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光の誘惑  作者: 鼻歌大好き身長、小さいな
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ウォールポール家の真実

  その日もアランは、お風呂に入った後も眠れず談話室の机に突っ伏していた。アランがため息を吐くとお風呂の後なのか髪を乾かしながら魔術書を読みながら歩いているソフィアが談話室に来た。

  アラン「ソフィアちゃん…」

ソフィア「アランくん⁉︎汗」

いつもの如く本に夢中になっていたソフィアはアランがジメーとしょげている事に驚いたようだった。

アラン「家がブライ家にした事は本当なのかな?」

ソフィア「歴史で学んだ事と貴族の皆さんが言っている事がそうなんじゃないかな。」

アラン「…真実を知りたい。」

ソフィア「…「真実」ねぇ。」

するとソフィアが持っていた魔術書が光り始めた。

アラン「その本は?」

ソフィア「…過去に行けるよ。ただ、行けるってだけで干渉も過去を変える事もできな」

アラン「その魔術書を使って!」

ソフィア「アランくん汗」

アラン「どうしても真実を知りたいから!」

ソフィア「その真実はアランくんの悩みを救わないかもしれない。」

アラン「覚悟は出来ているから!」

ソフィア「…分かった。」

ソフィアは、早く仕事したくてソフィアの手の中で暴れていた魔術書を開け、ソフィアとアランは過去に飛び、アランが所望したブライ家の没落した時代に行く事ができた。

  2人は、見窄らしい家の中に入ったので当時のウォルポール家だった事が容易に理解できた。2人の前に現れた一八〇cmほどの男性を見て2人は驚いた。

  ソフィア「うわぁ…」

アラン「イケメンだ…」

ソフィア「美形で大人だけどアランくんにそっくりだね」

彼は、アランに瓜二つで金髪碧眼のイケメンでアランとの違いとしては髪がサラサラに長く大人という事だけだった。

彼は、まだ貧乏なウォルポール子爵だったが顔が一際、華やかでイケメンだったため貧乏な子爵ながら「社交界の華」になっていた。人々は、彼のことを「ウォルポールの奇跡」と呼んだ。優秀な彼は周りからチヤホヤされているうちに野心を持ち始めた。

ウォルポール「準備はできたか?」

家臣「ハッ!」

なにやら家臣たちも武装をし、彼も甲冑を着ていた。ソフィアとアランは嫌な気がしてきた。ウォルポール家は武装し、ブライ家に進んだ。そうして、乱暴にブライ家の門を壊すと次々とブライ家の使用人を襲い、彼はブライ家の人間を次々と殺していった。

  ソフィア「アランくん!汗」

アラン「このまま見続けるよ!」

ソフィアは本を閉じようとしたがアランは真実から目を逸らさない事にしていた。彼は、ブライ家で虐殺を行い、仕上げにブライ家の屋敷に火を放ち燃やしてしまった。

彼は、さらに王に、「ブライ侯爵からパワハラを受けていたので…」と顔に物を言わせ、王や周りを信じ込ませてしまった。その後も彼は、いろんな貴族の嘘の噂を流し、多くの貴族や大貴族たちを没落させていき、彼は一代で「公爵」になってしまった。その後、クレア公爵が台頭して来る百五十年前までウォルポール家は唯一の大貴族として王家と貴族社会を牛耳っていた。

ソフィアとアランは、疲れ切ってしまった。そんな2人の前を茶髪の男の子が横切った。2人が男の子を見ると男の子は、ブライ家で逃げ惑っていたブライ家の人間の1人だった。男の子は、辺境にいる親族のもとで育ち、その後ブライ家を守りぬき、後にクレア公爵家によって百年前にやっと「侯爵」に戻る礎を作るのだった。

  男の子が元気に親族の邸宅にある庭で走り回っている姿を見てから、ソフィアとアランは現代のラックス魔法学院にある談話室に戻って来た。

  ソフィア「アランくん…」

アラン「無知は恐ろしいね。」

ソフィア「アランくん?」

アラン「僕は…歴史とかちゃんといろんな事を知っていって…ブライ家の事も。…それで、反省と謝罪の心を持って、自分から融和を始めていきたい。」

ソフィア「そうだね。」


  次の日の朝。アランが食堂に向かっていると前にオリビアを見つけた。

  アラン「オリビア」

オリビア「アランくん?」

アラン「これからも僕は家の恥を背負って生きて行くからね!」

オリビアも自分の家がウォルポール家に存続の危機に落としいられた事を知っているのかそっと微笑んで「うん」と言ってくれた。

  アランは、ソフィアの忠告通り、悩みがさっぱり解決する事は無かったが、しっかり歴史を受け止めて生きて行くことにした。そうして、また大人になり、春休みにウォルポール邸宅に戻って来た時にはウォルポール公爵は息子の成長に驚きながら喜びつつ、息子に大量の婚約申し込みの手紙を見せたのだった。

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