第107話:猫の恩返し? 喋る猫大統領の「ありがたい」毛玉
「にゃ、にゃあ……(いつまでも寝てられないにゃ。仕事に戻るにゃ)」
お魚を完食し、ひと眠りして満足した猫リアム。しかし、彼がどれほどモフモフになろうとも、全宇宙の王としての責任感は消えていませんでした。彼は短い手足でパタパタと歩き、全宇宙に向けた定例演説の壇上に登りました。
カメラの前に現れたのは、小さなスーツ(の形をしたスタイ)を首に巻き、真剣な顔をした白猫。
「……コホン。えー、全宇宙の諸君。にゃあ(平和は大切だにゃ)。にゃんにゃ(争いを捨て、美味しいご飯を食べるにゃ)」
猫リアムが真面目に「宇宙の幸福指数」について演説を始めると、その声は魔法で翻訳され、全住人の脳内に「尊すぎるイケメンボイス」と「可愛い鳴き声」が二重奏で響き渡りました。
「パ、パパが猫の姿で政治を語っている……ッ! 内容が全く入ってこないほど可愛いぞ!」
「見て! 今、演説の途中で自分の尻尾を追いかけてグルグル回ったわ! あれは『経済の循環』を表現しているに違いないわね!」
住人たちが勝手に深読みして感動する中、猫リアムに最大のピンチが訪れます。喉の奥に違和感を覚えた彼は、演説のクライマックスで「オエッ……」と激しくむせ込み、壇上に小さな、キラキラと輝く「毛玉」を吐き出してしまいました。
一瞬、静まり返る全宇宙。しかし、その毛玉が地面に触れた瞬間、そこから虹色の花が咲き誇り、周囲の空気が「精神を浄化する聖なる香気」に包まれたのです。
「……マスター。毛玉、回収。……これ、ただの毛玉じゃない。パパの魔力が凝縮された『幸運の宝珠』。……一個で惑星のエネルギーを1000年賄える」
セレスの解説を聞いた住人たちは、狂喜乱舞!
「パパの毛玉が欲しいぃぃ!」「パパ、もっと吐いて! 全部受け止めるから!」と、支持率が驚異の10000%を突破。
結局、演説は「パパが毛玉を吐くたびにお祭り騒ぎ」というカオスな状態で幕を閉じました。リアムは猫の姿で「にゃあ(僕は真面目にやってるのに……)」と溜息をつき、疲れ果ててママたちの膝の上で丸くなるのでした。




