以前書いたチレコドン・ハリーのような「謎」について
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以前にこちらの記事で書いたハリーについてです。謎の植物認定を与えました。
ヤフオクで購入した「謎」は、チレコドン・ハリー(Tylecodon hallii)という名前で売られていました。
以前より欲しかった植物で、根っこのない抜き苗状態でした。発根管理が必要だったので、失敗したときのため一応2株買いました。
またハリーは本来、非常に高価な品種です。
現在流通しているチレコドン種において、最も高級なものと言っていいと思います。
そんな株がコチラ。
左は11,000円。右は10000円で手に入りました。これ発根済みだと60,000円です。やっばい。
右の株の方が大きいのに、なんで安いのかって?
それはまぁ……根本の切り口がちょっとこう……
直角にねじれてるって感じというか……まぁ形がアレでしたね。発根もなかなかしない曲者ちゃんです。
さて購入した時は微塵も疑っていなかったワケですが、実際に手に取ってみると不思議に思えてきます。どうにも別物のような気がしてなりません。写真で比較してみましょう。
シワが寄っていて、ゴツゴツしていて、デコボコ。
しかもやたらと火に焚べたような焦げ茶色。
チレコドン・ハリーは表面がツルツルぴかぴかしているはずです。
色合いももっと白茶色というか、淡い色のはずです。このように。
表皮以外はハリーのそれと一致している……と思います。抜き苗状態なので、葉っぱもまだ見てないんですけどね。
とりあえず浅い盆栽鉢に植え付けました。前回の記事参照
画像右のハリーなんですけど、形状が歪すぎて、盆栽鉢じゃないとうまく植え付けられませんでした。
盆栽鉢は浅いので、発根したらすぐ別のやつに植え付けてあげようと思っていました。2024年12月31日。孤独な年末のことでした。
そしたら3月16日。
左の株が発根を確認しました。こちら画像です。
どこからか湧いた赤黒いダニ……?
それが根っこを吸汁しているみたいでした。これが原因なのか走りませんが、この根っこはこの後ちょっと萎れていきます。そして変な形の根っこになって落ち着きます。
葉っぱも出てないのに発根……?
そして発根して水も吸っているはずなのに、永遠に葉っぱが出てこない………
この辺りで謎の植物認定がなされます。
調べても調べても、同じような植物が見つからないのです。海外も漁ってみましたが全然見つかりでした。
ちなみにAIのGrokに質問しても、検討はずれの答えしか来なかったです。
なのでひとまず「チレコドン.sp」と認定します。
".sp"とは品種特定がなされていない未記載種のことです。チレコドンは結構な数のsp種があり、出回っているのも多いです。
自分的にはハリーの近縁種ではないかと思ってます。
さて過ぎることそれから9月。
モノホンのハリーを買いました。感じます。モノホン感。
表皮がツルツルしてて、先端が先細り、ひょっと淡い色合いで、形状がなんかこう……食器のフォークのような感じ。
そして9月に買ったハリーは発根したまま、葉は出さない。微動だにしない。
大きい株に至っては根っこも出ない。
ここらでわたしは、発根しないデカい方に見切りをつけました。
デカい株で形も歪。なのでココらで分断してやろう。4つに解体して、それぞれで発根管理してやろう。
切ってみます。赤い断面。えっ赤い断面!?!?
赤い汁が出てきます。なんで!?
以前に、先端を少し剪定したことがあります。そのとき、切った箇所は緑色でした。葉緑体あるんだなぁ〜と感心した覚えがあります。
なのに根元の方は赤い色素が染みています。意味不明!?
思えばチレコドン・ワリチーも断面、黒かったなぁ……。なんかグジュったところ切ったら黒かったです。
味見として、汁を舐めると甘かった。
ちなみにパキポとかも舐めたことあります。毒の味でした。キョウチクトウ科なので苦くてビリビリ。
とりあえずトップジンペースト(オレンジの塗り薬)で、切り口を補修しました。
トップジンは買ったはいいものの、あまり好みではありません。
そのニンジンのような毒々しいオレンジ色が、傷口を目立たせてしまいます。
無骨な塊根を飾るうえで、その傷跡を飾る派手なオレンジは、正直いって癇に障ります。
かといって後でトップジンを除去するにしても、傷跡にべっとり張り付いています。
剥がす時に傷跡も一緒にベリベリしちゃって、傷を広げてしまうのです。
色々と面倒なんですよね。観葉植物には向いていないお薬です。
しかし今回は別。傷跡が紅色です。塗っても目立ちませんでした。嬉ち!
モノホンのハリーも、赤い色素を持っているのでしょうか?
根本を切って確認するわけにもいきません。発根したら60,000円。ぶった斬るやつとかいるのか?
そんなワケでこれなんなんでしょうね?
そもそもチレコドンみたいな形ですが、ほんまにチレコドンなんかな?
葉っぱを永久に出さないのでそれすら謎。
でも威容と貫禄があるうえに、唯一無二の存在です。
sp種は種族同定がなされていないと言いますが、それすなわち流通が少なくオンリーワンということ。
見た目も無骨でかっこいい。焦げ茶色のゴツゴツとかロマンでしょ。結構硬くて武器に使えそう。
少なくとも自分はコイツらを可愛がっています。変化が根っこくらいしかないけど。
ん………?
切り口が……?
切り口が両方とも赤いぞ!!!
紅色だァァァァァァァ!!!
記事の締め、写真を載せようと確認していた時に気づきました。
あ〜やっぱコレ、ハリーなんだ……。デコボコしわくちゃ焦げ褐色のハリーなんだ……
過酷な環境でいじめられてきたんだねェ……葉っぱも出さないので引っ込み思案になるのも当然ですな。
そんな一部始終を久しぶりに書き連ねました。おわり。




