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少女黙示録  作者: 狩川藍
01『優しいだけの非情な少女の日常は崩れる。残念なことに』
3/43

『放何故崩無はやっていない』

003

「おいっっ!!放何故!!」

と、睨めつけながら教師は怒鳴った。五月蠅いと若干感じる程に。

先程まで事の経緯を回想していて聞いてなさが伝わってしまったか?

「ああん?黙ってないでなんとかいえ!!ゴラッ。」

威圧してくる教師。

当然私は「碧南に冤罪をかけられたんです。」と言った。

余計に機嫌が悪くなっていく。そして限界突破してしまったのか、呆れて溜息を吐いて

「何回言っているんだ?奴張子に罪擦り付けるのもいい加減諦めろ。証拠は出揃っているんだぞ。」

諦めろもなにも私は悪い事はしていないし、関係ないようなものだ。証拠は全て手違いだ。

だから私は教師の言い分を否定し続ける。

「だから、私はやっていませんってずっと言っているでしょう。大体悪いのは碧南ですから。」

何度言ったか分からない文章を言う。

ていうか碧南さん?無言で教師と私のやり取りに興味ないのか明後日の方向を見ている。

これは私が解決しなければならない問題(まぁ可笑しいけれど)に屑で有名な碧南が来てくれたことは正直言って意外中の意外だった。碧南の中で私は相当に好感度が高いらしいと思った。

教師はそんな碧南には目にもくれずに私を攻め立てた。

攻め立てたところで私が言う情報はただ一つ「やっていない」それのみである。

すぐ近くにさぁ、貴方が必要としている情報がたんまりと持っている奴がいるのに。

私が「やってない」の一点張りであるから教師は

「吐かないのなら親御さんに電話するからなぁ!!!」

と脅しに入った。教師にあるまじき行為である。

でも無駄である。脅しなんて。

それでも親を巻き込むのは困る。

だから私は「私がそんなお金を強請る様な奴に見えます?て言うか実際電子マネー派なので現金は必要とはしません。やる理由がありますか。」と数万円もある残高画面を表示する。

教師は崩無が完全にやったと思い込んでいる。

言い分なんて聞かないで「警察から学校に直々に電話があったのに、放何故!!言い訳苦しいよ。」

そらそうか。警察からの電話だと信じない人なんてそうそういないか。

私もどちらかと言うと信じる。そんな地位もない一般生徒よりも市民、国民の治安維持活動を行っている名実共に名のある組織と比較したならそら負けてしまう。

そう考えが及んでしまうと冤罪なんて覆すのは不可能に近しい事だと思えてくる。

だって公的機関である警察に私が注意を受けた(受けてないけど)感じになっている。

絶望でしかない。

八方塞がり。四面楚歌。

もう冤罪でも何でもいいから注意を正直に受けるか。

受けても心に一切響かない無駄なものになってしまうけれど。

諦めようと考え始めていたけども

「もういい。お前と喋って埒が明かない。明日放何故の親御さんを呼んでもう一回話をする。今日はもう帰っていいよ。お前と違って忙しんだ。テストの採点をしないといけない。お前と違って。」と冷静に冷たく言い放った。

「やっていない」それ以上もそれ以下もない。

そんな体制をずっと貫いているので教師は見限ったのだろう。

親を呼ばれると言う最悪なルート。

教師はその言葉を言い放ったあと表情を緩め、

「あっ。ごめんね。奴張子さん。こんなくだらない奴の嘘に付き合ってくれて。」

さっきと対照的にな優しさが含まれる感じで言った。碧南はそれが痛そうだった。

教師の対応には最悪だなと言わざるを得ない。

もっと言い分くらいは聞いて欲しい。

と思ったのだが教師は足早にこの場を立ち去っていた。テストの採点をするためだろう。そう言ってた。

それにあやかって碧南も私の前から立ち去ろうとしていた。が、そんなことされてたまるかぁ。

それが罪なき人間を罪人にした張本人がとる態度かと言いたくなる。言ってもいいだろう。

立ち去られる前に肩を掴む。勢いよく。

「に、げ、る、な、よ。」

「あっ。うん…。」


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