第116話:聖王パパ、学校へ行く。~校歌が黒歴史のメロディ~
「今日こそは、父親として立派な姿を見せるんだ」
リアムは覚悟を決めました。12人の子供たちが通う『超次元エリート・アカデミー』。そこは全宇宙から神童が集まる最高学府ですが、今日は保護者参観日。リアムはあえて光翼を隠し、最も「普通の保護者」に見えるスーツ姿(※ただし顔が良すぎて不審者並みに目立つ)で校門を潜りました。
「……マスター。警告。……校内のボルテージ、計測不能。……全生徒がパパの来校を察知。……精神統一、推奨」
セレスの助言を背に教室へ向かうと、廊下ですれ違う生徒たちが次々とその場に膝をつき、「パパ様……!」「拝顔の栄誉を……!」と道を空けます。
「みんな、立って! 僕はただの『パパ』として来ただけだから!」
ようやく子供たちの教室にたどり着き、後ろの席で静かに(存在感ゼロのつもりで)見守るリアム。しかし、授業開始のチャイムが鳴った瞬間、リアムの顔が引きつりました。
「さあ、皆さん。今日の音楽の授業は、全宇宙で大流行中の新・校歌を歌いましょう。……指揮は、リアム様(本人)にお願いしたいところですが、お忙しいのでCDで!」
流れてきたのは、前々回に晒されたリアムの「黒歴史ポエム」に壮大なオーケストラをつけたバラードでした。
『♪~銀河の涙がぁ~俺の頬をぉ~伝う時ぃぃ~(大合唱)』
「やめて! 全校生徒で歌わないで! しかもハモリが綺麗すぎて、余計に心に刺さるから!」
リアムが耳を塞いで悶絶する中、子供たちは「パパ、見て! 僕、ここの『孤独を纏いし』のパートのビブラート、練習したんだよ!」と満面の笑み。さらには、隣で授業を参観していた他の保護者(異次元の神々や魔王)たちまでが、「リアム様の遺志を次世代へ……!」と涙を流しながら唱和し始めました。
結局、授業は一分も進まず、最後は校長先生が「パパ様が来てくださった記念に、校舎を黄金に変えてください!」と土下座で懇願。リアムは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしながら、ヤケクソで指を鳴らし、アカデミー全体を黄金(と、ついでにポエムが刻まれた石碑)に変えて逃げ帰る羽目になるのでした。




