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光の誘惑  作者: 鼻歌大好き身長、小さいな
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心配

  昔の話。ソフィアは、身体が弱く毎年のように冬になると風邪やインフルに罹って高熱を出して寝込んでいるのは当たり前で季節の変わり目には熱が出てしまっていた。学院に入った最初の年も風邪で2、3日休んでしまったので、その時ばかりはアリス様が授業で進んだ分のノートを乱暴にソフィアの前に落として見せたが、それを最後にソフィアの身体は丈夫になった。


  だと言うのに、風の精霊に操られて倒れてから数日後、久しぶりに高熱が出てしまいソフィアは保健室のベッドに寝かせられた。あまりの高熱に保健室の先生はソフィアを寝かせてあげるだけが良いと判断し、オリビア・アラン・ルーカスをはじめとする同級生の友達や先輩や後輩のお見舞いを取り合わなかった。しかし、幼なじみのビクトリアだけはソフィアの利き手を両手で包んでソフィアの側から離れようとしなかった。

  保健室の先生「ほら、授業でしょう?」

ビクトリア「まだいられます!」

保健室の先生「はぁー。」

そのままビクトリアはそのままビクトリアは保健室にいたのでその日最初の授業に珍しく十分以上、遅刻したので同級生たちも先生も驚いた。

そして、その日はずっとビクトリアは上の空だった。

  先生「スミスさんこの意味は?」

ビクトリア「………」

先生「スミスさん?」

ビクトリア「…すりりんご。」

先生「はぁ。…では、ブライ侯爵令嬢」

オリビア「えっ⁉︎汗はい!えっと」

授業もこんな調子で、いつも集中して聞いてスラスラと答えられるのに今日はダメで訳の分からないことを言って同級生たちをざわつかせてしまった。剣を使った訓練でもいつもは余裕で勝てるのでビクトリアが手加減をしているようなシャーロット様からの攻撃で剣を普通に落とされてしまって身が入っていないので先生から訓練の場から追い出されてしまった。

昼ご飯には、自分のご飯をソフィアに持って行こうとしてアリス様から、「高熱を出して食える状態じゃない奴に食べさせる物じゃない!」と言われて止められてしまいシュンとしてしまいオリビアが慰めるのに苦労した。

  ようやく本日分の授業が終わって保健室に向かったビクトリアだったが保健室の先生に止められドアから中に入ることができず仕方なく保健室のドアを背に本を読んでいたが、もちろん本の内容なんて頭に入って来なかった。そんなビクトリアを見かねてシャーロット様がビクトリアの手を引いて一緒にお風呂に行ったが、シャワーを浴びている時にボーとソフィアのことを考えてしまったのでソフィアと仲良い先輩に、「水の無駄遣い!」と怒られてしまった。


  夜に、ルーカスから、「今なら先生いないよ」と教えてもらい、ビクトリアは保健室にそっと入り、ようやくソフィアと会えた。ビクトリアがソフィアの額に手を当てると熱は少し下がっているようでソフィアも規則正しい息遣いで寝ていた。

  ビクトリア「良かった」

ビクトリアがそう言うと1日中、寝ていたソフィアがようやく目を覚ました。

ソフィア「トリちゃん?」

ビクトリア「早く元気になってくれないと私は何も出来ないダメな奴になっちゃうよー」

ソフィア「えー笑」

少し笑ったソフィアが可愛くてビクトリアがソフィアの頭を撫でるとソフィアは嬉しそうにしたが、まだ熱で苦しいのかまた眠りについてしまった。でも、少し元気になったソフィアにビクトリアは安心することが出来た。そのまま保健室にいてソフィアの様子を見ていたかったが保健室の先生が戻って来て保健室を追い出されてしまった。


  翌日には、すっかり熱が下がったソフィアだったが念のため自分の部屋で療養することになった。授業に行く前に会えたオリビアは大騒ぎでソフィアを強く抱きしめてからソフィアを抱き上げてベッドに寝させてくれた。その日は、ベッドの上でソフィアは本を読んで過ごした。

  放課後に、すごい音を出しながらドアを勢いよく開けたビクトリアの息を荒く本日最後の授業の場所から走って来たようだった。

  ソフィア「トリちゃん笑」

ビクトリア「良かったー」

ソフィア「もう元気だよ笑

     ねぇ、暇だから木刀で遊ぼうよ~♪」

ビクトリア「明日の朝なら良いよ」

オリビア「ソフィアちゃ~ん」

アリス「お前、昼ご飯はちゃんと食べたか?」

1日、暇だったソフィアだったが放課後になり、ソフィアの周りは騒がしくなった。そのまま久しぶりにビクトリアとオリビアと一緒にお風呂に入り、夕飯を食べに食堂に入るとみんな喜んでソフィアを出迎えてくれた。


  翌日。朝からソフィアは元気にビクトリアを木刀で打ち負かし、すっかり元気になり、授業や実習に復帰できた。

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