お昼の放送とともに、全校生徒に配られた「聖王カレー」。一口食べた生徒たちは、そのあまりの美味しさに、全身から黄金のオーラを放ち始めました。
「な、なんだこの味は……! 体の芯からパパの優しさが溢れてくる……!」
「あれ? なんだか視界が高くなったような……?」
次の瞬間、給食室は大パニックに陥ります。カレーに含まれたリアムの魔力が、食べた者の遺伝子情報を一時的に書き換え、生徒全員が「ミニ・リアム(10歳Ver.)」の姿に変身してしまったのです!
「……マスター。事態、深刻。……右を見てもパパ、左を見てもパパ。……ここは天国。あるいは、カオス」
セレスがカメラを連写する中、校庭には1000人の「小さなリアム」が溢れ出しました。
「あ、僕の顔がパパになった!」
「僕も! ほら、光の翼がちょっと生えてる!」
1000人のミニ・リアムたちが一斉に「パパぁー!」と本物のリアムに駆け寄ります。外見が自分そっくりの子供たちに囲まれ、リアムはアイデンティティが崩壊しそうになりました。
「みんな落ち着いて! カレーを食べ過ぎたせいだから、時間が経てば戻る……はずだよ!」
そこへ、騒ぎを聞きつけた12人のママたちが学校に到着。
「まあ! リアム様がいっぱいいらっしゃいますわ!」
「最高だ! どのリアムからお持ち帰りすればいいんだ!?」
ママたちは狂喜乱舞し、1000人のミニ・リアムを捕まえようと網を持って追いかけっこを開始。学校は「本物のパパ」と「1000人の偽パパ」と「24人の家族」が入り乱れる、銀河一ややこしい鬼ごっこ会場と化しました。
「……もう、給食当番なんて二度とやらないにゃ(あ、また語尾が!)」




