クリスマス会
青いドレスを着たソフィアは、中庭に飾られた大きなクリスマスツリーを見上げていた。他の生徒たちは、アランとシャーロット様のようにペアを組んでどんどん食堂に行っていた。「うおっ⁉︎照」と声がして隣を見るとスーツを着ていつもより大人ッポク見えるルーカスがいた。
ルーカス「綺麗…」
ソフィア「ルーカスくん」
ルーカス「一緒に行きませんか?」
顔を紅潮させながらルーカスはソフィアに右手を差し出し、ソフィアは「はい」とルーカスの手を受け取り、ソフィアとルーカスは腕を組んで食堂の中へ入って行った。そんな2人の姿をドヤ顔でアリスが見ていた。
オリビア「やるじゃん!」
アリス「…オリビア。」
オリビア「あれお気に入りでしょう!」
アリス「さぁ」
オリビア「ふふふ
一緒に行く~?笑」
アリス「遠慮しとく。」
面白半分にオリビアがアリスに手を差し出すが、アリスは手を振って先に歩き出したので、オリビアは「もーう笑」と言いながらアリスの側に行って並んで歩いて食堂の中に入った。
ソフィアがドリンクを持って端の方に立っていると中に入ってドリンクを受け取った黒いドレスを着たビクトリアが隣にやって来た。
ビクトリア「ソフィー」
ソフィア「お~!大人ッポイ!」
ビクトリア「ありがとう
ソフィーも似合っているよ」
ソフィア「ありがとう
なんか高そうなんだけどね汗」
ビクトリア「私もシャーロット様がいろいろ選んでくれたよ」
ソフィア「なんか人形の気分だった笑」
ビクトリア「そうだね笑」
少しだけ話していたソフィアとビクトリアだったが、すぐにソフィアは「ソフィア派」に囲まれて長椅子に方に行ってしまい、ビクトリアもレアにつかまってしまった。
会が始まり、豪華な料理が運ばれ、今年の「生徒会」の「いただきます」の言葉でみんな食べ始めた。ソフィアとビクトリアはその豪華さとあまりの美味しさに遠くにいながら目配せをしてしまった。そんな2人は口々にドレス姿を褒められてしまった。
アリス「良かったな」
ソフィア「あっ汗ありがとう!」
アリス「それあげる」
ソフィア「えっ⁉︎汗でっ、でも汗」
ソフィアが反論を言う間もなくアリスは先生に話しかけに行ってしまった。
オリビア「もらいな~」
ソフィア「でもー汗」
オリビア「ソフィーちゃんすっごく似合っているよ」
オリビアが笑顔でそう言うのでソフィアはもう何も言えなかった。
カイ「ソフィー先輩!プレゼントです」
ソフィア「ありがとう汗」
クリスマス会では生徒同士や生徒が先生に、または先生がお気に入りの生徒にプレゼントを渡す。ソフィアとビクトリアはたくさん貰ったが最初は帰るつもりだったのでお返しを用意できていなかった。
リズ「いつも、たくさん良くして頂いているので!」
パウラ伯爵令嬢「いつも助けてくれるから」
そんな2人にみなそう言って、プレゼントをくれたので、ソフィアは目に涙を溜めて笑顔でお礼を言った。会の終盤に、5年生の「幹部会」から来年の幹部の紹介があり、「生徒会」にはみな驚いたが、ソフィアがいる「図書委員会」には入りたい者が殺到してしまった。
夜も深くなった頃。ソフィアは、ルーカスから貰ったセーターを着てアリスとオリビアと談話室にある「暖炉の間」でストーブ側のソファーに座っていた。
オリビア「楽しかった?」
ソフィア「うん!」
オリビア「ふふふ」
ソフィア「…あの、アリスさ」
アリス「返すなよ!」
ソフィア「でっ汗」
アリス「もうソフィアの物だから!」
オリビア「アリスちゃん頑固だから、もう譲ってくれないよ笑」
ソフィア「…アリス」
アリス「だーかーらー」
ソフィア「ありがとう」
アリス「おっ、おう!照」
オリビア「ふふふ」
アリス「…明日、早いのか?」
ソフィア「雪次第だけど、少しぐらい夜更かししても平気そうなぐらい降っているね」
アリス「まだ降っているもんなぁ」
オリビア「冬休みも宿題かー…」
ソフィア「がんばれ笑」
お菓子をつまみながらソフィアは、アリスとオリビアと少し夜更かしをして過ごした。談話室では、ルーカスとアランを中心に何やらゲームをして盛り上がっている声がする。




