ゲオヒントニア・メキシカーナについて
以前アズテキウムについて書きました。
その際に軽く言及したゲオヒントニア・メキシカーナ(表記揺れ・ジオヒントニア・メキシカーナ)について、魅力を語ろうと思います。
個人的な意見になりますが、しばしお付き合いください。
初見、私はこのサボテンをあまり魅力的には感じませんでした。
誰しもが初めに、思うはずです。「エキノプシスか?」と。
そう、ダイソーで売られていてもおかしくない、あのエキノプシス属です。大豪丸や短毛丸が有名ですね。
ですが実際は、アズテキウム属の分岐群であり、近縁ではありますが、一属一種のサボテンであることが示されています。
アズテキウムと同じ、メキシコ、ヌエボレオン州シエラマドレ・ラヨネス村周辺の石膏の丘で生息します。
円柱状に成長していきますが、実際に円柱となるには幾星霜の時を経なければならないでしょう。
そんな本種の魅力を古株にあります。
裏を返せば古株でなければ、魅力はあまり生じないということです。
青灰色の肌。
そしてコルク質へと変化したひび割れから覗く、鮮やかなオレンジ。
これは古株でなければ観察できない特徴です。若い株では木質化せず、オレンジのひびも観察できません。
個人的な意見ですが、サボテンは古株であればあるほど魅力を増していきます。
中でも成長が遅いサボテンは、その傾向が強く現れるでしょう。
小さな株が古いコルクを帯びておる様は、可愛らしさと荘厳さ、二つを同時に備えているように自分は感じます。特に下部を支える木質化が進行した部分は見ているだけで「ああ〜」となります。
本種は成長が非常に遅く、そのため若い株は安っぽいエキノプシスにそっくりになります。そのため百均サボテンと見間違える方も多いでしょう。
若株であればエキノプシスと重ねてしまうことでしょう。
とはいえ、18から20にもなる稜、の部分、つまり溝の多さと薄さ。マニアであればその点で違いを直感できる方が多いと思います。
ちなみに栽培は簡単です。
石膏にへばりつく生態のためか、根が弱く、水を吸わないので根腐れしにくいです。成長も遅いため、継ぎ木でもない限り、徒長の心配も要らないでしょう。
その分、灌水はたくさん行わなければなりません。これらはアズテキウム属に見られる特徴ですね。
しかし、ゲオヒントニアに限っては下部の木質化の傾向が強い点に気をつけましょう。
コルク質と化した下部が濡れ続けていると、そこから腐っていくので、メリハリを付けた水やりを心がけないといけません。
海外では綴化種も盛んに栽培されているようです。
一応日本でも存在するところには存在するようですが、市場に出回ることは非常に稀です。
また海外では接木される例があるようですが、日本ではあまり見かけません。
ちなみにゲオヒントニアという名前は、ジオグラフィックの「ジオ」(大地)と、発見者の「ヒントン」さんを合わせた言葉です。ちなみにアズテキウム・ヒントニーも同氏が名の由来です。
あと紅籠みたいな花を咲かせるようですが、自分はまだ購入してから日が浅いので、未だ観察できていません。
紅籠や花籠は頻繁に花を咲かせますが、ヒントニーとゲオヒントニアは花をあまり咲かせませんね。ヒントンさんの名前が付いていると花が咲かないイメージです。