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少女黙示録  作者: 狩川藍
04『他人に優しいということはそれだけ他人を見下しているということ』
32/43

『放何故崩無は死にかけ』

006

まさかのまさか。テレビ塔から落ちたことがまさかなのに。それ以上のまさかかもしれない。

そう発言した主は驚きの完璧少女の委員長言言言言乃波(ことゆいことのは)であった。

何故何に彼女がここにいるかは疑問なのだがそんなことが考えられるほどに私の脳みそは働いてなかった。立っていることで精一杯なのだ。だから頭の中は真っ白であり、考えはない。

そう考えられずにいると言言言は発言する。

「フッ。いや〜ぁ。()()()生き残っている人がいるなんて驚きだねぇ。そして痛ましいよ?」と苦い顔して言ったのだ。

およそ彼女から出ているとは思え無い低い声で。そんなものではない。悪役っぽいトーンだ。しかも私を見下している感じがするのだ。

しかし、痛ましいとはなんだ?

嬉しいではなくて。そして()()()とはどういう意味だ?彼女がやりましたみたいな言い草じゃあないか。彼女が私を殺そうとしたのか?飛躍しすぎか?

分からない。頭が働か無い。

もどかしいという感じなんだろうか。それは無いか。

「ははっ。分からないって雰囲気だねぇ〜。無理もないさ。まず、崩無ちゃん?お前が問いたいのは私が何故ここにいるかだよね。円死光で生き残っているなんて可笑しいと。」

そりゃあそうだ。

利医紗ちゃんは外部から調査と言っていたし納得の余地はある。そういう職業と言っていたのだ。で、言言言は名古屋市民でなくて一宮市民でありそこは腑に落ちるが、今は、と言うか円死光発生の時刻は大体登校時刻なのだ。以前言言言と話した際にいつかは忘れたが結構早めの時間に登校していると聞いたのだ。だから辻褄は合わない。 

だから本当に不自然な点だ。だか、今、現時点ではそこまでの思考は至らない。この論理は後々に思ったことである。

「まぁー。そんなことお前に話すギリなんてないし、正直言ってどうでもいいことなのだよ。ゴミクズちゃん。私にとってどうでもいい。私にとって利益じゃないからどうでもいい。」

「……。」

絶句。どんどん口調が崩れている。彼女に対してのイメージ像も崩れ去っている。

「お前も災難だねぇ〜。あのテレビ塔倒壊で死ねば楽だったのにねぇー。さっさと死ねよ。」

もう確信に変わってしまった。信じるしか無いようだ。

「……あ……。」

上手く発声できない…。

「ガハッガハッ。」

口内で血が溜まっていたのだろう。

血反吐を吐いてしまう。

「あー。汚ねえなぁ。汚ねぇなあ。言いたいことがあるなら早くしてくれや。こちとら仕事で時間ねぇんだよ。」

言言言は意味の分からない発言をした。

まぁいい。発言権を持っているのは私なのだ。

「あの……。私を殺そうと…言うの…ですか……。」

「御名答と言いたいが、当たり前。」

「っ………。」

薄々勘付いていたが、改めてはっきり言われると最悪の状態だなぁと思うのだ。

「お前が生きてるなんて都合が悪い。我々組織としては。おっとこれは言わない方が良かったかな?まぁ仕事とか言ってるしいいか。そしてお前は亡き者になるし、亡き骸に言っているようなものだろう。テレビ塔倒して死ななかったんだ。ほっといても死ぬんだろうがなんせ矢張り時間がない。死んだ状態で写真とって提出しないといけない。だから私直々に死に損ないの生き損ないのお前を殺しに現れたのさ。感謝するといい。ゴミクズちゃん。」

組織?組織の犯行なのか?

いや、今はそんなこと考えている場合ではない。

私は少しばかりの抵抗として逃げようとした。

どうせこんなズタボロの身体で全速力で逃げれられる訳がない。生死事態危ういのだ。

一歩後ろへ進んだだけだった。

グサっと隠し持っていたであろうナイフで腹部を刺された。

血反吐がでる。

私の血が流れてでできた池もさっきの倍以上だ。

「はっ。どうせさぁ。死ぬのに、逃れられないのに、諦めない姿勢は見上げだ。私はお前をお前が生きてる限り尊敬しよう。」

私はそんな罵倒は聞こえただろうか。その前に倒れ込んだ気がする。赤黒い液体はまだ垂れ流している。収まる気配はない。元々死んでいただろうが、これは本当に致命傷だ。

ただの追い討ちじゃあないか。

嗚呼。意識が朦朧としてくる。

ずっとか。テレビ塔と一緒に落下してからずーと。

そして言言言は

「じゃあ。グッパイ崩無ちゃん。また来世でお会いしましょう。その時は是非仲良くしてねぇ〜。って聞いていないか。」

と陽気に言いながら刃物を投げ捨てた。

手慣れている。

そう感じた。

的確に急所をついて一撃で仕留めてきた。

殺しの手際がいい。

あの手で何人もの人を葬ってきたのだろうか。

去っていく言言言を見ながらそう思った。

そして私はゆっくり目を閉じた。

死にたくないから感情を亡き者した私に相応しい死に方だったのかもしれない。

嗚呼。それにしても、倒れ込む最中に見えた言言言の目は私と同じだった。

まるで感情を繕っていたようだった。



007

誰も彼もを信用に値する存在にして疑わないのはそれはただの馬鹿である。他人を信用し、秘密を共有したのなら強制的にリスクを取らざるを得ないのだ。その秘密を言った人の数だけリスクが増大していくのだ。そして、その適正人数の良い塩梅があると信じたいがそんなものは存在しないだろう。

結論。人間不信が一番強いのである。

いいや、一層人間に興味、関心がなくなればいいのだ。

それが私、放何故崩無なのだから。

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