表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/59

30 若き将軍と貧しい町娘のはなし

若者は、


20年以上前、ある小国の若き将軍として期待されていた。


大国に攻められ、その国は滅びた。


若き将軍は奴隷の身となり、この国の奴隷兵として売られた。


隣国との争いの絶えない砦兼町へ移された。


奴隷兵たちの世話をさせられている貧しい街の少女と出会った。


恋に落ちた。


20年前、隣国に攻められた。


砦を守る司令官たちは敵の罠に嵌まり、多くの者が命を落とした。


敵兵に街全体が囲まれていた。


少女を守りたかった。


武にも知にも優れ、奴隷兵の陰の指揮官となっていた。


少女と共に街への布石、奴隷兵の後押しを得て、敵に勝つ術のない司令官から指揮権を渡された。


すぐに敵の兵の数と配置、指揮官の性格を調べさせた。


兵士たちや街の人々に勝てる手立てを教え続け、兵と町の士気を上げた。


イチかバチかの勝負に出た。


敵の兵は十万以上、こちらは三万程度の弱兵まで減っていた。


敵の兵が弱い所に突撃を繰り返し、惨敗を続けた。


敵の司令官は毎回の快勝に喜び、相手の司令官の無能さを笑った。


兵たちも自らの評価を上げるため、敵を倒した数を水増しして報告した。


わざわざ敵が攻めてくるのだから、街を攻撃する必要はないと考えた。


敵の司令官は無傷で町を奪えると考え、敵兵が10分の1に減るまで待っていた。


その時間で、町を挙げて敵を倒すための多くの仕掛けを作っていた。


敵の総攻撃が始まった。町の兵は二万まで減っていた。


敵司令官からは見えない反対側の門だけを弱く作る。


弱兵を倒すことで報奨がもらえると聞き、我先にと雪崩れ込んできた。


二万ほど流れ込んだときに、頑丈な門を上から落とした。


敵を倒す仕掛けと、各門の兵、町の若者、戦争経験者を使い、その二万の兵を殲滅する。


敵の指揮官は怒り、相手は一万だ、必ず倒せと命じた。


また別の門を弱くし、我先にと敵兵がなだれ込んでくる。倒す。


敵指揮官が気づいたときには、軍は半分以下にまで減っていた。


住民たちも総動員し、砦の上に敵兵から奪った装備を身につけて並ばせた。


その数、十万。


敵司令官は援軍が来たと勘違いし、一目散に逃げた。


町を救った英雄として賞賛された。


栄誉が欲しかったわけではない。愛する人を守りたかっただけである。


当時の王から賞賛され、高い爵位を与えようと言われたが、断った。


あのような血に塗れる戦いは二度としたくなかった。


王としては、英雄とまで言われた男に称号を与えねばならず、男爵の称号を授けた。


それが、ティーナの父クラウスと母マルレーネが乗り越えた試練であったことを、子供たちは誰も知らない。


父クラウスは、兄エドワードが自分の若い頃に似ているとだけ感じていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ