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光の誘惑  作者: 鼻歌大好き身長、小さいな
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探検

 入学式の翌日は日曜日で休みだったのでソフィアとビクトリアは二手に分かれて「ラックス魔法学院」を探検することにした。待ち合わせ場所は、寮のお風呂にした。

 ソフィアは、まず大食堂に向かったがその道中も渡り廊下や広場では先輩たちが箒に乗って空を飛んでいた。飛翔魔法を使える者は箒などに乗らなくとも自由自在に飛べるが魔法使いでも多くは飛べず箒に乗っている。

ソフィアが大食堂を見ると昨日の新入生歓迎とは違い人はまばらだったし、朝昼は休日ということもあり時間に縛られず人が行き来していたがまた夜ご飯はすごい人だろう。ついでに今晩のメニューを確認すると昨日のステーキとは違い肉の煮込みスープだった。

 食堂の近くにある小屋のような部屋では箒の貸し出しがされている。そこで係をしている先輩に中の案内と箒の貸し出しのルールなどを説明されてから名簿に名前を書いて箒を借りて外に出た。先輩は、優しかったが恐らくソフィアが[普通]出身でしかも魔法を使えない事を知らない。それを知っているのは姉とノアと1年生と先生達ぐらいだからだ。とは言え、魔法を使えないので飛べるか不安だったが難なく飛べてしまい自由自在に扱うことが出来た。と言う事で、入学式に思った事を実行してみた。入学式の会場となった[ラックス魔法学院]の隣にある大きな教会の屋根まで箒で飛んで屋根の上で寝転がってみた。地元よりももっと空が近くて気持ち良く寝られてしまいそうだった。

目を瞑って気持ち良くなってしまっていると急に寒い空気になって吹雪が私を直撃したので慌てて身体を起こして下を見るとアリス様がいた。

 アリス「先生に言いつけるぞ。」

ソフィア「すみません汗」

ソフィアは急いで箒に跨って下に降りてアリス様の前に立った。

ソフィア「クレア公爵令嬢様は、どうしてこちらに?」

アリス「…図書室に行きたくて。」

ソフィア「あっ!私もです!

一緒に行きませんか?」

アリス「あっ⁉︎」

誰が[普通]なんかと言う感じだったのでソフィアが「すみません!」と謝ったらアリス様は図書室に向かって行ってしまった。

ソフィア「あっ!ありがとうございました!」

ソフィアは、そう言って箒を返しに行く。アリス様は驚いてソフィアの方を振り返って見ていたけど、入学試験の事があるとは言えソフィアにはアリス様が本当に悪い人には見えなかった。今も先生には言わず誰かに見つかる前にソフィアを起こしてくれたのだから感謝の言葉を言ったまでだった。

 箒を返してからソフィアは、アリス様とは一緒にならないろうにゆっくりと図書室に向かった。

 ナンシー「ソフィア」

ソフィア「あっ、お姉ちゃん。」

そう言えば、昨日は入学式のドタバタで姉のナンシーとノアと会ってゆっくりお喋りしなかった。…でも、別にソフィアはそんな時間が欲しい訳じゃない。せっかくソフィアを見かけて声をかけてくれたのだけどソフィアは…

ナンシー「何しているの?」

ソフィア「探検!

じゃあね~」

ノア「あっ!ソフィーちゃん?」

ソフィアは、そそくさと2人のもとから離れた。魔法の勉強を出来るのは願ってもない嬉しい事だが魔法も使える優秀な2人といると劣等感が強くなってもっと自分が嫌になるし、何故か大好きな2人を嫌いになりそうだからあまり魔法学院では2人とは関わりたくも会いたくもなかった。

 ソフィアが図書室に入るとちょうどアリス様が反対のドアから別の場所に行く所だった。アリス様がソフィアに気付いたかは分からないがとりあえず目が合うこともなかったのでソフィアはホッとした。図書室は、デカく地元近くにある街にある大きな図書館なんかよりも大きくたくさんの本が並んでいた。ソフィアは、はしゃいでしまい3時間はそこにいた気がする。3時間もいて種類別に並んでいる本の確認と1週間分の本を借りようと思ったがまだ探検したい気持ちもあり探検の時に大量の本を持つのは無理なので考え抜いて厳選した3冊を借りた。あまりにソフィアがウキウキしていたからか図書室に司書さんに微笑まれてしまった。


 教室は、学年によって異なる訳ではなく授業によって使ったり使われなかったりなのでテストをする教室は学年ごとにあるのでそれと合わせて9つあり、入学試験をした体育館よりは小さいがそれでも大きくぎゅうぎゅうには絶対にならなそうだった。そのうちの1つには6年生が数人いて卒論のゼミをしているようだった。6年生たちはソフィアに気づいて手を振ってくれたのでソフィアはペコリとお辞儀をしといた。

後は、移動教室も各教室を見たが休日と言う事もあり教授がいなかったり、教授が自分の研究に没頭していたので部屋に入れる雰囲気ではなかった。教室も移動教室も席が決まっている訳ではないので授業の日に自由に座れるらしい。

 

 そうして図書室で時間を使ってしまい地下にも部屋があるようだが行きそびれ、まぁ物置きらしいので別に肩を落とすこともなく急いで寮のお風呂に行った。他にも体育館・中庭・競技場を見なかったけど、体育館と中庭は入学試験で行ったし、競技場はトーナメント中でないと入ることも行くことも出来ない1年生は全員、今年度のトーナメント中に初めて行くことになる。

 ビクトリア「ソフィー」

ビクトリアの手に風呂道具があると言うことは1度、この場所に来た時にはソフィアがいなかったと言うことになるので待たせてしまったようだ。

ソフィア「ごめんね」

ビクトリア「大丈夫だよ」

ビクトリアが優しくソフィア頭を撫でてくれたのでこれ以上は申し訳なさそうな顔をする事をやめることにした。

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