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少女黙示録  作者: 狩川藍
01『優しいだけの非情な少女の日常は崩れる。残念なことに』
9/43

『放何故崩無の日常は終わる』

009

私は今名鉄名古屋駅(名鉄名駅と表記するのは少し可笑しいので今回は略さない)のホームにいる。

場面切り替えをしたが、あれから5分くらい列車に揺られただけである。直ぐ列車が来るから都会の列車は優しい。私みたいな目の前で逃すような不幸者に。

まぁいいだろう。

改札を出て、地下鉄桜通り線か、東山線のホームに向かう。

名城線に乗り換えらのだからいいよね。

階段をひとまず歩いて駅のコンコースへと出た。

こんな朝早いのに駅に結構な人がいる。

皆んな多忙だねえ。感心する。表面的に。

あー。喉乾いたな。時間あるしお茶でも買おうか。

と思ったらキオスクに向かう。(キヨスクだっけ?)まぁ思った直後に行動したのだ。

向かう途中、私は気がついてしまった。

本当偶然にも。

一目見ただけでは少しボケているのかと思ったけれど、(ボケてこんな早くに来ているのだ)確率論的にあり得ない訳では無い。

あり得ない事体だとは思うけど。と言うか私にしては可笑しく思う。だってこんなに不幸な少女だよ?

見間違いでは無かったなら、多分あれは「言言言言乃波」だっただろう。

だとしたら幸運かもしれ無い。昨日考えた「何故言言言と通学途中で会わ無いのか。」と言うのがそもそも時間条件が違っていたことが分かったのだから。7時、8時のいつも私が通学している時間に通学していなかったのだろう。(にしても5時はいくはなんでも早過ぎやし無いか。)伏線だったのか?昨日言言言と偶然にも話す機会があったのは。いや、だとしたら都合がいいくらいトントン拍子で進みすぎだ。どっかで全てが崩れるやもしれ無い。

でもやっぱりなぁ。不幸な少女が今日は特別早起きして言言言がこの時間に来て偶然私に発見される確率。

うーん。天文学的なものになる。

他人にとっちゃあしょうもないだろうが私にとっちゃあ事件でしかない。

人生の運をここで使い果たしたかもしれ無い。こんなあってもなくても本人に聞けば済むことなのに。それはそれで不幸でしかない。それだけは嫌だし、避けなければならない事項だ。避けることはでき無いが。起こってしまったことなのだから。

取り敢えず、追いかけるか?

でもなぁ。私であればいや、私でなくとも恐らくは見間違いだったがこの話に置いて一番よくあるオチなんだろう。

声をかけなくとも顔ぐらいは見て確認しようかな。声をかけ無いのは他人だったら嫌じゃないか。

そうしてしまって恥をかいたことぐらいあるからね。6回程。うん。自分でも多いと思う。

だから同じ過ちを繰り返さ無いためにもストッパーを掛けておく。前とは意識しているかの差で防げる。

顔が言言言御本人だと判断したなら話しかける。

これからの人生で数ある幸運だと思って。(悲しい)

第一、暇だし。(これが一番重要かもしれ無い)

さて、早歩き程度に走るか。

名古屋駅のような大規模な駅で走るとなると躊躇いがあるのだが、走らないと追いつか無いし、多分見失う。

良く見つけたなぁ。私。凄いと思ったよ。

と、自画自賛しておく。

全速力で本当は走りたいのだが、そんなことしたならぶつかるのは目に見える。なので競歩よりも若干早めの速度と言ったらわかりやすいかな。まぁそれくらいの速さで追いかける。これでもぶつかりそうな感じがしてヒヤヒヤはする。

徐々にそんな怖さ?かな。が増してきて最終的には人間が歩行する平均的な速度に下がった。

それに比例するかのように言言言言乃波を見失っていまった。 

そうきたか。

追いついて違う人かぁとなってこの行動が徒労に終わるのかと言う不幸だろうと予測はしていたのだが、永久に答えが分からない(本人に聞けばいいことだが)と言うモヤモヤ感を残す結果か。

どっちみち不幸でしかない。

幸運でちょとした幸福に(私にして見れば奇跡レベルだと言わざるを得無い。前例と言うかそれ以前の人生が酷すぎたのだろう。)期待したのに。

なんだか無駄に疲れた。徒労ということは当たっていたな。

言言言を追いかけるのに(なんか違う様な気もしてきたのだけれど)夢中になっていたら名古屋駅の太閤口に出てしまっていた。

太閤口と言うのは中村区役所方面の出口である。

分かりやすく言うとビックカメラが見えるのとJRタワーの裏側?だ。

分かりやすくとか言ったけど、地元名古屋民しか分からない。分からなかったならGoogleマップで確認してくれ。

名古屋民なら太閤口と言っただけでわかると思うが、その反対の桜通り口は名古屋駅正面玄関であり、有名だろう。

名古屋駅といったらこの風景見たいなJRタワーの正面も、百貨店高島屋の入り口もある。

その正面の道をずーと行けば栄とか矢場町とかの名古屋の中心部がある。行かないが。

でもその太閤口に魅力もある。噴水がある。ゆりの噴水って名前の。

なんとなくでそこの淵に私は腰を落とす。

はあ。骨折り損のくたびれ儲け、だった。

骨折っただけでいい。(嘘です。比喩です)儲け分など要らない。余計です。

追いかけなければよかったと思うのだが、暇で時間も持て余していたのだが無問題(モーマンタイ)

こういう不幸は寛容だ。

何回あったと思う?ああ悲しくなる。

よし、気分を変えよう。

そう思って何か心当たることがあった訳でもなく学生用鞄を漁る。適当に漁ると何かが手に当たる。四角い。教科書では勿論ない。

「あっ」と声を発して人に多少見られたが、まぁいい。

すっかり忘れていた。本当になんでだろう。

赤福。

昨日名古屋駅で買った品物。

残り6個ぐらいでギリ買えた。

残り1個で買えましたって言う事実なら物語映えすると思うがそんな事は一切合切ない。

と言うかこれは運が良すぎる。

平日は母か、父のどちらかの両親に買ってもらっている。

最近は家に帰ってこないから余り食べられてない。

じゃあ自分で買いに行けよと思うだろうが、いつも私がいくと「本日売り切れ」と言う見たくもない文字が見えるのだ。

本日「も」だろ?

1、2回なら許せるが、私が言って数十回行って一回以下くらいしか買えないのだが苛立つのは分かるだろう。

でもなぁ矢張り買い求める時間が遅いと言うこともある。

学校の帰りに買いに行くこともある。でも殆ど無駄だ。

その時間帯より平日の昼間にサボりで行くけれどそっちの方が置いてる気がする。

だからあんまり学校帰りに買いに行かない。

それが昨日買えた。

嬉しいの他でもない。だが幸運過ぎて怖い。

とてつもない不幸が降りかかってきそうな「嵐の前の静けさ」の様だ。恐ろしくてしょうがない。

まぁいいか。今食べよう。朝御飯は早食いし過ぎて、腹に入った気にならないしね。

昨日は台湾拉麺食べて腹一杯になったから食べなかった。

でも鞄から出して冷蔵庫に入れておけば良かった。

何故忘れていたのだろうか。改札に入る直前に買ったし、名鉄名古屋駅から東枇杷駅4分程。そこから自宅まで5分もかからないと思う。最大10分程。その短時間で忘れたのか。記憶力塵かな?

まぁその事が回り回って今から赤福が食べられるのだ。

どっかで落としたとか、言言言に食べられるとかが以前にあったから食べられてよかった。

いやその部分に関しては感謝しようか。

もういい。

考えていたら食べられない。

赤福の包装を剥ぎ取る。そうは言っても、糊付けされている所を綺麗に剥がす派である。さほど意味ないよ。

何故か無性に綺麗にしたくなる。この気持ち分かる筈だ。

この気持ちで分かる人は多分何も考えていないと思うが、それを言っちゃあ終わりでしかない。

で、剥がすと木箱テイストの箱が出てくる。

どうせ捨てるのにこんなに立派なら捨てづらい。

狙っているのか?

だとしたら「やめて欲しい」とも言えないけど。

赤福はこれだからな。

この高級感がいいんだなぁ。

で、「あかふく」と平仮名でかかれた木の板で…。

えっと…。説明が難しい。

店で貰えるアイスクリームスプーン(木製の)あの財産に、結構長めの台形のような中途半端な台形の道具。ヘラと言ったら分かりやすいかな?

想像が膨らみ辛いけど。

なのでGoogle、Yahoo!、百度(百度は有名ではないか。中国の検索エンジンだ。)とか人間が腐るぐらいの便利なものがあるのでそれで検索してください。説明の難易度が高いので、「赤福」スペース「画像」で、でも調べてください。

その良く分からない道具で赤福を掬う。

この表現でいいのか分からないけど。いちいち分からないものが多い。

丸一日常温より多分温度が高くなるであろう鞄の中に入れてあったので、赤福1個、1個が溶けて引っ付いてしまっている。1個取るのにいつも以上に時間がかかる。

取っても箱の底(赤福と接している面)と引っ付き残りがあって汚く見える。

この際、綺麗に食べることなんて無理に等しいものだ。

そんな意識など毛頭ないのだが、まぁ食べられたらいい。極論すぎるか。

赤福を口に運ぶ。

落としたなら親が死んだよりも悲しい。それは絶対的に無いと思う…???

そうだとすると何十回も落とす自分は親が何十回死んだのと同程度の悲しみを経験をしたことになる。


親がまだ亡くなっていないのだから基準が元々可笑しいのだが、これはご存じ比喩ですよ。そうでなければ最低だ。いや、私はそう言う奴かも知れない。まぁいいさ。

赤福を舌に乗せる。

噛む。

脳から恐らくはドーパミンが放出されて「幸せ」になる。

至福な時間であると言える。

この赤福を食べている時の「幸せ」が一番かもれん。どこまで幸せがないのかが感じられるが、食べらば幸せになるのだからコスパがいい。

毎日でも食べられる。

勿論これは比喩だよ。それくらいは分かるよね。まぁ週3、4ぐらいで食べるのがいい。それでも多いと感じるだろうが、自分が美味いと思っているならそれは勝手であろう。唯一かもしれない幸せに介入される義理はない。

流石。私が愛して止まない食べ物だけある。私にこれほどの影響を与えるのだからな。(愛しているなんて言えるのはこれだけだろうと思う。)

そう思うと東海地方いや、中京圏に生まれてよかったと思っている。だけど、中京の人間が私のように「赤福」を頻繁に食べる人などいないな等しい。食べた事ない人だっている。

「赤福」はなんてったって御土産色が強い。 

地元の御土産を頻繁に食べる人など珍しい。

結構珍しいタイプの人間なんだろう。

でも、拉麺系(名古屋なら台湾拉麺とか)は普通に地元の人間、観光客問わずに食されている。

よって、「赤福」はどこまで行っても土産物という事だ。

結論は以上。

私の中の結論は実際どうでもいい。

それよりも赤福を食べることが重要なのだ。

2個目、3個目、スイスイと喉を通っていく。

こういう和菓子を食べるとお茶かなんかの飲み物が欲しくなってくる。

そうだ。忘れていた。キオスクで買おうとしていたのだった。

「言言言言乃波」らしき人を追うのに無我夢中になって、いやそこまでではないけども、それで疲れて、その疲れで飲み物を買うこと事項が全て飛んでいってしまったのだろう。

少し抜けているな。

あとの(8個入り800円の一番安かった赤福を買ったから)残りは5つって所だ。

買いに行った方がいいのか?

喉渇いてきたし。

こういうお菓子は水分を一方的に持っていかれる。

パンのように。

でも、5つも食べれば口の中の水分は死ぬ。

よし…。

今は買いに行かないことにする。

面倒である。

学校に行く為に乗る地下鉄ホームとかで買えばいい。なんせここは大ターミナル名古屋駅なのだから。

その決断が身体的には最悪を招くことになるが、一掴みにそう断言してしまうのは良くないような、良く分からない展開になってしまう事はまだ知らない。

知っても運命的など変わらない。

そんな事は知る由もなく、4個目、ちょうど赤福の内蔵量の半分目を食べ終わる。

「ブー」と言うスマホのバイブス音に踊らされ、ロック解除をし、脚を組みながら見る。

世の中、しょうもないことで盛り上がれるなぁと今朝のネットニュースを見ながらそう思う。嗚呼、元々そう言う人間しかいないかぁ、と冗談の様な(冗談)曲解に結する。

なんだかそう考えてみると無意識に考える人のポーズをしていた。それに足を組んでいるのだから身構えはそこにいなければならない本当の暇人か、美術の時間の人物模写、アニメ、漫画、アー写、小説(主にライトノベル)の表紙に起用されるちょっと格好をつけた人見たいだ。(例を挙げたが結構あった)

この中で私に該当するのは暇人である。(学校に行かないといけないけど)

でも、ネットニュースとか見てる奴なんて暇人の他でもないでしょ?見てたらごめんなさい。

スマホを見るのを止める。ただ漠然と。

そう言う時もあるだろう。

そして今俯いて、ただただ深くも浅くもどっちとも取れない溜息を吐く。

それから3秒余り。彼女はようやく気付いた。

辺りがやけに暗いのかが不自然だとようやく気が付いた。

何故暗いのか?いや、暗いのではなく薄暗いのか。

雨雲とか分厚い雲があって急に天気が悪くなったのだろうか。

まず、最初にこれが浮かぶ。が、そんな余裕はなかった。

気付いた所で出来る事など殆どなかった。

スマホを閉じて溜息をつく、そんな短時間では常人に出来る思考スピードなどなかった。当然、放何故崩無に仮説立案は出来なかった。(別の所は常人ではないが。ここはちゃんと常人である)

では何故仮説を立てる暇など、猶予もなかったのか。

答えは簡単だ。別に立てなくても良い。この場合は。

状況を見て結果的に立てなくて良いとなったのだ。

そう一番手っ取り早いのは空を見る。それで正しいか正しくないかの判断が立てられる。誰でも見れば分かる事なのだ。

そして空を見た。

彼女は唖然とした…。としか出来なかったのが正しいだろう。爆音も、爆発音もなくビルが倒れてくるのだ。

彼女視点では降ってくるとしか表現出来なかった。

そしてビルは神々しく光を四方八方に放つ。

街は光に包まれ、あらゆる生物が消し炭になってゆく。

この2020年11月17日午前7時丁度に。

放何故崩無の誕生日。あと2時間13分14秒で誕生時。

そして奴張子碧南の冤罪を受け入れて注意される日。

あれ程憂鬱になっていたのだが、なる必要がなくなった。

祝ってくれる筈の友人や両親、注意される筈であった教師、不信感を抱いている碧南に完璧に近しい言言言。

みーんな綺麗さっぱりと消えてなくなった。

あの世界人口の12%を削り、今尚削り続ける災害。

「円死光」によって。


010

街は崩壊した。

彼女、放何故崩無の日常も崩壊した。

もう取り返しのつかないほどに。






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