『放何故崩無の悲劇と喜劇の開始』
009
まずい、まずい、まずいと多分3回ぐらい(しつこいくらいだ。)言っていたはずだが結局私と利医紗ちゃんが話した時間は1時間半。普通くらいだ。でも、そうは思うが、時間のない人が話す時間内ではない。いつ帰るんだいつ帰るんだと思っていたが、そしてようやく(待ち望んでいた訳ではないよ?利医紗ちゃんは変な奴だし、やばい奴ではあるが命の恩人だと思っているし……。まぁいいかぁ。)
「と言う訳で、うちはうちの戻るべきところに帰るよ。あーあ。放何故ちゃんを研究の為に持って帰りたかったよ。悲しいなぁー。」
「悲しいなぁが棒読みなのは痛みますよ。」
「痛まないのに?」
「いやそうですが。」
「んーじゃぁ。またねぇ。放何故ちゃん。あー最後に言っとくけど栄のテレビ塔はギリギリ残ってたから見に行ってみ。意外と綺麗に残っているから。」
そうなのか。
あのテレビ塔が。
「見に行ってみます。」
そういった。社交辞令ではないですよ。
単なる興味みたいな行かないといけないような……。
まぁいい。取り敢えずの方針だ。
その声に利医紗ちゃんは
「行きぃ。行きぃ。」とこれまた陽気にそして、肩をバンバン音が聞こえるくらいに叩いてくる。
地味に、本当に地味だが、少し痛い。
叩き終わると意味ありげに声のトーンが一気に下がる。
「あっ後。最後とかさっき言ったけどなしで。今回が最後。二言三言、戯言を話したら終わり。………。放何故ちゃん。放何故ちゃんにはできる限りなんとかして欲しいものだよ。期待してるよ。うちを助けるとでも思ってさ。」
そう言い終わるとこの巨大な正方形の青色の機械の前から(そこでずっと話していた)立ち去る。
私は利医紗ちゃんが立ち去っていくのをただただ棒立ちで見つめていた。特に見ることもないので煙草(正確には大麻)の煙を凝視しながら遠ざかってゆくのを見つめる。
歩いているので大分遠ざかるのはゆっくりだ。
そしてその間に考えた。
考えた。
だが、残念ながら分からなかった。
最後の言葉の意味、意図が。
核心に迫ることはできなかった。
それが分かるのは随分と未来の話であるのをネタバレしておこう。
010
「天才」
「生まれつき備わった優れた才能。そう言う才能を持っている人。」と言うのがググればでてくる。
その言葉には勝てなくて当然、神からのお墨付きのような意味合いが含まれどうも現実味がない。
鬱愛利医紗や言言言言乃波は間違いなく天才だろうし、奴張子碧南はクズの天才って言っても良いほどクズの才能があったがまぁこれはどうでもいいか。
それらと比べれば(奴張子碧南は除外する)私は「天才」的ではないのは正気の沙汰だ。
だが、神からは災害を授かった「天災」と言っても差し支えないだろう。これによって利医紗ちゃんが名付けた「放何故崩無症候群」と言う意味不明な病気が生まれたのは才能であり多面的にみた場合には天才的だと言えるのではないだろうか。いや、天才の大安売りみたいで良くないか。まぁ取り敢えずそれは両方共に今まで以上の本領を発揮されるのだ。
それは私にとって悲劇の始まりで、人類にとってはこの上ない喜劇の始まりであるのだ。
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