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フィロボルスの種類とか見分け方について(自己流)

 フィロボルス最大の問題点として「資料の少なさ」「激似」という2点があります。

 少なくとも国内において、めぼしいフィロボルスの種類判別等を記したサイト、文献を私は見たことがありません。というか海外のネットサイトでもなかなか見つかりません。


 フィロボルスには幾つか種類がございます。

 フィロボルス・アマビリス

 フィロボルス・レスルゲンス

 フィロボルス・テヌイフロルス

 フィロボルス・ワテルメイエリ

 フィロボルス・スプレンデンス

 ……などです。僕が保有しているのはこの5種のみです。


 しかしながらどれも激似、どれもこれも激似の激似です。

 特にヤバいのがアマビリスとレスルゲンス。

 業者ですら間違えてアマビリスを「レスルゲンスだよー!」と売っていて、もう市場は大混乱。

 僕たちはどうしたら良いんだろう……


 そんなわけで、今回は画像と一緒にフィロボルスを判別していこうッ!のコーナーとなっております。

 ところでフィロボルスの種類はどうやって決めているんだろう……はいドン!


 花の細かい形状

 ブラッダー細胞の形状

 果実の形状

 種子の形状

 などなど……………………

 ブラッダー細胞ってなんだと思った方も多いでしょう。

 ここは一度、ブラッダー細胞について解説しようと思います。専門的に言えば塩嚢細胞です。

 アマビリスやレスルゲンスの葉の表面には、プチプチシートみたいな粒々がビッシリ張り巡らされています。俗にいうアイスプラントのような特徴ですね。


 南アフリカの塩などのミネラル豊富な土地に生息するフィロボルス。

 そこでフィロボルスは考えた。葉の表面にプチプチシートを作って、プチプチの穴に要らない塩とかのミネラルとかぶち込んでまえ、と。

 すると表面がキラキラするプチプチシートの完成。キラキラ=反射なので、南アフリカの日光をある程度は軽減している節もあります。


 結果、キラキラするつぶつぶの葉っぱが出来ました。

 これがブラッダー細胞の効果です。


 閑話休題。


 フィロボルスの分類は非常に難しく、我ら素人では太刀打ち不可能です。

 なのでせめて情報を残すだけでも、といった次第です。

 では初めにテヌイフロルスと、ワテルメイエリを画像で比較してみましょう。


 じゃあ早速テヌイフロルスから

挿絵(By みてみん)

 南アフリカ、クナースフラクテからバンラインスドルプに生息。

 ツヤッツヤの肉厚葉っぱが一本一本生えます。ツヤツヤの表面には一見、粒々は見られません。ですがほんの薄っすらだけブラッダー細胞が確認できます(アマビリスやレスルゲンスの粒々とは比になりませんが)。

 観察した限りでは、塊根部が綺麗な丸みを帯びているものが多いです。逆にウネウネした塊根になっているものはあまり見たことがありません。


テヌイフロルスの花

挿絵(By みてみん)

 花の色ですが、自然環境下でも黄色になったりピンクになったりとイマイチパターンが決まっていないようです。

これらの特徴を見るとテヌイフロルスこそフィロボルスの代表種として扱われるのもなんとなくわかります。ちなみにウチの子の花は、中心部が鮮やかな黄色。外側は真っ白でした。


 次にワテルメイエリ

挿絵(By みてみん)

 先に述べておくと先任者がほとんど見当たらなかったので、自分の観察記録で記していきます。

 一応はケーレスカクトゥーン、英語だとKoehres-Kakteen(サボテン種子業者)が取り扱っているみたいです(現在は知らん)


 南アフリカのどっかに生息(調べてもわからなかった)。

 こちらは正確にはフィロボルス aff ワテルメイエリという名前です。affというのは、affinisの略で近似種の可能性が高いということを表します。この場合つまり「フィロボルス種のワテルメイエリにめちゃくちゃ似てるけど、明らかに形質が異なる点があるので未記載種の可能性アリ」ということです。……たぶん。

挿絵(By みてみん)

 特徴はピンクの花。

 そして枝分かれして伸びていくニョキニョキスタイル。画像なんて自重を支え切れなくなってます。ニョキニョキするため、葉の長さはワテルメイエリの方が上です。

 葉にツヤはなく粒々のブラッダー細胞も控えめ。

 2つとも実にそっくりですが、葉のツヤ、塊根部は微妙に異なりますね。


 ここまでは簡単に見分けられます。たぶん。

 特に葉っぱのツヤ具合はテヌイフロルスは素晴らしい。すべすべツヤッツヤです、だからわかりやすい。それでもまぁまぁ似てるので、正直見分ける自信はないです。


 では休憩を挟みましょう。

 フィロボルス・スプレンデンスです。

挿絵(By みてみん)

 見分けるの超簡単です。これは剪定した直後です。たまに剪定しないと伸びた後が永遠に残ってだらしなく垂れるので注意。性質も強健で、うちの他のフィロボルスが葉落ちする中、こいつだけピンピンしていました。でもブラッダー細胞もほとんど無いので、育ててて楽しくないなって。フィロボルスのような何かって感じ。


 では次に見分けがつかないものへ。

 アマビリスとレスルゲンスです。どうぞ。


 アマビリス

挿絵(By みてみん)

アマビリスの花

挿絵(By みてみん)

 南アフリカ内陸部に自生する多年草

 葉っぱが大暴走している点についてはご容赦を。

 テヌイフロルスなどと比べて細く、長い、ビニールホースのような葉っぱをたくさん出します。中でも面白いのはブラッダー細胞の強さ。めちゃくちゃ粒々です。触るだけでエレベーターの点字に触れている気分になります。


 若干赤みを帯びている部分もあり、白い菊?白いタンポポ?のような花を開花します。我が家のテヌイフロルスも白い花を咲かせるのですが、中心部の黄色の色合いが違います。テヌイフロルスは鮮やかな黄色でしたが、アマビリスは薄っすらと緑がかった黄色になっています。


 水切れすると葉っぱがてろんと垂れ下がって可愛いです。生育期はすぐに水切れするので、素焼き鉢で育てているウチでは、3日に一回ほどのペースで水やりしてあげています。アマビリスは葉っぱが細いので、水切れするや否や、すぐに葉がへたりと垂れます。なので水やりの程度が分かりやすいです。ちゃんと自分で自己申告してくれる子なので育てやすいですね。


レスルゲンス

挿絵(By みてみん)

(※もしかしたらアマビリスかもしれないです)

情報については基本同上です。南アフリカ、ナマクアランドからセレス、ライングスバーグまで、冬の降雨地域に広く分布するノーザンケープ州または西ケープ州に生息。


根本が赤みを帯びやすいかなぁ、といった感覚のようなものがあります。

あと四方八方に塊根を伸ばすので、これは塊根というより、グネグネの木の根って感じがあります(上手く表現できない)。

アマビリスと花の色同じ。粒々のブラッダー細胞も同じ。赤みを帯びている点も同じ。業者が混同して売っているので、画像で比較しようとしても「両方ともアマビリスでした!」なんてこともあるので、事実上判別不可能なんじゃないかと思っています。


一応調べたところ(英語圏のデータ少なすぎ……Twitterでフィロボルスで英語検索しても日本人しかいなかった)

彼らは緑がかった黄色から淡いサーモン色の、良い香りのする花を咲かせるみたいです。


以上です。書籍を見てもよくわかりませんでした。情報がねぇ!

ちなみにですが自分的には、初めて買うならアマビリスがおすすめです。

比較的2000円程度の安価で、粒々プチプチがかなり強く、秋になるとモサっと葉を出してくれます。

フィロボルスの良さをこれでもかと詰め込んだ魅力的な種類だと思います。



2024年11月4日・追記

フィロボルス・ラビエイ

挿絵(By みてみん)


このたび購入しました。

ラビエイの特徴はなんといっても、このクネクネした枝ぶりでしょう。

塊根部はあまり発達しない傾向にあるように見えます。なんというか塊根部より、枝の方に栄養が向かっている節があります。多少年月を経たり、剪定を繰り返したりしたなら、塊根部は発達するのでしょうか?

このクネクネ枝がないものは、ラビエイなのか怪しいところですので、購入する際は注意しましょう。


花の色は白色で、菊みたいな花。

フィロボルスにありがちなものですね。

とはいえ実際に目の当たりにしたわけではないので、これから直に観察して判断したいところです。

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