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夜が更けるまで

好き、という感情は、思い出せないくらい昔に置き去りにしてきた気がする。

子どもの頃は、ただ「好き」と言えた。

何も考えずに、誰かを、何かを、大切に思えた。

でもいつの間にか、自分の感情すら信じられなくなった。

嘘をついてるわけじゃない。

ただ、本当の気持ちがどこにあるのか、もうわからないだけだ。

それでも。もし、誰かと出会って、また「好き」と言えるようになったら――

夜が明ける前に、その想いを、心の奥に灯しておきたい。

———好き。

 いつからだろう。そんな純粋な気持ちを持てなくなったのは。


 小さい頃は自分の気持ちに素直になれた。好きな物を、好きな人を好きだと言うことができた。その想いを思い出すことはできないけど、当時の想いに嘘偽りは一切なかっただろう。今はもう気持ちの表現の仕方を忘れてしまった。一度自分の気持ちを別の何かで覆ってしまうと、本当の自分の出し方がわからなくなる。




 高校を卒業した僕は、そこそこ頭のいい大学の医学部に合格した。ただその理由は医者の道に進みたいなどと言った立派なものではなく、ただ科学者の父に医学部を目指せと言われただけの単純な理由だ。

 大学に入学したその日、声をかけてきた人がいた。

「はじめまして!君も医学部の人だよね?俺、戸田基意(とだもとい)。仲良くしてくれよな」

(・・・陽キャだ。僕は中学と高校を通しても友達と遊んだ記憶がない。ましてこんなウェイウェイ系の人と関わるなんて一生ないことだと思っていた。てか、なんでこんな金髪の馬鹿そうなやつが医学部に-------)

「君...なんかすごい失礼なこと考えてない?」

「そそそそんなことないよ」

完全に読まれていた。どうやらこの人には人の心を読む才能があるらしい。

「これからよろしくな。ちなみに名前。なんて言うの?」

照幅(てりはば) 直実(じつみ)と言います。戸田さん...であってますよね?よろしくお願いします」

「そんな堅苦しくなくていいよ直実。俺のことも基意って呼んでいいからさ」

悪い人ではないのかな。性格は違うがこの人とはいい友達になれそうだ。


 大学の講義が終わり、1人で帰ろうとしていた時、基意が話しかけてきた。

「おつかれー!早速だけどさ、友達記念ってことで今日カラオケ行かね?」

「いや遠慮しときます」

「即答かよ!まあいいや、じゃあせめて連絡先だけ交換しとこうぜ」

「まあそれくらいなら別にいいよ」

友達と連絡先を交換するなんて滅多にないことだから内心めちゃくちゃ喜んでいたのは内緒である。

 家に着いた時、基意からメッセージが届いた。どうやら一緒にゲームがしたいようだ。ちょうど最近、最新のゲーム機を買うことができた。せっかくの機会だから基意と遊ぶことにしよう。


「これ、おもしろいね」

 そう感じたのはもちろんだが、その想いを分かち合えることがまず嬉しかった。これが友達か。と考えてるうちに夜は更けていて、それに気がつく前に僕は寝てしまっていた。

はじめての投稿です!最初は恋愛要素どこ?て感じですが、次回くらいからその片鱗が見えてくると思います!ただ、この本はただの恋愛の本ではありません...シリアスな展開もあり、伏線も多く散りばめられています。この後の展開、飽きさせないことを約束しましょう!毎週日曜の17時くらいに投稿していきたいと思います。(多少前後する事はあると思うのでお許しを...)みなさまに最高のお話をお届けできるように精一杯頑張るので、またよければ観に来てください!!

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