第115話:パパがいっぱい!? 12人の分身と「本物」の孤独
「もう無理だ……。黒歴史を朗読されながら、24人のわがままを聞いて、全宇宙の猫の王をやるなんて、僕の体がいくつあっても足りないよ!」
精神の限界を迎えたリアムは、ついに聖王の禁呪『セルフ・マルチプル・パパ』を発動! 眩い光とともに、性格や能力を12等分した「12人の分身リアム」が誕生しました。
「さあ、みんな! 1号は政務、2号はママたちの相手、3号は子供たちと遊ぶ……。役割分担して、僕を休ませてくれ!」
作戦は完璧……のはずでした。しかし、リアムから生まれた分身たちは、本物以上に「家族を愛しすぎる性格」を引き継いでしまったのです。
「本体! 君は疲れている! 僕たちが完璧に家族を幸せにするから、君はあっちの部屋で指をくわえて寝ていなよ!」
「そうだよ! ママたちの愛を受け止めるのは、僕たち12人で十分だ。本体は邪魔だから隅っこにいて!」
分身たちは超ハイスピードで仕事をこなし、12人のママたちを12人同時にエスコート。12人の子供たちとも同時に鬼ごっこを楽しみ、聖王宮はかつてないほどの「効率的な幸せ」に包まれました。
「……マスター。異常事態。……分身たち、有能すぎて本物の出番ゼロ。……パパ、空気。……存在理由、消滅」
セレスが冷静に告げる中、リアムは自分の部屋の片隅で、一人寂しく冷めたお茶をすすっていました。
「……あれ? 誰も僕のところに来ない。ママたちも分身に夢中だし、子供たちも分身パパと楽しそう……。……寂しい。すっごく寂しいよ!!」
数時間後、耐えきれなくなったリアムは「僕が本物だー!」とリビングに乱入。しかし、分身たちが「いいえ、僕の方がパパ力が高い!」「僕の方が料理が上手い!」と本物相手にマウントを取り始め、聖王宮は「13人のパパ」による、史上最大の自己主張バトルへと発展!
「みんな、僕を見てよ! 左右逆の靴下を履いてるのは僕だけだよ! 黒歴史ポエムを一番恥ずかしがれるのも僕なんだよ!」
結局、リアムが泣きながら自分のダメなところ(天然ボケ)を必死にアピールする姿を見て、ママたちが「やっぱり、この情けない本物が一番ですわね」と笑って分身を消去。リアムは再び24人に押し潰されるようなハグを受け、「やっぱり一人が一番だね……(物理的には一人じゃないけど)」と涙を流すのでした。




