第104話:ダサくてもパパ! 逆走するファッションリーダー
「……決めた。僕は今日から、全宇宙で最も『イケてない男』になる」
昨夜のママたちの「愛の再教育」で身も心もボロボロになったリアムは、クローゼットの奥から適当にボロ布を引っ張り出し、髪をボサボサにかき乱しました。さらには魔法で「無精髭」を生成し、左右バラバラの靴下を装着。
「よし、これなら誰も僕を追いかけないはずだ。見てろよ、この『清潔感ゼロ』の姿を!」
意気揚々と聖王宮の廊下へ躍り出たリアム。しかし、彼が一歩踏み出すごとに、その「ダサさ」がリアムの神々しいオーラと化学反応を起こし始めました。
「……マスター。衝撃。……パパのその姿、『退廃的な美』の極致。……ボロ布が、ヴィンテージの最高級ブランドに見える。……無精髭が、野生のセクシーさを強調しすぎ」
セレスが鼻血を抑えながらカメラのシャッターを連写。
さらには、廊下で出くわしたエルナたちママ軍団が、リアムを見るなり「キャーーーッ!!」と、コンサート会場のような悲鳴を上げました。
「なんてこと……! リアム様、あえて自分を汚すことで、内面から溢れ出す聖なる輝きを強調なさるなんて……! これが今、天界で流行りの『グランジ・パパ・スタイル』ですのね!?」
「ワイルドだ! ワイルドすぎるぞリアム! その無精髭で私の頬をジョリジョリしてくれ!!」
リアムの狙いとは真逆に、ママたちは「新しいパパの扉が開いた」と大興奮。
この様子がまたもや全宇宙にライブ配信(犯人はセレス)されると、全次元のファッション業界に激震が走りました。
• 銀河のトレンド: 「左右バラバラの靴下」が「宇宙の調和」の象徴として大流行。
• 経済効果: リアムが着ていたボロ布と同じ素材を求めて、全宇宙のゴミ捨て場から布切れが消滅。
「違うんだ! 僕はただ、みんなに嫌われたかっただけで……!」
リアムが泣きながら逃げ惑うと、その涙が「ワイルドな男の孤独な涙」として解釈され、国民たちは「パパを一人にしちゃいけない!」と団結力を高める結果に。
結局、12人の子供たちまでが「パパとお揃いにする!」と言って、顔にマジックでヒゲを描いて家中を走り回り、聖王宮は「ダサカッコいいパパ」を崇める狂乱の宴に包まれるのでした。
「……もうダメだ。僕が何をしても、宇宙が勝手にポジティブ変換しちゃうんだ……」




