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少女黙示録  作者: 狩川藍
06『昨日の敵は今日の友と言うけれど昨日の友は今日の敵も成り立ってしまうことから本当は私達に友などいないのではないかと思う』
43/43

『命は……』

005

「あはあはははは。ゴブっ。的がら近ずいでぐれて感謝だなあ。もしかして私の優しさのお返しか。じゃあそのお返しがもらえるように贈ってやんよ。冥土の土産に弾丸をなあ」

セットして程缶課長の方に向けて撃つ。

当らない。

というか方向だけあっているが別の所へ着弾する。

完全にエーム力が鈍っている。

そのことに悔やむことなく次の弾をセットしようとしている。

ガチャっガチャっ。

セットし終わる。

だが、もう遅かった。

言言言自身が崩無に肩に刺したナイフがもう自分の服部に刺さっていた。

生温い液体が流れ出る。

「冥土の土産は要らなーい。沢山残っているからさー代わりに自分があげるねー。御免ねー。余り殺したくはないけどこの際だから仕方ないよねー」

「あっ…。が……。」

腹部に刺すのに飽き足らず胸の辺りにまでナイフをつきたてる。

何度も何度も。

「あああああああああああああああああああああああああああああああ」

言言言の無惨な悲鳴が響き渡る。

絵的にグロテスクである。

茫然自失に立ち尽くしたらいいのだろうか。

「嗚呼そうだ。君の敗因はちんたらちんたらお喋りして殺しに来なかったからだよ」

と冷たい冷たい声で言い放った。あのハスキー声に一番あった表情だなと微かに思った。

「じゃさよなら。もう名前も忘れたよ」

………………………。


呆気なかった。

人はこんなにも簡単に死んでしまうのか。

「でー崩無ちゃん大丈夫?」

と小走りで瓦礫の山から覗き込んでいた私に駆け寄って来た。

「大丈夫です」

そういうしかないでしょう?こんなの。

いや、大丈夫ではなくてもあの蘇生装置を使えばいい。信用しすぎか?まあ瀕死状態の自分を救ってくれたし。

「じっくりさー話したいけどー自分らさーもう身体的に早く治療したほうがいいよねー」

「そうですね」

言言言のせいでボロボロだ。

「しかし…。崩無ちゃん?えっ…と言言言って何者?」

今戦い、息の根を止めた相手に……。しょうがないか別に本当に有名でもないし、さっきまで緊急事態で生死をかけていたのだから。

「嗚呼。一言で表現するのなら完璧美少女優等生ですね」

「いや、そういうことじゃーない」

「ではどういうことですか?」

どういう意図かわから無い。何者……?

「そいつは()()()()()()()から何者かなーって聞いたんだよ」

程缶課長は言言言を指し示しながらそういった。


006

「どういうことですか?」

人間じゃない?そうだとしたらなんなんだ?幽霊とか宇宙人とか地底人とか化け物だったとかそんな物語的展開がここにしてくるのか?

「んー。百聞は一見にしかずで見てみた方が早いよー?」

そう言って言言言の死体の元に近寄る。

「…………。」

そこには内蔵などの五臓六腑の器官はなくただただ言言言の中身は血液しかなかった。可笑しい。明らかに出血の量は少なかったはずだ。

「あの?なんですかこれ?みたことないんですけど」

「自分もないよー」

「何者なんですか?」

「自分がさっき言ってたことでしょー」

そうだった。そうだった。

しかし、言言言が人間ではない。何故か納得できた。

あの速さやロケットランチャーと何十発ものロケットランチャーの弾を軽々しく持つ。余りにも人間離れしているし、あの勉強のできよういや、それはまだ許容範囲。これを許容範囲外にしたのなら色々と失礼だ。

じゃああの異様に整った容姿なんて作り物見たいで才色兼備、品行方正、オールマイティ性、完璧美少女優等生な完璧なまでの性格に抱いていた不可解さはあれか不気味の谷現象だったとでもいうのか。(ロボットと決まった訳ではないけど)

まあ考えても人間ではおそらくないくらいしかわからなかった。

「宇宙人とかですか」

そうとしか言えなかった。

「まー、だとしたら持って帰りたーい。そうじゃなくても持って帰りたーい。しーかし自分らは怪我をしてしまってるのでー断念かなー。悲しい」

持ち帰ろうとしていたのか。倫理のかけらもない発言だ。常に倫理が欠如しているやつに言われたくはないだろうけど。

さて。私はふと思った。

「あの。程缶課長。私にスマホはどこにあるのですか?」

「自分が持ってるよー。はい」

と渡された私のXperia。

すぐに電源がOFFになっていたので電源を入れてカメラを開けた。

カシャッ。

「んー?何とったのー?」

「言言言です」

「えー?えっ?ん?何でー?」

「いや、言言言は腐っても大切な友人だったので形見くらい欲しいとおもいませんか?それで血を布に染み込ませて持って帰るのは良くないと思いません?」

布に血を染み込ませて持って帰るという発想は異常だろうし、死体を撮ったので倫理的に終わってるもんである。

怪訝そうな顔をしている。

完全に引かれてしまった。

しょうがない。私はそういう奴で何だか永久に変わる気がし無いのは気のせいなのだろうか?


007

その光景をビルの屋上からずっと眺めていた人物がいた。

屋上のフェンスに寄りかかりながら珈琲を一口。

「あーあ。壊されたか。組織的にはまずいことだがままいいか。好奇心煽られる」

これから何か起きるかという不吉な風も吹いた。


008

言言言に勝てる所は「生命力」であると冒頭に述べたが事実そう証明されてしまった。技能的に優れ、完璧であっても死んでは意味などないに等しいのだ。まあそんなこと死んだ本人になにを語ったとしても無駄の一言で済んでしまうような話である。

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