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少女黙示録  作者: 狩川藍
06『昨日の敵は今日の友と言うけれど昨日の友は今日の敵も成り立ってしまうことから本当は私達に友などいないのではないかと思う』
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『放何故崩無、再び』

002

ほんの3時間前に私に中の言言言言乃波像は崩れ去った。

あっけなく。

今の言言言には才色兼備で品行方正な彼女はない。そう感じられなくなった。

優等生だと思っていた人に殺害されかけたのだ。

未遂であっても私が許すことが出来たとしても自分の中にあったいや、誰の中でもあった「完璧美少女優等生」という像が全てにおいて偽りに思えてくる。

実際そうなのだろう。

これまでに彼女が行ってきた全てが偽善に思える。あながち一部の嫌悪していた女子たちも間違ってはいなか奴張子碧南(やつはねへきな)ったと言える。それでもこんなことどこの誰が予測できたというのだろう。そして「完璧美少女優等生」の言言言からおよそ思いもよらない汚れた言葉が発せられたことを。

えっと…なんて?

「君はゴキブリの交配で生まれてきたのかな?」だって?

正直違和感が段違いだ。

初めてではないけど、こんだけイメージを壊された一言なんて人生で体験したことなかった。

「お前が地雷を踏めば地雷は減る」とか「銃さえあれば全弾お前に撃つ」とか言われた時よりも衝撃的だよ。

そしておまけのようだけどもこれもイメージ破壊にこうけんするかのようにゲス顔をしている。

3時間前にも同じ顔をしていた。

こんな顔をしていたのは私の友人?クズで有名な奴張子碧南(やつはねへきな)くらいしか思い当たらない。言言言と碧南が同じ顔をしていいるなんて想像もしたくない事実だろう。優等生とクズがイコールになるからね。

あの「完璧美少女優等生」だと思っていた言言言は偽りで本当は碧南みたいなゴミクズなのか?

この世は何があるかわからんなぁ。

考えるしかないな。考えると言ってもただただ事実しか述べられない。

事実だけを今述べても何も変わらない。一悶着あったあと後ではなく現在進行形の危機的状況下なのだ。ゆっくりも事実だけ述べてても何も変わるわけがない。

ほら。言言言はゲスな笑いを続けながら右手にはロケランを携えている。

一目見てヒヤリとするような状況であろう。

そんなこと気にもかけずに聞きなれない毒舌皮肉で言ってくるのだった。

「はhqさhsh。まーまー。君が生存能力が高くて褒めて差し上げてるんですよ?正直に喜んだらどうです?阿保何故崩無さん♪」

「……。これで褒めているのですか?嘘ですよね」

「ゴキブリの交配で生まれてきたのかな?」だよ?どう考えても侮蔑の意味でしか捉えられ無いのですけど?上から目線だし、そもそも喜び方がわから無い。分かっていたとしてもそれで喜んだのならただのMじゃんか。嗚呼それと「阿呆何故崩無」だ。そんなものが言言言に知れ渡るほどに広がりを見せているのか…。確かに合わせ技で上手いと思ったけれども。

この会話を横で聞いていた程缶課長は耳元、囁き口に

「えっ?崩無ちゃんの知り合いなのー?こんな初手から車をぶっ飛ばす危険要注意人物みたいな人とー?やめときなよー。関わるのはさぁ…。いや、もっとさー。クラスの無茶苦茶にできる優等生とかと関わりなよ…」

いや、不幸なことにその初手から車をぶっ飛ばしてくる人物が我がクラスの、我が校の一番の優等生だったのだが…。

残念極まりない。

「君ら命知らずだねぇ。本人が目の前にいるところで堂々と陰口なんて。陰口になって無いよ?むしろそれは宣戦布告ってことかなぁ。そういうことにするよ?」

若干苛ついてるのかなぁ。」

あれ?更に苛ついて…。思わず口に出してたのか…。

だが、直様表情を変える言言言。イラつきを隠蔽しようとする。

引きずった表情のまま話す。

「まあいいさ。そんなことは。崩無お前を殺すことは変わりない。ついでにあんたもだ。」

と程缶課長の方を指す。

その程缶課長はというと横向いて自分ではないだろうという感じだった。

「おいお前だ。白衣着た白髪」

「…………」

「自分?」

オバーリアクションのやらせ感が半端でない行動をとった。

口を大きく開けて、手を広げて。例えるなら彦麻呂のようなリアクション。

若干鬱陶しい(彦麻呂は鬱陶しくない)が、しかし気に留める必要もない。

逆に気に留めてしまったのなら負けな気がするだろう。

「お前しかい無いの分かるだろ?舐めてますか?崇高な私を」

これがまたもや気に障ってしまったらしくキレ気味の態度がより一層増した。ヤクザの尋問や警察の取り調べの口調である。

そんな口調で接されても怖くない。むしろ対応に困るのが私である。この切れた状態だから彼女が持っているロケランをこっちに発射し無いかが気になっている。

そんな諸刃の剣のような心理状況に

「舐めていませ〜ん。舐めるならセブンの金のソフトクリームがイイでーす。買ってきてくれますか?」

と煽った。

………。

ハスキーなボイスをしているクールビュティーな容姿や雰囲気な程缶課長だがその風格に不釣り合いな大人気もない煽り方である。いや、寧ろ子供っぽいと言っても過言ではない。

クールビューティーさは黙っていれば保たれていた。

ハスキーボイスは映画の脚本を読んでくれていたら保たれた。

しかし程缶課長は性格の不一致とでもいうのだろうか。残念なクールさだ。

多少は猫を被って欲しいものだ。

まぁ程缶課長の言葉は初対面の人に言うことではない。なんで初対面の人に嗚呼も煽れるのだろうか?

ほら見よ。言言言さんはお怒りのようであらせる。

身体をプルプルた震えさせながら耐えている。

そして無理に顔を整える。綺麗な言言言に。

向こうが猫被ってどうするんだ。

「その失言私の免じて許して差し上げましょう。ゴミクズ。お前が死ぬ前の最後の願いとして」

感情が少し漏れてるよ。隠せて無いよ。

怒りがひしひしと伝わってくるよ。

程缶課長は私の肩を掴みながらに苦笑いしている。

そんな顔するのなら言わなきゃ良かったのに。

「最後の願いなら神くらい殺せよと願うわ…」

とぎり私が聞こえた声で言い放った。

なんだろう。何かの比喩か皮肉か?と思って納得した。

言言言には程缶課長がなにかを言ったことは伝わったらしく

「何か言ったか?這入込乃々(はこのの)程缶(ほどか)さぁん?」

と言った。

「何も言ってい無いよー」

「あとあれだー?なんで自分の名前を知っているのー?私は君の名前を知ら無いのにー」

と強引に誤魔化して話題を変えた。

「あー。そりゃ知っているさ。中京円研円死光調査課課長さぁん。噂によると頭がよろしいようでね」

上からの物言いだ。ずっとか。

たしか組織人とかなんとか言っていてその組織経由で知ったのだろうか?分から無い。組織の名前すら知らな無い私に分かるわけもない。

で、程缶課長は「頭がよろしいようでね」と言う一言が純粋に嬉しく思った様で、それで少し恥ずかしい感じに

「そりゃどーも」

と素っ気なさが強いような答えを返した。

「で、屑程缶」

「屑程缶…」

鸚鵡返しに残念そうに言った。

さっきから散々な言われ様だが名前に屑とかつけられるのは嫌らしい。

「どうせそこのなんの役にも立た無いゴキブリの擬人化に聞けばわかることだが、一応名乗っておこう。わたしの名前は言言言言乃波(ことゆいことのは)。そう言う名前で通っている」

嗚呼。言言言の中での私はゴキブリで定着してしまったのだろうか。昔、と言っても昨日のことだが崩無ちゃんと優しく言ってくれたあの日のことが懐かしいなぁ。

「まま。そんなこと知っても知らなくても人生かわりゃし無い。何故ならお前らはここで私に殺されてお終い。ご臨終なんだよ」

と言いながらナイフを投げた。2本ちょうど私と程缶課長の分である。

私の身体を刺しに刺したナイフと同じメーカーのものだ。

そもそも可笑しかったのだ。私を殺害しようとした人と呑気に話していたなんて。

そりゃあ。殺すタイミングを窺ってくるだろう。

2本ある一本は程缶課長の元へ。

そして程缶課長は身体を斜めにしてうまく避けた。

2本ある一本は勿論私の元に。

程缶課長のように斜めにして上手く避けようとした。

だが、そんなこと無駄であった。

寧ろ余計な行動だった。

避けようと行動しなくてもナイフなんて刺さらなかった。

無意味に状況を悪化させた。

自分からナイフの射程圏内に入った。

それに気付くには遅かった。

そのままナイフは物理法則に従って私に刺さった。

ずぷりと肩のあたりに。

「え、え、え?崩無ちゃーん?」

と程缶課長が言った時には私は地面に倒れ込んでいた。

相変わらず不幸だなーと思う今日この頃なんですけど…。


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